*取材期間:2020年11月10日~11日
text by Emiko Hida
photographs by Kayoko Takahashi, Emiko Hida, Kagamino-cho
text by Emiko Hida
photographs by Kayoko Takahashi, Emiko Hida, Kagamino-cho
2019年に開通した「高清水トレイル」で縦走に挑戦。
2日目のアクティビティは、鏡野町と鳥取県三朝町の県境を尾根に沿って歩く約8.7キロメートルのトレッキングコース「高清水トレイル」! このコースは2019年秋に全線が開通したばかり。ふかふかのウッドチップが敷かれていて足腰に優しく、「気軽に歩ける縦走路」として評判です。なお、縦走とは山頂に立った後、下山せずに次の山へ向かう登山スタイルのこと。
「ほら、この草なんだと思う? 食べてみて」「顕微鏡で葉っぱを覗いてみよう」と、時々立ち止まってこの山の植生について教えてくれる地元のベテランガイドさん。周囲に気を配りながら、話しながらでもまったく息が上がっていません。最大酸素消費量が高いんだろうな……。
スタート地点の人形峠から30分ほど歩いて、標高945メートルの高清水高原に到達。ススキが陽に透けてきらきらと輝いています。
大畝山を少し過ぎ、視界が開けたポイントからは遠くに日本海が見えました。
奥深いブナの原生林を通り、御林山、池川山を越えて、「あの展望台まで行けば休めるのでは……?」という期待を胸に足を進めます。
奥深いブナの原生林を通り、御林山、池川山を越えて、「あの展望台まで行けば休めるのでは……?」という期待を胸に足を進めます。
登りに次ぐ登りに、だいぶ息が上がってきました。でもこのツアー、アウトドア系メディアからの参加者ばかりなのでみなさん涼しい顔で登っていきます。遅れを取るソトコトオンラインチーム……。
標高1021メートル地点にある展望台からの眺め。山粧う、という言葉がぴったりの景色です。頑張って登ってきた甲斐がありました。
さて、ようやく下り……かと思いきや、まだこんな登り坂が……。でも、この道を80代と思わしきおばあちゃんが元気に歩いていくので、負けるわけにはいきません。さすが鏡野町、健康のまち。
そしてついに、標高1045メートルの伯州山山頂にやってきました! これが正真正銘、最後の山頂。あとはもう下るだけです。
再びブナの原生林や紅葉を眺めながら山を下り……
ゴールの赤和瀬駐車場に到着! 途中苦しかった分、たまらない達成感です。
昼食は茅葺屋根が美しい農村レストラン「うたたねの里いっぷく亭」にて。地元のお母さんたちがつくる郷土料理を楽しめるお店です。
囲炉裏で焼いたヤマメに美しいもみじの天ぷら、ほっとするだんご汁に山菜のお浸し。疲れた身体に染み入るおいしさ……! 貪るように食べておかわりしてしまいました。
おなかが満たされた後は、犬養毅元総理や棟方志功が愛した登録有形文化財の宿「奥津荘」で日帰り入浴。ここは全国でも数十軒しかない「足元湧出」の温泉です。お湯が湧き出す泉源の上に浴槽を設けているため、湯量豊富で加水・加温・循環を一切していません。自然の川底をそのまま生かした内湯は趣たっぷり。とても滑らかで熱々のお湯で、身体が芯から温まります。
浴槽は4つあるのですが、一番人気は「鍵湯」。「津山藩の初代藩主・森忠政があまりにいいお湯なのでひとり占めしようと鍵をかけてしまった」という逸話から鍵湯と呼ばれるようになったそう。どんなにいいお湯か、このエピソードだけでも伝わるのではないでしょうか。
奥津荘を出て「道の駅奥津温泉」に向かう途中、河原に足湯のようなものを発見しました。でも、よく見ると右の小さな小屋には「洗たく場」という文字が。「ここで洗濯を……?」と首を傾げていると、鏡野町役場の職員さんが「奥津温泉には、クマや狼を見張りながら、川に湧き出るお湯で立ったまま洗濯を行う“足踏み洗濯”という風習がある」と教えてくれました。3月上旬から12月上旬の指定日(月3~4回)の朝は、着物を着た女性たちが小唄に合わせて足踏み洗濯を実演してくれるそうです。
道の駅では至るところに色とりどりの絵が描かれた手ぬぐいが風にたなびいていました。鏡野町のアートイベント「第2回OKUTSU芸術祭」の一環で、作品名は「山の洗濯美術館」。奥津温泉らしい作品ですね。
町の特産品が並ぶ道の駅奥津温泉。たくさんお土産を買おうと思っていたら……
鏡野町役場の方から、こんなにお土産をいただいてしまいました。カプサイシン豊富な姫とうがらしを使った「辛美人」ドレッシングに、清流の女王と名高い川魚「あまご」(鏡野町では「ひらめ」の愛称で親しまれているそう)、全国的にも珍しい国産キクラゲ、鏡野トマトを使った高級濃厚トマトジュース……。なんて太っ腹なんでしょう、鏡野町!
バスに乗って、最後の目的地である「山田養蜂場みつばち農園」へ。いちご狩りやブルーベーリー狩り、養蜂体験、採蜜体験などさまざまな体験ができる観光農園です。
ショップには日本国内と海外の提携養蜂場でつくられたハチミツがずらりと並んでいて、試食もできます。カフェにはそばハチミツソフトやハニースムージーも。
今回はオリジナルハチミツづくり体験をしました。アカシアハチミツ、ローズマリーハチミツ、そばハチミツの3種類を試食して好きなものを選び、50グラムの小瓶に詰めてお持ち帰りできるという内容です。2種類、3種類をミックスしてもOK。そばハチミツは独特でクセが強く私はダメでしたが、結構人気でした。
山田養蜂場スタッフのヒカミンさんによると、一匹の働きバチが生涯をかけて集められるハチミツの量はスプーン一杯とのこと。そう聞くと、大事に味わおうと思いますね。
さて、盛りだくさんだったツアーもこれにて終了です。コロナ禍で外出機会が減り、意識してウォーキングやストレッチの時間を増やしていたつもりですが、ツアーに参加してみて、“思いきり”身体を動かすということをしばらくやっていなかったな、と気づきました。
自然の中に身を置いて、慣れないアクティビティに身体の使い方を意識して、クタクタになるまで遊んで温泉で手足を伸ばして、里山の旬を味わって。体内に滞っていた余分なエネルギーが抜けて、英気が養われたように感じます。
鏡野町のみなさん、モンベルのみなさん、充実した2日間をありがとうございました!
鏡野町のみなさん、モンベルのみなさん、充実した2日間をありがとうございました!
「モンベル フレンドエリア」である鏡野町では、モンベルクラブ会員限定で、町内の各施設でお得な特典を受けることができます。「最近なんだか気分が上がらないな、身体が重いな」と思っている方、鏡野町を訪問してみてはいかがでしょう? 美も健康も1日にしてならず。でも、長く続く旅路の「最初の1日」を始められるはずです。
【前編】はこちら!
■健康のまちかがみの☆素敵にステイキャンペーン2020
https://www.kagamino.holiday/special/season/entry-545.html
■モンベルフレンドタウン鏡野町
https://club.montbell.jp/privilege/fshop/aboutarea/disp.php?friendarea_id=20