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グローバルワーケーションのカギは、受け入れ先がおもてなししすぎない、頑張りすぎないこと! 【ローカル×ワーケーション㉕】

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【ソトコト×日本ワーケーション協会連載】ソトコトと日本ワーケーション協会がコラボして、各分野、各地域で活躍するワーケーション推進者をゲストに迎えて、毎回対談。ワーケーションにおける現在地や未来の展望を語ります。
第8回目(中編)。前回の第8回目(前編)に続いて、今回は中編。前回に引き続きゲストは、大阪でワーキングスペースを運用する森澤 友和さん、下田でワーキングスペースを運用する塚田絵玲奈さん。聞き役は日本ワーケーション協会代表理事入江 真太郎さん。「グローバルワーケーション」をテーマに、地域の住民と海外からのデジタルワーカーが自然体で混ざり合って生まれるムーブメントについて、深く迫ります。

海外ワーカーが地域のワーケーションに溶け込むことで生まれる化学反応

ソトコト 前回は「日本の日常生活」は海外ワーカーにとって、安全性のあるサプライズというお話がありました。

入江 実際に、地域で海外ワーカーの受け入れが進んでいます。グローバルワーケーションが盛んになってきていますが、具体的にどんな「変化」が起きるのか、話をしていきたいと思います。

森澤 海外のデジタルノマドたちと一緒に、奈良県の明日香村を訪ねた時の体験をお話したいと思います。明日香村の地元劇団の人たちが「大化の改新」の劇を英語で披露してくれたんです。慣れない英語で必死に伝えようとする地元の人たちの姿を見て、海外の人たちも必死に理解しようと…。その双方の歩み寄りから、最後は歴史の背景について熱い議論が生まれました。

入江 英語が完璧じゃなくても、地域の皆さんの「伝えたい」という熱量が相手の心を開いたんですね!

塚田 下田で、地元の高校生と海外ワーカーの間でキャリア交流の機会を設けたんです。ある高校生男子が「実は小説家になりたいけど、親に反対されてしまい…」ってポロッと話したんです。そしたらデジタルノマドとして世界をワーケーションしている外国人の方が、「反対されているのなら、返ってやったほうがいいよ!」って、全力で背中を押していて…(笑)。進路や生活など将来に関する相談の相手って、学校の先生や、クラスの友達、親など半径1m以内にいる人たちが普通ですよね。しかし、下田のワーキングスペースには、世界中でいろんな経験をしてきた、いろんな職種や国籍の外国人がいます。そんな海外ワーカーの人たちに相談できることで、色んな考え方に触れて、選択肢が広がっていくきっかけになったらいいなと思います。

入江 宮崎県の日向市でも、中学生がワーケーションのイベント運営を手伝ってくれていますが、彼らは「教えられる」側の受け身ではありません。周りの大人たちが楽しそうにワーケーションしている姿を見て、刺激され、積極的にサポートをしてくれる…それが地域に対する「誇り」に繋がっていくと思います。

塚田さんが手掛ける「TADAIMA 2025」。
地元のメンバーだけでなく、
過去イベントに参加したデジタルノマドたちも
積極的に企画や運営に参加。

あえてのアバウト感…余白を作ることがグローバルワーケーションのキモ

ソトコト 世界中からやってきた外国の面白い大人たちと、地域の青年たちが混じり合う……最高な化学反応が生まれそうですね。

入江 ただ、海外ワーカーを受け入れる地域側としては、「どう接していいか戸惑う」ことも多いようです。

塚田 コツは「おもてなし」をしすぎないこと。日本人は100%のサービスを提供しようとしますが、海外ワーカーたちが求めているのは「ゲスト」扱いではなく、その町の「生活者」として溶け込めることなんです。ギチギチに予定を組まず、自分のお気に入りを開拓できる「余白」を残しておくのがポイントです。

森澤 そうそう。「ラストミニッツ(直前予約)」問題もあります。彼らは毎日ワーケーションで仕事をしているので、本当に直前までプライベートの予定を決められない。だから、受け入れる地域側も肩の力を抜いて、「直前でも大丈夫よ!」くらいのラフな関係を目指しています。

The DECKが手がけた
和歌山県白浜町のワーケーション
「Digital Nomad Week in Shirahama」。
ほど良いホスピタリティと
満足のアクティビティ、そして余白を用意!

入江 あとは「情報はしつこいくらいに伝える」こと。彼らは仕事で忙しいので、チャットの投稿とか平気で見逃します(笑)。丁寧なリマインドはホスピタリティの一部だと思ったほうがいい。

塚田 あと、彼らは「意外とお金にシビア」(笑)。高収入だからといって、お金を湯水のように使うわけではなく、自分にとって本質的な価値があると思うものにしか、お金を払わない。だからこそ、過剰な贅沢より「ドローカルならではの体験」が大事。結果的に満足度につながるんです。

運営側が中だけにいてはダメ! まずはノマドとして外に出ることがカギ!

ソトコト グローバルワーケーションを受け入れる地域の人も、頑張りすぎることなく、心が軽くなりますね!

森澤 はい。それに、完璧なんてありませんから! これから海外ワーカーを受け入れようとしている地域は、まだどこも「初心者マーク」をつけている状態です。だからこそ、すでにグローバルワーケーションをしている地域や運営者がリードして、ノウハウを共有していくのも大切です。

入江 受け入れる地域の初心者マークを剥がすカギは、運営側が「まず体験してみる」ことです。自分がノマドとして、どこかのプログラムに参加してみれば、「情報の見落とし」や「直前予約」の感覚が自分事としてわかります。

塚田 その地域の中にいるだけだと見えない価値も、外を体験することで見えてきます。まずは自分たちが「外側」に出向いて、自分たちの 「好き」を再発見し、伝えてみる。その姿勢が、一番のグローバルワーケーションの誘致戦略かもしれません。(後編に続く)

静岡県下田市で開催した
「TADAIMA 2025」のワーケーションイベント。
塚田さんが海外を回り、
現地のデジタルノマドコミュニティに参加。
そこで得らた視点をイベントに反映。

【入江 真太郎 プロフィール】
一般社団法人日本ワーケーション協会代表理事。長崎県生まれ。阪急交通社等を経て、2020年7月に同協会を設立。公私合わせて全国を飛び回り、新たな働き方・生き方を提案している。

【森澤 友和 プロフィール】
The DECK株式会社代表取締役CEO。高知市出身。外資系製薬企業等を経て、海外留学しMBAを取得。大阪でデジタルファブリケーション機材を備えたコワーキングスペースを運営。「Make It Happen」を掲げ、起業支援に従事。関西Beyond the Community代表も務める。

【塚田 絵玲奈 プロフィール】
ELENTO合同会社代表。「TADAIMA SHIMODA」ファウンダー。外資系PR会社を経て、海外でノマド活動後、静岡県下田市へ移住・起業。現在は下田を拠点に世界中を旅しつつ、グローバルPRやノマド誘致を通じ、地域と世界を繋ぐ活動。

【一般社団法人日本ワーケーション協会プロフィール】
ワーケーションを通した「多様性が許容される社会実現」を目指し2020年7月に発足。300を超える会員(自治体・企業・個人)とともに、様々な取り組みを行っている。

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