日本の食生活を古くから支えてきたお米は、作ることや食べる以外にも、お米を届けるためのさまざまな工夫がなされてきた。今回は私たちの暮らしのなかから生まれたお米の文化に注目してみる。
前掛け
米袋
現在、私たちが目にするクラフト紙の米袋が誕生する以前は、米俵や藁で編んだ敷物を2つ折りにして縫い閉じた叺、麻袋など、さまざまな形態でお米を包装、保管してきた。クラフト紙は繊維の長い針葉樹を原料としたパルプから作られており、その長い繊維が絡み合うことで破れにくく、さらには漂白しないことで繊維を傷つけずに高い強度を実現している。元々は大正時代にセメント用の袋として製造されたのが始まりで、昭和初期にようやく米袋として使われるようになった。このクラフト紙の米袋は、主に玄米を各産地から消費地の精米工場などに運ぶために活用されており、強度だけでなく通気性や防湿性に優れているのも特徴。配送時には1トンを超える重量を積み上げることもあるので、お米の重量に合わせてクラフト紙を重ねるなどして、強度を高める工夫もされている。
南魚沼米袋研究所 https://minna-niwa.stores.jp
maimai https://chlschill8.wixsite.com/maimai
幅47cm×長さ67cm(フサ部分含む)4,180円
エニシング www.anything.ne.jp
腰紐:商売繁盛を表す紅白の帯は、神聖な意味があるとされる朱色が使われている。
生地:大正時代の「シャトル織機」によって厚さと柔らかさを兼ね備えた生地。