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サスティナビリティ

特集 | まちをワクワクさせるローカルプロジェクト

ローカルプロジェクトでSNSを運用するとき、参考にしたい本5選|佐藤菜摘さん

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ローカルプロジェクトにとっても、SNSを使った発信やコミュニケーションは大切。情報を発信すること、世界観を伝えること、思いを届けることでファンを増やし、ローカルプロジェクトの成功へどんな方法でたどり着くのか? 多くの“気づき”が示された本を紹介。

お客様に何かを伝えるには、コミュニケーションの積み重ねが大事です。『中川政七商店』のSNSにおいても、その世界観を一つひとつ積み重ねて発信することで、一冊の物語のように読まれ、伝わっていくことを意識しています。
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(左から)1.『TRUE PORTLAND』─The unofficial guide for creative people創造都市ポートランドガイド/2.『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』/3.「好き」の因数分解/4.140字の戦争─SNSが戦場を変えた/5.最新版 戦略PR─世の中を動かす新しい6つの法則

佐藤菜摘さんが選ぶ、ローカルプロジェクトのアイデア本5冊

そんなファンとのコミュニケーションを積み重ね、「巨大ファンダム」づくりに成功したのが、1965年に結成されたアメリカのロックバンド、『グレイトフル・デッド』です。当時はSNSもなく、今ほどのマーケティング技術が普及していないなか、彼らは独自の手法でファンを獲得し、その輪を広げました。たとえば、ライブ会場での録音をOKにし、ファンは演奏曲をカセットテープに録音し、知人に渡す”布教“を行いました。グレイトフル・デッドを知らなかった知人たちはそのテープを聴き、気に入ったらレコードを買ったり、チケットを買ってライブに出かけたり。そうしてファンを増やしたのです。最初は無料で後から課金していくビジネスモデル「フリーミアム」の走りだとも言えそうです。CRM(顧客関係管理)のない時代に顧客リストを設け、ファンに会報誌を送ったりもしていました。
 
彼らのマーケティングの原動力は、自分たちの音楽を多くの人に届けたいという、ファンや音楽に対する”愛“です。言えるのは、SNSはあくまでもツールであり、小手先のテクニックはすぐに見破られ、陳腐なものになるということ。それよりも大切なのは”愛“です。不器用でも、伝えたいと思う熱量の強さが心をつかむという本質を教えられました。
 
もう一冊は、『TRUE PORTLAND』。8年前にポートランドを、一人旅したときに持参した本です。ポートランドには人がまちをつくり、まちが人を育てるという素敵な関係性があり、熱量のある人たちが魅力あるスモールビジネスやローカルプロジェクトを実践していました。その後私は弊社に転職し、2019年よりインスタグラムの運用を担当することに。魅力的な店舗のインスタグラムを参考にしようと数多くのSNSをチェックしましたが、とりわけ”ベンチマークの宝庫“だったのがこの本に登場するお店です。老舗の書店『POWELL’S BOOKS』のインスタも、本の紹介やお知らせだけではなく、店のある地域の空気感まで伝えていて参考になりました。私はSNSをレベルアップしようとポートランドのガイドブックを参考にしましたが、皆さんも自身が好きなまちを参考にしてはいかがでしょう。
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さとう・なつみ●1990年東京都生まれ。国内機械メーカーでブランドマネージャーを務めた後、2018年に『中川政七商店』に入社。広報として全社ブランドコミュニケーションや工芸メーカーのコミュニケーションサポートに携わりながら、公式インスタグラムの運営も担当。
photographs by Yuichi Maruya text by Kentaro Matsui
記事は雑誌ソトコト2022年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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