5月のある日、子どもが通う保育園の給食献立表に、「アラスカご飯」と書かれていた。ん?アラスカご飯とは一体…? 福岡出身、岡山に住んで3年になるが、いずれの県でも聞いたことがない。保育園オリジナルの料理なのか?どんなご飯だろうと想像を巡らせていたが、答えはよく知ってるアレだった!
答えは「豆ご飯」
「アラスカご飯」の正体は、グリーンピースを使った所謂「豆ご飯」のこと。うん、これなら知ってるけど、なぜ岡山では「アラスカご飯」と呼ばれているのか?
そんな疑問を胸に保育園へ迎えに行き給食の見本ケースをチェックすると、まさしく下の写真のような豆ご…いや「アラスカご飯」が出されていた。うちの子どもも「美味しかったーおかわりしたよ!」と嬉しそうに言っていたのだが、見本の横に添えられたメニュー説明のボードに筆者の目は釘付け。「今日はみんな大好きなアラスカご飯。5月はアラスカの季節ですね。スーパーにもたくさん並んでいます…」などと書かれていて驚いた。アラスカが並ぶ?どういうこと?グリーンピースではなく?
岡山のスーパーに並ぶ“アラスカ”
帰りにスーパーへ立ち寄ってみると、確かに“アラスカ”がずらりと並んでいた。
調べてみると、アラスカとはアラスカ豆のことで、グリーンピースの品種のひとつ。全国的には生産量が少ないが、岡山では5月の旬ものとしてよく知られている。店頭にも「アラスカ」や「アラスカ豆」と表記されて並ぶことから、岡山の地元の人の中には、グリーンピース自体のことを「アラスカ」と呼ぶ人もいるようだ。
普通のグリーンピースとアラスカ豆を食べ比べ
一般的なグリーンピースとアラスカ豆に違いがあるのかというと、まず気づくのは粒のサイズで、アラスカ豆の方が普通のグリーンピースより大きい。味の違いは、大粒なアラスカ豆は甘みが強いらしいのだが、どちらも茹でたものを食べ比べてみると、確かにアラスカ豆は食べ応えのある食感で、豆というよりどこか芋のような風味の豊かさを感じた。
「アラスカご飯」を炊いてみた
早速スーパーで購入したアラスカ豆を使って、「アラスカご飯」を炊いてみた。炊き方は家庭それぞれあると思うが、我が家でいつも作る豆ご飯と同じように、米にアラスカ豆、出汁、塩を加えて炊いた。
ほっくり美味しく、おかわり必至
炊き上がったばかりのアラスカご飯は豆の香りがふんわりと漂い、食欲をそそる。ひと口ほおばると、ほくほくとしたアラスカ豆と程よい味付けのご飯も相性よく、これだけでも満足度の高い一品に。おかずなしで一杯ペロリと完食してしまった。
岡山でも5月の数週間しか出回らないというアラスカ豆。アラスカご飯は岡山県民にとって“初夏のごちそう”といえる料理なのだ。