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人材のSDGsとユニバーサルレストラン|森田隼人

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飲食業の従業員問題が激化しています。コロナ禍の影響、低賃金かつ長時間労働、低価格競争などに伴い人材不足が一層進んでいます。一方、国の政策方針では営業時間の見直しや賃金上昇を推進しており、この問題を加速しています。離職率も高く、厚生労働省の外食産業における労働時間と働き方に関する平成28年度の調査では、3年以内の離職率は42.5パーセントにも上ります。

離職率の高い要因に「従業員間のトラブル」が挙げられ、その背景にある一つが「境界知能」です。日本人の7人に1人(約14パーセント)が、IQ(知能指数)が70から85の「境界知能」に該当し、飲食業志願者においては、その割合が高いことが分かりました。過集中になってしまい抽象的な指示が理解しにくくなったり、オペレーションでのトラブルが発生してしまい、離職につながるケースがとても多い。しかしそれも個性だととらえて適所に配置することで、独自の発想力や行動力を開花させる人も多く、その独創性が今後の飲食店を救う一つの鍵になるのではないでしょうか。本当に人を大切にするユニバーサルレストランとして、人材育成に力を注力するべき時代がきています。

森田隼人|もりた・はやと●1978年生まれ。プロボクサーや公務員を経て、現在、『六花界グループ』オーナーシェフ。農林水産省「料理マスターズ」叙任料理人。

記事は雑誌ソトコト2024年5月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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