“無い無い”古民家暮らし。

連載 | 犬猫ヤギと古民家と私。~From 安房暮らし Our life ~ | 2 “無い無い”古民家暮らし。 超かんたんコンポストトイレ[トイレ編]

2022.06.26

使える風呂なし、トイレなし、キッチンなしの無い無い古民家で、ヤギの「ひじき」と一緒に暮らし始めた6年前。私の周りには、コンポストトイレを設置して使っている人たちが何人もいた。いろんな人のコンポストトイレを見学させてもらいながら、わが家にコンポストトイレを設置したときのことを振り返ってみる。 写真は、外の厠(かわや)兼物置小屋を、ひじき兼コンポストトイレ小屋にしていたときのもので、ときどきトイレへ侵入していたひじき。

コンポストトイレとは?

使用後に水で流す一般的なトイレと違い、コンポストトイレは水を流さずに微生物の力で排泄物を分解するもの。「バイオトイレ」とも呼ばれ、使用後にもみ殻や米ぬか、おが屑、落ち葉などを降りかけ、その場で分解を促すタイプもあれば、コンポストステーションを作ってそこへ排泄物を集めて分解するタイプもある。

コンポストステーション
わが家のコンポストステーション。

わが家のトイレは、コンポストステーションへ集めるタイプだ。コンポストステーションは、廃材の木製パレットで「コの字型」を3つ作成(上写真)。コンポストトイレの排泄物が一杯になる度に、一つ目のステーションへと運び入れ、草を乗せていく。一年後天地返しをしながら隣にある二つ目のステーションへ移動させ、また一年後に三つ目のステーションへと移動。三つ目のステーションにあるのは、もう土になった排泄物だ。これを、畑に入れたり育苗に使ったりしている。

コンポストステーション

こちらは、コンポストトイレを使っている友だち宅のコンポストステーション。わが家のものよりも丁寧にがっちり作られている。手前は板を一枚ずつ増やしていけるようにしてあり、排泄物が増えてきたら板を足して流れ出ないように工夫してある。真ん中のステーションだけ、屋根を付けて雨が当たらないようにしていた。

いろいろなタイプのコンポストトイレ

1.バケツ式木枠タイプ

バケツ式コンポストトイレ(バイオトイレ)

四角い木枠を作り、枠のなかにバケツを入れて、上に便座を取り付けたバケツ式コンポストトイレ。これは、持ち運びもできるから便利。ティッシュはコンポストに入れない人もいるが、コンポストに入れても問題なく分解されて堆肥になっていたので、わが家では一緒にしている。

2.バケツ式アイアンタイプ

バケツ式コンポストトイレ(バイオトイレ)
写真提供:神向寺信二

こちらは、アイアン(鉄)で台をデザインして作られた、バケツ式コンポストトイレ。

3.バケツ式漆喰タイプ

バケツ式コンポストトイレ(バイオトイレ)

漆喰で台を自作したというバケツ式コンポストトイレ。漆喰には抗菌や消臭効果もあるといわれているため、トイレにはうってつけかも。なかには、四角いゴミバケツを入れて使っている。

4.大小分離型市販タイプ

大小分離型コンポストトイレ(バイオトイレ)

市販のコンポストトイレを設置したもの。これは大小分離型で、使用後にふすまやぼかしを入れてハンドルレバーを回し、中身を攪拌して発酵を促す。一般的に、大小が混ざると臭いの素になるといわれているため、大小を分ける仕組みになっている。

このほかにも、少量の水を使うもの、電気で攪拌するもの、生ゴミ用コンポストを改良してDIYしたコンポストトイレなど、作り手によってどんどん洗練し、進化している。

わが家のコンポストトイレ

コンポストトイレ(バイオトイレ)
屋内に設置したコンポストトイレ

引っ越した当初は、友だちから使っていないバケツ式コンポストトイレを借りて土間に置いていた。その後、もともと厠小屋だったトイレスペースに、自作のバケツ式コンポストトイレを設置。使用したバケツは、ガソリンスタンドで不要になったオイル缶をもらってきたもの。便座は木製のものを購入して取り付けた。

その後、DIY仲間が家の改修を進めてくれるなか、家のなかにトイレを作ることに。場所は、土間の一番奥で、改修中のお風呂場と洗面所に行く手前になるので動線もバッチリ。奥行のある添付の棚が設置されていた場所だが、大量の一升瓶が入っていて床が半分落ちていた記憶がある。

コンポストトイレ設置場所
左奥に見える2段の棚がある場所を、トイレに。

基本はバケツ式コンポストトイレだが、バケツだとすぐいっぱいになるので、貰い物の樽を使うことに。横にはおが屑を入れるための箱を設置。おが屑やもみ殻、米ぬか、かんな屑などを試したが、おが屑が木の香りがして臭いも気にならず、一番使い勝手がよかった。DIY仲間のなかでもアイデアマンのボスが、樽の蓋置き場と木の便座を自作して設置。

排泄物でいっぱいになった樽を持って家のなかをうろつきたくないので、友だち宅を参考にして外から樽を取り出せるようにボスに依頼して作ってもらった。

コンポストトイレ(バイオトイレ)
屋外から樽を取り出せる工夫。

家のなかにトイレがあるのはすごく便利だが、残念なこともある。家の外にトイレがあったときは、トイレのために夜外へ出ると、満天の星空やきれいな月に出会い、しばし眺めることが多々あった。家のなかにトイレがあるとわざわざ夜に外へ出ないので、美しい夜空との出会いが減ってしまったのだ。それでも、雨の日にトイレのために外へ出なくていいのはやっぱり便利だ。

天の川
トイレのため、外に出ていたときに見ていた満天の星空(天の川)。

次回は、無い無い古民家暮らしお風呂編を書いてみようと思う。

写真・文:鍋田ゆかり