ローカルプロジェクトを始めてみたい、関わってみたいという人に向けたおすすめの本を知った後は、実際の事例に触れてみてはいかがでしょうか。場づくりや農福連携、教育、自然、ユニークなプロダクトなど、知らなかった地域の顔が見られる、そんなプロジェクトを集めました。
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WITH OR WITHOUT
農林水産省などの調査によれば、日本の養蚕農家は30年ほど前に比べて9割以上が廃業し、現在では全国でも200軒ほどにまで減少。その一方で、環境負荷の少ない自然素材としての需要は世界的に伸び続けている現状があるという。そのような背景から生まれたのが、アパレルや化粧品などを手がけるサスティナブルなライフスタイルブランド『WITH OR WITHOUT』だ。ブランドプロダクトの第1弾は、保湿・保水に効果のあるシルク由来のタンパク質をふんだんに使用した石鹸で、天然の素材やオイルなども配合。パッケージにも「FSC認証」を受けた資材を使用している。
マキノジン
高知県高知市の老舗バー『BAR Craps』。オーナーでバーテンダーの塩田貴志さんが『司牡丹酒造』とタッグを組み、県内初のクラフトジンである「マキノジン」を造り上げた。名前の由来は、酒蔵のある高岡郡佐川町が世界的な植物学者・牧野富太郎の故郷であることから。塩田さんはジンのベースとなる焼酎として、この酒蔵の焼酎のすばらしさと、高知県内の豊かな素材に着目。このジンのキー素材「スエコザサ」は、観賞用としてしか栽培されていなかったが、今後は耕作放棄地を活用して生産を進める予定だ。高知県産の素材のみでつくる、世界一のジンを目指している。
text by Hiroya Honma(SOTOKOTO)
記事は雑誌ソトコト2022年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。