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連載 | SUSTAINABLE DESIGN

岡山県瀬戸内市 ハンセン病患者のストーリーに触れる。

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 ハンセン病と聞くと、悲しい歴史を頭に浮かべる人が多いかもしれない。実際、僕もその一人だった。しかし、『喫茶さざなみハウス』に足を踏み入れてから、その感覚が180度変わった。そこはハンセン病患者だった人たちが入所する『国立療養所 長島愛生園』内にある。一歩入ると、窓からは瀬戸内海が望め、喫茶店内は海と同じ青色で彩られ、優しい気持ちに包まれる。僕はカウンター席に座った。すると、常連客の入所者が声をかけてくれて、ハンセン病になった時からのことを教えてくれた。確かに悲しい過去もある。でも、何より入所者の人たちが一人の人間として園内で日常生活を送り、日々を楽しんでいることを知って一つ思った。「この人たちも普通に人生の先輩なんだ」って。
 喫茶店には、かつての入所者で構成された編集部がつくった園誌もあり、日々の暮らしや気持ちが綴られている。この場所では、さまざまな角度から入所者のストーリーを垣間見ることができるのだ。
 (39089)

園誌『愛生』。園内での出来事、文芸活動などあらゆることがまとめられている。現在は、喫茶店内や岡山県内で「愛生ヲ読ム会」が開催されており、気軽に入所者のストーリーに触れられる。
上 泰寿
かみ・やすとし●編集者。鹿児島県を拠点としながら、発信しない切り口で人となりや記憶を残すお手伝いをしている。また、「みんなの鹿児島案内」をテーマに県外で鹿児島県関連の商品の販売や場所の紹介を行っている。
photograph & text by Yasutoshi Kami
記事は雑誌ソトコト2021年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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