【ソトコト×ヤモリの空き家エコノミー連載】第2回目(後編)。日本の各地域を再生して、地域を活性化、関係人口を推進していくプロジェクトが「ソトコト×ヤモリの空き家エコノミー」。毎回ゲストを迎えてソトコトと一緒に対談。
日本の築古戸建ての再生賃貸事業を手掛ける株式会社ヤモリ代表の藤澤正太郎さんが毎回、ソトコトと一緒にゲストを招いて、日本の各地域の空き家から推進する地域活性化、関係人口作りの対談。前回の第2回目(中編)に続いて後編として、会津でGIRO米を作っているジローラモさんに、ヤモリさんの空き家ロケの感想と地域を活性化するための活動について聞いてみました。
近隣の環境や情報などデータを蓄積しながら、空き家を仕入れることで、地域活性化の礎に!
藤澤 ジローさん、今回の空き家ツアー、どうでした?
ジローラモ とっても面白かったです! 空き家って聞くと、田舎の古民家をリフォームするってイメージだったけど、東京近郊の住宅街にあるってことが新鮮でした。
藤澤 戸建ての賃貸は東京近郊ではまだまだ一般的でないのですが、実は都内でも戸建ての賃貸は、とてもニーズがあるんです!
ジローラモ なるほど。発想が素晴らしい。でも、やっぱり、そこで大事なのは「計算」ですよね。予算を抑えながら計算しつつも、センス良く仕上げるのも計算。色使いひとつで大きく印象=価値が変わりますから!
藤澤 おっしゃるとおりです。例えば、この家にどんな人が住むかをイメージすることが大事です。お子さんがいる家族?若いカップル?近隣で働く人?2拠点生活の人?リモートワークで使う人…そんなイメージと近隣の環境や状況を踏まえてリサーチしてデータ蓄積しながら、ターゲットを想定し、空き家を仕入れています。周りの環境や状況を把握してデータ蓄積しながら、空き家リフォームしないと、地域活性化には繋がりません!

国交省データと連携し、
近隣の環境や特性などいろんなデータを蓄積。
空き家をもっともっとカッコ良くリフォームする方法は?
ジローラモ 今回、リニューアルされた空き家を見て、「もっとカッコ良くできるのに…」と感じる部分が所々にありました。例えば、内装での色の組み合わせ。床と壁のトーンがチグハグだったり…。コストをかけずに、まだまだカッコ良くリフォームできると思います。
藤澤 そこは、課題に感じています。限られた時間と予算の中で現場の内装をお任せすると、細かなディテールや統一感までの徹底が難しくて…。そこで、今、「ヤモリのデザインブック」という参考書を作り始めました。「この壁紙には、こんな床のトーン」といった、内装のカラーコーディネートや組み合わせなど基本のインテリアコーディネートをブックレットにまとめています。
ジローラモ 例えば、内装デザインのディレクター、つまり内装責任者をヤモリさん内部に1人置くことで、課題は解決できると思います。全体の統一感とリフォームレベルが格段に上がります。

壁と床のトーンがチグハグ…そこで、必要なのは
「ヤモリのデザインブック」。
GIRO米×空き家再生を組み合わせて、もっと地域を活性化していきたい!
藤澤 今、日本の各地域では空き家が問題になっています。そんな空き家を再生して地域を活性化していくには、そこで暮らしている人の生活スタイルや現地の環境も関係してきます。所得や職業など様々な情報を集めてデータ分析しています。
ジローラモ なるほど。地域の空き家をカッコ良く再生していきたいですね!
藤澤 はい!今回のロケを通じて、修復文化のイタリアで建築士をやっていたジローさんの目線の鋭さに驚かされました。
ジローラモ 農業を盛り上げて地域を活性化していくために、今、福島は会津でGIRO米を作っています。これからGIRO米プロジェクトとして、日本の各地域で取り組んでいきます! 米作りや農業体験と空き家を組み合わせてアグリツーリズムをしたら面白い! 空き家を再生して、そこに泊まりながら、GIRO米の田植え体験をする…そんな地域の空き家再生は、GIRO米プロジェクトの地方創生の柱の1つとして考えています。
藤澤 それは最高ですね! 今後、ジローさんとも一緒に、空き家エコノミーの広がりを作っていければ何よりです!

メディアで大きな話題に!
前編
会津でGIRO米をプロデュースするジローラモが登場! 空き家リノベーション物件を見ながら、空き家と地方創生についてモノ申す!【空き家エコノミー④】
中編
ジローラモ さんのGIRO米とヤモリの空き家プロジェクトが組んだら、地方創生の最高コンテンツになる!?【空き家エコノミー⑤】
【パンツェッタ・ジローラモ プロフィール】
プロデューサー、実業家。雑誌LEONの表紙でもお馴染み。イタリアにいた頃は歴史的建築物を修復する建築士だったジローさん。最近、福島は会津に中古住宅を購入し自らリノベーションし、会津でGIRO米を作っています。GIRO米は、ジローラモ氏が主宰する有機米プロジェクト。単にお米を作って販売するだけでなく、地域と人が繋がる場を創造し、日本の地方創生を推進。
【藤澤正太郎プロフィール】
株式会社ヤモリ代表取締役。2011年に慶應義塾大を卒業後、三菱商事株式会社に入社。インフラ事業の海外案件とアセットマネジメントに従事。南米チリに4年間駐在。その後、NY本社の不動産ユニコーン企業であるKnotel IncのJapan GMを務める。2018年に株式会社ヤモリを創業し、日本の中古戸建て市場の活性化を通じた地方創生を目指す。