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福岡県民なら誰でも歌える「博多ぶらぶら」のCMを深掘り! 意外に知られていない作曲者は誰?

西紀子

西紀子

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博多ぶらぶらぶら下げて~♩ 謎の着ぐるみが踊るユニークな映像。福岡県民なら一度は目にしたことがあるはず、お土産でおなじみの銘菓「博多ぶらぶら」のCMだ。インパクト大なキャラクターと合わせ、つい口ずさんでしまうこのCM曲、作ったのは一体誰なのか!?(タイトル写真提供:博多菓匠 左衛門)

博多ぶらぶら

博多ぶらぶら

「博多ぶらぶら」CMのワンシーン。提供:博多菓匠 左衛門
目次

一度観たら(聴いたら)忘れられぬCM

まずは、福岡で50年近くも前から流れているインパクト大なこのCMについて、製造メーカーの「博多菓匠 左衛門」に聞いてみた。取締役営業本部長 田中元生さんによると、「広告代理店・西広のマーケット部長 矢山様と制作担当の脇山様(いずれも肩書きは当時)に作っていただきました。制作担当の脇山様が、初代社長が寿司折を持つ様子をイメージしたらしいです」とのこと。

作曲は復刻CDも出るほどの、昭和の人気ジャズグループ

テケテケテケテケテンテン…という印象的なイントロから始まり、ズンチャカズンチャカ…という軽快なリズムとメロディーにあわせて、子どもたちと男女が賑やかに歌い出す。この曲の作曲者を調べてみると、太田幸雄さんという福岡出身の音楽家だという情報が見つかった。メーカーの左衛門にも確認したところ、「太田幸雄さんで間違いない」(田中さん)とのこと。

太田幸雄さんがリーダーを務めた「太田幸雄とハミングバード」は、昭和40年代に福岡市・中洲のクラブなどで活躍したジャズバンド。楽曲は音楽通の間で評価され、2004年にはアルバムがCDとして復刻している(現在は廃盤)。現在でも、中古レコード店などでレコード盤を探して買い求める熱心なフリークも。

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写真は「太田幸雄とハミングバード」を研究するZ世代のDJ・とみじいさんのinstagramより。
「太田幸雄とハミングバード」を研究するZ世代のDJ・とみじいさんのインタビュー記事はこちら。

CM曲を歌った女性を取材

男女のデュエット形式で歌われているこのCM曲。口ずさみやすい歌詞については、「どの様な経緯かは分かりませんが、制作担当の脇山様が『南京玉すだれ』からひらめき、歌詞を作ったと聞きました。歌はラジオパーソナリティーの栗田善成さんが若いころに歌っていただきました」(田中さん)とのこと。では、女性の声の主はというと……? 実はこの女性、今年74歳になる筆者の母(西康子)で、録音スタジオに勤めていた20代の頃に歌唱を担当したという。CM制作当時のエピソードについて、記憶が定かなうちに話を聞いた。

母「昔のことやけんほとんど忘とうよ(笑)。太田さんは中洲でバンドばしよんしゃった人で、録音スタジオにも来んしゃったのは憶えとる。お囃子みたいな楽しか曲やけん、子どもたちの声に合わせた高めの声で、楽しそうに歌ったつもり」

訳:「昔のことだからほとんど忘れているよ(笑)。太田さんは中洲でバンドをしていた人で、録音スタジオにもお越しになったのは憶えている。お囃子みたいな楽しい曲だから、子どもたちの声に合わせた高めの声で、楽しそうに歌ったつもり」

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福岡市の繁華街・中洲。写真提供:福岡県観光連盟
ではこのCMで愉快に踊る、キモカワイイ「博多ぶらぶら」のキャラクター、モデルになった人物とは誰か?

「博多ぶらぶら」キャラクターのモデルは?

CMで愉快に踊り、パッケージでもおなじみのキャラクター。八の字の眉毛が特徴的だが、実はモデルになった人物がいるのはご存じだろうか。「モデルは前社長の田中治雄(2代目)で、絵は画家の豊島綱明先生が描いてくださったとの事です」(田中さん)
博多ぶらぶら

博多ぶらぶら

写真提供:博多菓匠 左衛門

CM曲がカバーされSNSで話題に

福岡県民におなじみのこのCM曲。半世紀近くも前に作曲されているのだが、2022年の現代でも、検索すると動画サイトでカバーされていたり、ライブで演奏するアーティストもいたりして、話題になっている。「弊社といたしましては、多くの方がカバーやアレンジをしてくださったりして、嬉しく思っております」(田中さん)

博多菓匠 左衛門 公式Twitterより

CMはそのままに商品は進化していた! 

ところで筆者は福岡を離れてしまったが、あのCM、今はどれくらい流れているのだろうか?メーカーによると、「CM放送につきましては決まっておりませんが、GW、お盆、年末年始の年3回はしていきたいと考えております」(田中さん)とのこと。福岡在住者はもちろん、出身者で帰省の機会がある人は、タイミングが合えばテレビで観られるかもしれない。

また、CMの映像は当時のままだが、「博多ぶらぶら」の商品はさまざまに進化を遂げていた!
「季節限定のあまおう、玉露、紫芋バージョンの『博多ぶらぶら』が人気です。またぶらぶらを丸ごと一つパイ生地で包んだ『博多ぶらぱい』も好評で、天神店では焼きたてを販売しております。他にもぶらぶらをイメージして作ったモチモチ食感の『博多ぶらぶら饅頭』や形が可愛い『博多ぶら最中』も一押しです」(田中さん)

博多ぶらぶら 玉露

博多ぶらぶら 玉露

写真提供:博多菓匠 左衛門
以上、福岡県民になじみ深い、「博多ぶらぶら」のCMについて掘り下げてみた。福岡にゆかりのある方はもちろん、県外の方もこの機会にぜひ、「博多ぶらぶら」をご賞味あれ。

取材協力:博多菓匠 左衛門

文:西紀子

■ライタープロフィール
西紀子:福岡市出身。大学卒業後、フリーペーパー編集部や企画制作プロダクションにて編集・ライティング業務に従事。2017年よりフリーランス。2018年より岡山市在住。 2020年よりソトコトオンライン・ローカルライターとして記事執筆。現在に至る。

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