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福島県・葛尾(かつらお)村で暮らす。

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葛尾村は福島県双葉郡北部に位置し、日山(ひやま)を筆頭に多くの山々に囲まれている。自然豊かなこの村に暮らす人は、現在1327人(2022年7月1日現在)。今回は、村で暮らすことを選んだ二人の女性を紹介しよう。

目次

アートと畜産で葛尾村にムーブメントを起こす。

「葛尾村のおかあさんたちは、『休んでいがっせぇえ(いきなさい)』って気軽にお茶に誘ってくれるんです」と大山里奈さん。彼女らの優しさに触れる時間が好きだと語り始めた。「皆さんと時間を過ごすなかで、葛尾村は“何かをつくっている時間”が多いことに気づいたんです。伝統的な保存食である凍み餅をつくったり、パッチワークをしたり、縄をなったり。また自家製のお味噌が熟成している間も豊かな時間だと感じます」

そして、物が創出されていく仕草のひとつひとつが大山さんの“アーティスト魂”を触発するそうだ。アーティスト活動の一方で、葛尾村を発信地として、各地で活躍するアーティストたちのネットワーク構築を目指しているが、まずは「時間を決めず、ゆっくり身を置きに来てほしい」と話す。「夏の空、冬の星空の美しさは格別です。空はこの村の価値のひとつです」と太鼓判を押した。

今春、高校を卒業した吉田愛梨朱さんは父が経営する『牛屋』に就職した。吉田家は祖父の代から畜産業を営み、2~3歳から牛舎に通った彼女にとって「動物がいない暮らしは考えられない」と畜産農家になる選択に迷いはなかった。

「葛尾村は自然が多く、人口も少ない。動物にとってもストレスがありません。畜産に向いた場所ですね」『牛屋』では牛と羊を育てている。来春は新たな牛舎が完成し、400頭もの牛がやってくる。また国内で流通する羊肉のうち国産は0.6パーセント足らずと希少だが、『牛屋』の羊肉は独自の味わいで徐々に知名度も向上。大手衣料品メーカーと国産の羊毛を使ったスーツの製作も計画中で、「これからのことを考えると夢しかない。すべてが楽しみ過ぎる!」と未来を満面の笑みで語る吉田さん。葛尾村の畜産は若さも原動力となっている。

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山々を背景に田畑が広がる葛尾村の総面積は84平方キロメートル。
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大山さんの個展やワークショップが開催された『葛尾村復興交流館あぜりあ』内にある『蔵』。

葛尾村の「移住体験ツアー」でのんびり村を“体感”しよう!

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大山里奈
おおやま・りな●アーティスト。茨城県生まれ。2021年から葛尾村に関わり、現在は地元企業と協力したワークショップなどを企画している。
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吉田愛梨朱
よしだ・ありす●葛尾村出身。高校を卒業した今春、父が経営する『牛屋』に入社し、本格的に畜産業をスタート。写真は生後半年のいおりちゃん。
photographs by Hidehiro Yamada text by Yoko Koizumi

記事は雑誌ソトコト2022年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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