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ここ数年で市場が変化…きちんと地域の事前調査ができれば、地方の空き家物件投資のリスクは低い! 【空き家エコノミー⑪】

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【ソトコト×ヤモリの空き家エコノミー連載】第4回目(中編)。日本の各地域を再生して、地域を活性化、関係人口を推進していくプロジェクトが「ソトコト×ヤモリの空き家エコノミー」。毎回ゲストを迎えてソトコトと一緒に対談。
日本の築古戸建ての再生賃貸事業を手掛ける株式会社ヤモリ代表の藤澤正太郎さんが毎回、ソトコトと一緒にゲストを招いて、日本の各地域の空き家から推進する地域活性化、関係人口作り対談。

第4回目(中編)。前回の第4回目(前半)に続いて、中編でも、地方の空き家物件の投資家でヤモリ取締役でもある「きこり先生」が、空き家不動産投資の変化について語ります。

一番最初に買った場所は、北海道は札幌市白石区

藤澤 なぜ新築ではなく築古物件を最初に購入したのか…最初から地方の空き家不動産に興味があった訳ではないですよね? 不動産投資で、地方の空き家物件に行き着いた経緯についてお聞かせください。

きこり先生 価格に比べて都心の築古物件があまりにも住空間が狭かったからです。一般的に築古物件は新築と比べて価格が抑えられるので、その分、部屋を広く採ることができます。加えて、建物自体も昔の方が良質な建材を使っていたり、建築的にも優れていることも多い傾向にあります。さらに都心の空き家よりも、地方の空き家の方が価格的にも広さ的にも、圧倒的に投資アドバンテージを高く感じたからです。

藤澤 ちなみに一番最初にどのエリアの物件を購入したのですか?

きこり先生 札幌市の白石区というエリアです。札幌市のベッドタウン的な場所で、比較的家賃相場が低くて住みやすい場所です。しかし、一番人気のエリアではなかったのですが、投機目線だけでなく、実際に住む人目線で考えて購入しました。築古のアパートでしたが、すぐに借主が見つかり家賃収入が安定して入ってきました。この物件の購入は正解でした。

きこり先生の地元、
雪深い北海道で築古アパートを買ったのが、
空き家不動産投資の始まり。

地方の空き家不動産にポテンシャルを感じる理由

藤澤 一番最初に買った北海道の物件で、地方のポテンシャルについて気づいたのですね! 具体的に地方の空き家のどこに潜在能力を感じるのですか?

きこり先生 日本は今、少子化で、人口減少は避けられない現実であり、特に地方はその傾向が強いのは、誰もが知る事実。加速度的に地方の人口は減っているので、地方の不動産賃貸経営が今後さらに拡大するとは思っていません。しかし、行政や地場産業の努力で、盛り上がっている地方都市や住みやすいと評価されている地域が、メディアで取り上げられています。そういう世間的に評価の高い地域、地元目線でも高い評価であれば、可能性があると思います。住みやすいという評価とか、移住定住を促進している地域であれば、行政が長期的な町づくりをしていますので、安定した不動産賃貸経営が可能だと考えています。

地方に空き家がどんどん増えています。増えても修繕していない、ほったらかしの空き家が多いのが現状。つまり地方の空き家はお金が回る仕組みがない。なので、手を入れたい人や企業がほとんど出てこない…この地方の空き家不動産の市場に、競合がほとんどいないのです。そこにポテンシャルを感じています。

藤澤 前回(第3回)の連載で取り上げた函館も人口減少しているのに、賃貸需要がありました…。

きこり先生 実際に空き家物件を賃貸で回している実績からわかったこと…それはいろいろな方面から情報を取って地域の事前調査をしっかり行い、賃貸需要の裏取りをすることが重要です。投資や投機ばかりに目が行ってしまい、町づくりや地域の居住環境や未来に目を向けていない。基本のキですが、需要があれば供給がある…つまり、借りる人がいるとわかれば、不動産を購入できます。地域を調査すれば、それがわかる…そういった意味でポテンシャルを感じます。 

第3回の連載の舞台となった函館も人口減少の中で、
賃貸需要の強いことがわかった。

地方の空き家問題の意識は、ここ数年で明らかに変わってきた!

藤澤 10年前に空き家不動産事業を始めた時と現在で、地方の空き家市場は変わってきたと思いますか?

きこり先生 地方の空き家物件への融資は、以前に比べると融資が出やすくなっています。10年前までは、バブル期の不良債権問題の記憶が残っており、金融機関は地方物件への融資にとても消極的でした。その結果、地方物件にまで資金が回らずに、運用できにくい状況になっていました。

藤澤 空き家問題については、ここ数年で明らかに注目度は高まっていると、私も感じています。地域の課題意識の高まりや、自治体がどのように連携して空き家問題に取り組んでいくか、ようやく地方の空き家不動産に目が向きつつあると… 。今や地方創生、地域活性化において、空き家問題は無視できない重要なテーマになっています。

不動産マーケットは、
銀行融資の情勢に色濃く反映される。
その中で空き家不動産マーケットに変化あり!
(次回、後編に続く)

前編
空き家不動産のヤモリサミットで人気の、きこり先生が登場! 空き家再生でもたらす経済圏を語る!【空き家エコノミー⑩】

【きこり先生プロフィール】
本名は廣瀬涼哉。2009年に筑波大学を卒業後、三菱商事株式会社に入社。上海駐在から帰国後に不動産事業をスタート。戦略コンサルティング会社への出向や育児のかたわら、地方の空き家を再生するために、築古の物件を購入し収益性が高い事業を構築。10年以上の事業経験をヤモリのサービスに注ぐ。

【藤澤正太郎プロフィール】
株式会社ヤモリ代表取締役。2011年に慶應義塾大を卒業後、三菱商事株式会社に入社。インフラ事業の海外案件とアセットマネジメントに従事。南米チリに4年間駐在。その後、NY本社の不動産ユニコーン企業であるKnotel IncのJapan GMを務める。2018年に株式会社ヤモリを創業し、日本の中古戸建て市場の活性化を通じた地方創生を目指す。

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