【お米の文化】暮らしから生まれた工夫と楽しみ

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2022.10.01

日本の食生活を古くから支えてきたお米は、作ることや食べる以外にも、お米を届けるためのさまざまな工夫がなされてきた。今回は私たちの暮らしのなかから生まれたお米の文化に注目してみる。

前掛け

アジアで始まったとされる稲作は、縄文時代の後期に北九州へ伝わったと言われている。高温多湿な日本の気候に適した稲作は急速に全土へ拡大し、お米は日本を代表する主食となった。

帆前掛ロング 縁起紋前掛け 「招き猫」
幅47cm×長さ67cm(フサ部分含む)4,180円
エニシング www.anything.ne.jp

腰紐:商売繁盛を表す紅白の帯は、神聖な意味があるとされる朱色が使われている。
生地:大正時代の「シャトル織機」によって厚さと柔らかさを兼ね備えた生地。

そして、稲作の発展に伴い米問屋も生まれ、彼らが身につける「前掛け」が誕生した。その起源は15世紀に遡るともいわれており、16世紀以降に今のような形になった。前掛けの一番の役割は、重い米を運ぶ仕事で腰を守ること。体のバランスを整える骨盤、そして丹田をグッと締めることで、腰を悪くしづらいという。また、衣類の破れや怪我も防止するなど実用的であることや、お店の屋号を入れることで広告宣伝としても使われていたりと、前掛けは長方形の生地に紅白の紐が付いているというシンプルな形であるが、この中に先人たちのさまざまな知恵が詰まっている。

前掛けの特徴のひとつである一番下のフサは、神社のしめ飾りや相撲の化粧まわしなどにも関連、由来があるともいわれている。

愛知県豊橋市にある前掛けの専門店『Anything(エニシング)』では、約100年前の織機が工場で現在も現役で稼働している。糸の調子を変えながら1枚ずつ織られる前掛けは、手作り感のある優しい風合いだ。

米袋

秋に収穫され、年間を通じて全国に流通しているお米を包装、保管するための「米袋」は、保管している間に品質を落とさないように、袋にさまざまな工夫がなされてきた。

現在、私たちが目にするクラフト紙の米袋が誕生する以前は、米俵や藁で編んだ敷物を2つ折りにして縫い閉じた叺、麻袋など、さまざまな形態でお米を包装、保管してきた。クラフト紙は繊維の長い針葉樹を原料としたパルプから作られており、その長い繊維が絡み合うことで破れにくく、さらには漂白しないことで繊維を傷つけずに高い強度を実現している。元々は大正時代にセメント用の袋として製造されたのが始まりで、昭和初期にようやく米袋として使われるようになった。このクラフト紙の米袋は、主に玄米を各産地から消費地の精米工場などに運ぶために活用されており、強度だけでなく通気性や防湿性に優れているのも特徴。配送時には1トンを超える重量を積み上げることもあるので、お米の重量に合わせてクラフト紙を重ねるなどして、強度を高める工夫もされている。

使わなくなった米袋をアップサイクルして多彩な商品を展開する『南魚沼米袋研究所』の雑貨類。
お米好きのデザイナーが手がけるブランド「maimai」は、柿渋や亜麻仁油などの自然素材で加工。
一度使われた米袋をアップサイクルしたバッグ。一点一点で柄が異なる。米袋バッグ(小)幅29cm×長さ17cm×奥行10cm 1,000円
南魚沼米袋研究所 https://minna-niwa.stores.jp
柿渋の色味やシワ感の変化も楽しみの一つ。肩掛けと斜め掛けの2WAY仕様。ヨットバッグ(大)幅32cm×高さ19cm×奥行7cm 3,245円
maimai https://chlschill8.wixsite.com/maimai

photographs by Makoto Kujiraoka  text by Akemi Kan