長野県在住のラーメンライター、たこにわです。ラーメン食べ歩きは40年以上、北は旭川、東は根室、西は長崎、南は石垣島まで訪麺しています。47都道府県制覇しました。僕は、ローカル色があり地道に頑張っているお店をみなさんにご紹介していきます。
目次
上中里というまち
東京の北区、上中里という比較的地味なまちに古い町中華のお店があることを知り、さっそく行ってみたくなった。
京浜東北線の上中里駅に降りるのは初めてのことだ。
そもそも、どんなまちかも知らない。
それならば、せっかくなのでまちも探検してみよう。
京浜東北線の上中里駅に降りるのは初めてのことだ。
そもそも、どんなまちかも知らない。
それならば、せっかくなのでまちも探検してみよう。
駅を降りて東の方に向かう。跨線橋を渡ると住宅街になるが、新旧混じった住宅の中に銭湯があったり、定食屋、寿司や、昔ながらの対面販売をしている八百屋さんがあったりと、昭和時代にタイムスリップした感覚になる。
このエリアには、高層マンションなど一つもない。
時間がゆっくりと進んでいるまちのようだ。
このエリアには、高層マンションなど一つもない。
時間がゆっくりと進んでいるまちのようだ。
住宅街にぽつんと一軒「中華そば」の看板
今回、ご紹介する町中華のお店は「中華そば ますや」。
上中里駅から徒歩で6,7分程度。
住宅地の狭い小路をぶらぶら歩くと、そのお店の看板を見つけることができる。
上中里駅から徒歩で6,7分程度。
住宅地の狭い小路をぶらぶら歩くと、そのお店の看板を見つけることができる。
メニュー、店内の雰囲気にレトロ感
お店に入った。
10席ほどのテーブル席に常連さんが4名ほど食事をしている。
みなさん、ラーメンかチャーシューメンを召し上がっているようだ。
店内を見渡すと、壁に横に長いメニューが貼ってあった。
右から中華そば、カレーやどんぶり物、炒め物のメニューが書かれているが、中華そばは何と400円だ。
しかも値段を手書きで改定した跡がある。それだけで歴史を感じてしまう。
10席ほどのテーブル席に常連さんが4名ほど食事をしている。
みなさん、ラーメンかチャーシューメンを召し上がっているようだ。
店内を見渡すと、壁に横に長いメニューが貼ってあった。
右から中華そば、カレーやどんぶり物、炒め物のメニューが書かれているが、中華そばは何と400円だ。
しかも値段を手書きで改定した跡がある。それだけで歴史を感じてしまう。
鶏ガラスープのワンタンメン
店主にお話を聞く前に、メニューを見て悩む。
麺類のメニューは豊富だし、それこそ昔懐かしい五目そばなんていうのもある。
で、選んだのはワンタンメン。520円の値段が魅力だ。
東京の町中華は、特にワンタンメンが美味しいと思うのが筆者の勝手な見解なので、まずは、それを食べてみたい。
麺類のメニューは豊富だし、それこそ昔懐かしい五目そばなんていうのもある。
で、選んだのはワンタンメン。520円の値段が魅力だ。
東京の町中華は、特にワンタンメンが美味しいと思うのが筆者の勝手な見解なので、まずは、それを食べてみたい。
まさに予想通りのどんぶりが到着した。
脂を抑えたあっさり醤油スープは鶏ガラがベースだ。
醤油の風味がいつまでも残り、後から鶏の旨味が追いかけて来るといった印象で、優しいスープだと思った。
ワンタンは皮が黄色く、餡がちょっと小さめ。しかし、皮がつるんと滑るので、レンゲですくって食べる。
メンマとチャーシューは中華そばに必須、そして町中華そばの定番といえばナルト巻きである。
チャーシューは程よいパサパサした感じがいい。硬めなのが懐かしさを覚える。
脂を抑えたあっさり醤油スープは鶏ガラがベースだ。
醤油の風味がいつまでも残り、後から鶏の旨味が追いかけて来るといった印象で、優しいスープだと思った。
ワンタンは皮が黄色く、餡がちょっと小さめ。しかし、皮がつるんと滑るので、レンゲですくって食べる。
メンマとチャーシューは中華そばに必須、そして町中華そばの定番といえばナルト巻きである。
チャーシューは程よいパサパサした感じがいい。硬めなのが懐かしさを覚える。
麺は細麺の縮れ系。喉越しがとてもいい。
食べている他のお客さんの「ずるずる」と麺を啜る音が狭い店内に響く。
筆者も負けてはいられない。
敢えて啜る音を出さないといけない、それが昭和の町中華の流儀かもしれない。
食べている他のお客さんの「ずるずる」と麺を啜る音が狭い店内に響く。
筆者も負けてはいられない。
敢えて啜る音を出さないといけない、それが昭和の町中華の流儀かもしれない。
戦後、氷屋さんからスタートした「ますや」
店主にいろいろお話を伺うことができた。
先代である父親が昭和30年頃に始めた氷屋がますやの原点だそうだ。
当時は家庭に電気冷蔵庫がなく、「各家庭に氷を配達していた」という。
その後、冷蔵庫が普及するようになり、冬の氷需要もなくなったことから、冬場に温かい中華そばを始めたそうだ。
現在の店主はそれを引き継いで40年以上経過したが、「ラーメンなどの味は昔のままで、一切変えていない」という。
先代である父親が昭和30年頃に始めた氷屋がますやの原点だそうだ。
当時は家庭に電気冷蔵庫がなく、「各家庭に氷を配達していた」という。
その後、冷蔵庫が普及するようになり、冬の氷需要もなくなったことから、冬場に温かい中華そばを始めたそうだ。
現在の店主はそれを引き継いで40年以上経過したが、「ラーメンなどの味は昔のままで、一切変えていない」という。
お客さんの殆どが地元の常連さん。なので、「値段をあまり上げられないんだよね」と苦笑いするが、ラーメンを400円で提供し続ける店主の努力には敬服する。
人気メニューはラーメンのほか、チャーシューメン、ワンタンメン。半チャンラーメンも人気だそうだ。
「カレーもたまに出るが、カレーだけは味を今風に変えたかな、、、?」と笑う。
いずれにしても、この昔懐かしい醤油ラーメンの味を求めてやってくる常連さんに支えられて半世紀近くになるというのは、素晴らしいと言うほかない。
いつまでも、お店の灯火が点いていて欲しいものだ。
文・写真:たこにわ
*店舗情報・メニュー内容は取材時点の情報でございます。
*店舗情報・メニュー内容は取材時点の情報でございます。