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現代によみがえる“旨い米”づくり 京都丹波で「四條家米」の栽培が始まりました。

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今秋、“特別な米”が新しく誕生する。その名も「四條家米」。平安時代から日本料理と深い関わりをもつ京都の四條司家と、西日本有数の米どころ、京都丹波の米農家がつくるこだわりの米である。

目次

四條司家と京都丹波の米農家がつくる、日本古来の旨い米とは。

 四條司家の歴史は古い。その始まりは四條中納言藤原山蔭で、日本料理の祖神と呼ばれる人物だ。以来約1200年にわたり、天皇家から臣下まで、その料理を司る家として歴史を紡いできた。今の第42代当主の四條隆和氏は一般社団法人『四條家料理道伝承文化協会』を設立し、同家が育んできた日本の正しい食文化を広く伝えている。

日本古来の食文化を知り尽くした四條司家は2021年、その名前を冠した特別な米の栽培に取り組んでいる。場所は京都の丹波だ。

「丹波は古くから京都への食を供給してきた地域で、栗や黒豆など特産品も数多くあります。米もその一つで、『東の魚沼、西の丹波』といわれるほど丹波のコシヒカリはおいしいお米として高く評価されています」

丹波の米についてそう教えてくれたのは、こだわって栽培された日本全国の米の精米・販売を手がける東京都府中市の『カワサキ森田屋』の川崎良之さん。川崎さんによれば、丹波はいい米が育つ土地柄だという。
「丹波は山に囲まれた盆地なので、周囲の山から流れてくる清冽な水が豊富で、土壌も肥沃です。一日の寒暖の差が大きいこともあり、昼間につくられたでんぷんやミネラルがしっかりと実に蓄えられます。さらに、日中の高温で旨味が凝縮されるんです」

四條司家とともに米づくりを担うのは、丹波でこだわりの米栽培をする中津隈さん親子。5月下旬に苗を植え、9月上旬には収穫する予定だという。

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田植えに先立って行われた「御田植祭典」。四條司家、中津隈さんら関係者が集まり、神主が秋の豊作を祈願して祝詞を奏上した。

四條家米への高まる期待と並々ならぬ関係者の想い。

「丹波のコシヒカリはもともと、一粒一粒がしっかりしていて噛み応えがあり、甘いんです。この秋に収穫される四條家米は、通常の米よりも粒の大きいものを選りすぐり、乾燥の具合も、いちばん米の旨さが引き出せる水分量にすると聞いています。炊き上げたときにどんな輝きを放つのか、今から楽しみです」と四條家米への期待を語る川崎さん。

年々、米の消費が減っていく時代にあって、日本人が育んできた旨い米の文化を次世代へ伝えたい。四條家米の栽培計画は、そんな人々の思いから始まっている。新米の季節が待ち遠しい。

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爽やかな五月晴れのもと、田植え機に稲の苗をセットする中津隈さん。いよいよ田植えを迎え、これからが四條家米づくりの正念場。
photographs by Haruo Nakano   text by Reiko Hisashima
記事は雑誌ソトコト2021年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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