福島12市町村と自分らしい形で関わることを考える「ふくしま未来創造アカデミー」。受講するまで福島12市町村と関わりのなかった方が、座学やフィールドワーク、自分と向き合うワークショップを通じて、この地域とどのような関わり方を見つけたのか。実際に講座に参加した受講生に伺いました。
現地フィールドワークを終えて。
2025年10月と11月の2回にわたって、福島12市町村でのフィールドワークを経験した第4 期生たち。その約2週間後、東京都内で再び集まりました。
この日に行ったのは、講座の最終アウトプットとなる「福島12市町村との関わり方プラン」を考えるワークショップ。現地での体験を通じて感じたことをもとに、自身がこの地域に対して何ができるかを考えます。
・フィールドワークでの体験や感じたことを振り返る
・講座OBOGの福島12市町村との関わり方の実例からヒントを得る
・自分自身の関心事や仕事、趣味などと関連づけながら、今後の福島12市町村との関わり方のアイデアを考える
・受講生仲間やOBOG、メンターとの対話を通じて、アイデアをブラッシュアップ

こうしたワークショップを経て、受講生はどんな「関わり方プラン」に辿り着いたのでしょうかー
プランのアイデアは、現地で純粋に感じたことから。
第4回を経て、最終発表会に臨んだ受講生たち。
なかでも、福島12市町村でワイナリーや酒蔵などの酒文化、味噌や漬物文化、それらと共に「常磐もの」の海鮮を堪能するという「発酵ツーリズム福島―浜通りの聖地巡礼―」を提案してくださった吉田和樹さんに、受講に至った経緯や福島12市町村とご自身とのこれからのことを伺いました。

―「ふくしま未来創造アカデミー」に興味を持ったきっかけを教えてください。
吉田さん:仕事で食関係のスタートアップ企業のイベントを全国いろんな地域で行っていますが、浜通りは特におもしろい企業が出てきていて、元気のある地域だなと感じて関心を持つようになりました。
―受講する前と後での福島12市町村への印象の変化はありましたか?
吉田さん:東日本大震災は15年前。正直、ほとんど意識することもなくなっていて、新しいことをやっているけど、「復興の記念館が建った」くらいの情報しかありませんでした。
実際に行ってみると、まず「大熊インキュベーションセンター」といったスタートアップの支援施設、ドローンや水素エネルギーの実証実験の施設など、知らないものがいっぱいできていることを知れたのがよかったです。
それ以上に、そこで移住している方々が非常に元気でおもしろい方ばかりでした。僕の関わる食のスタートアップも相双地域でおもしろい取り組みをやっている企業が多いのですが、尖ったことをわざわざ相双地域でやるのは合理的じゃない感じもするんです。東京、つまり消費地に近いところでやった方が工場の建設費や輸送費、営業もしやすいですよね。でも、そこでわざわざ相双地域で開くというのは思いが強い方たちが集まっているなと。また、若い人が新しいことを始めることが警戒される地域もあるけれど、ここは若い人たちものびのびとやっている感じが伝わってきました。この地域はコミュニティのエコシステムのようなものがうまくできているのではと感じました。
―最終回で発表したプラン「発酵ツーリズム福島」に辿り着くまで、どのように考えられましたか?
吉田さん:最初はそこまで具体的に考えてはいなかったんですけど、相双地域は意外と食が豊かだなというのをまず感じました。魚もおいしいし、農地もあるし、米もあるし、山の幸もあるし。それがあまり、私も含めて東京の人たちには伝わってない。なので、そこを紹介することができたらいいなと思いました。
ただ、単純に紹介するとおそらくグルメツアーになってしまうので。だったら発酵とか、今海外でも伸びているようなところを掛け算してアピールすることによって、ビジネスチャンスも広がるかと思い、「発酵ツーリズム福島」というプランにしました。食や「発酵」という分かりやすいテーマで、海外の人にも自然と福島の現状を知ってもらいたいと思っています。

―これからどのように福島12市町村と関わっていきたいですか?
吉田さん:「発酵ツーリズム福島」を実際にやってみたいです。発表会の後に周りの人に話したら、一緒にやりたいと言ってくれた人がすでに2人いました。やりたい人と一緒にやれば、意外とできるのかなという気はしています。僕自身が全部まだ福島12市町村を回れていないので、まず自分で行って、自分で考えたツーリズムを回ってみたいなと思っています。
急がなくていい、福島12市町村との関わり。
とはいえ、「このプランを仕事にしてしまっていいのか、仕事ではなくても、同じ講座の仲間が集まれる機会として行うなど、ほかにも方法があるのでは?」とまだ発想が広がっている段階の吉田さん。福島12市町村を回りながら、今後もアイデアが広がっていきそうです。
ほかの受講生も、それぞれの関心に沿った関わり方を考えてくださいました。
フィールドワークで同じ場所を見て回っても、人によって見ている視点が違うのがおもしろく、印象的でした。運営事務局としては、自分が楽しめる形、距離感で福島12市町村と末永いお付き合いを続けていただけたらと思います。
【主催】公益社団法人福島相双復興推進機構
【企画運営】一般社団法人日本関係人口協会
【写真・文】鈴木穣蔵、ソトコト事業部

















