今秋、“特別な米”が新しく誕生する。その名も「四條家米」。平安時代から日本料理と深い関わりをもつ京都の四條司家と、西日本有数の米どころ、京都丹波の米農家がつくるこだわりの米である。
四條司家と京都丹波の米農家がつくる、日本古来の旨い米とは。
日本古来の食文化を知り尽くした四條司家は2021年、その名前を冠した特別な米の栽培に取り組んでいる。場所は京都の丹波だ。
「丹波は古くから京都への食を供給してきた地域で、栗や黒豆など特産品も数多くあります。米もその一つで、『東の魚沼、西の丹波』といわれるほど丹波のコシヒカリはおいしいお米として高く評価されています」
丹波の米についてそう教えてくれたのは、こだわって栽培された日本全国の米の精米・販売を手がける東京都府中市の『カワサキ森田屋』の川崎良之さん。川崎さんによれば、丹波はいい米が育つ土地柄だという。
「丹波は山に囲まれた盆地なので、周囲の山から流れてくる清冽な水が豊富で、土壌も肥沃です。一日の寒暖の差が大きいこともあり、昼間につくられたでんぷんやミネラルがしっかりと実に蓄えられます。さらに、日中の高温で旨味が凝縮されるんです」
四條司家とともに米づくりを担うのは、丹波でこだわりの米栽培をする中津隈さん親子。5月下旬に苗を植え、9月上旬には収穫する予定だという。
四條家米への高まる期待と並々ならぬ関係者の想い。
年々、米の消費が減っていく時代にあって、日本人が育んできた旨い米の文化を次世代へ伝えたい。四條家米の栽培計画は、そんな人々の思いから始まっている。新米の季節が待ち遠しい。