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産地のみなさんと一緒に 「おいしい!」を育む、 『生活クラブ』。in 山形県 庄内地域

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生活協同組合(生協)のひとつである『生活クラブ』が扱う米や野菜、肉などの食材は、50年以上の歴史の中で生産者と組合員(消費者)が一緒につくってきたものです。長年提携し、共に開発してきた山形県・庄内地域の生産者を訪ねました。

目次

まずは生産者と組合員の話し合いから。

日々の食卓に上るお米は誰がつくっているのだろう?答えはもちろん米農家さん。米農家さんに尋ねれば「私たちが丹精を込めてつくっています」と答えてくれるはずだ。

しかし、山形県・庄内地域の遊佐町でブランド米「庄内 遊YOU米」をつくる今野修さんは「『遊YOU米』は、私たち農家と『生活クラブ』の組合員とで一緒につくっています」と答える。地元の農家で構成される『遊佐町共同開発米部会』と生活クラブの組合員が一緒に話し合い、どんな米づくりをするのかを決めている「共同開発米」なのだ。そんな関係が始まって30年以上が経つのだが、今野さんは「毎年顔を合わせて話をすることで、組合員のみなさんは私たちを信頼し、いい米づくりを期待してくれているんだ、ということを実感します」と微笑む。

庄内ではほかにも、長きに渡って食べ支えてきた生活クラブの組合員との関係性が後押しとなり誕生したブランド豚肉「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」もある。休耕田の活用や、転作田の作物の一環としてつくられた飼料用の米を豚の飼料に配合する。その飼料で育てた豚肉だ。この取り組みは1996年に始まった。

豚肉を生産する『平田牧場』の生産本部研究開発室室長・池原彩さんは「当初は5パーセントほどの配合から始まり、今では35パーセントにまでなっています。『米育ち』の豚の脂はきれいな白色で、火を通せばすっきりとした甘みが出て、口の中で溶けやすい肉質。香りもよく、ほかの豚肉は苦手でも、『米育ち』は食べられるという声も聞きます」と話す。

この取り組みが進んだ経緯として、「生産者との交流のために庄内に来られた組合員さんが、豚舎の近くにある休耕田を見て、『土地が空いているのだったら、そこで飼料用のお米をつくったらいいのでは?』と言われたことがきっかけだと聞いています。養豚の飼料は輸入穀物がメインで、国内での自給率向上のために以前より飼料用米の研究はしていたのですが、コスト面やつくり手などの問題から実現には進んでいませんでした。でも、組合員さんが『そういう豚肉があったら私たちは購入します』と言われ、グッと背中を押されました」と池原さんは教えてくれた。

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庄内のシンボル、鳥海山からの豊かな水が平野を潤し、おいしい作物や食材が育まれる。
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そもそも、 『生活クラブ』って?

庄内地域をはじめとした全国の生産者と連携し、「おいしい!」を生み、育んでいる生活クラブ。かつて200人余りの女性たちが参加した牛乳の共同購入がきっかけとなり、1968年に生活協同組合(生協)のひとつとして設立された団体で、組合員は現在、約42万人いる。

営利を目的とせず、利用希望者が出資をして組合員となり、自分たちで組織を運営し、欲しいと思うもの、納得がいくものを購入する。そしてそのために生産者との「話し合い」を定期的に行う。安心して食べられる食材をつくってもらい、組合員がそれを購入する約束をするのだ。

『遊佐町共同開発米部会』事務局の池田恒紀さんは「つくり手と買い手、お互いの事情や考えていることを知り、学び合えることはうれしく、楽しいことです。私たちもまた、長野県や栃木県、紀伊半島などで生活クラブが生産者と連携している現場に行き、視察させていただいたこともあります」と話す。

また、『平田牧場』広報課課長の山本俊介さんは「生産者と組合員さんとの関係は『対当互恵』。お客さんと業者という関係ではなく、互いに言うべきことは言い合い、よい物を一緒につくっていくというスタンスです。だから持続可能な生産もできます」と説明する。

庄内地域と組合員の「関係」は食だけにとどまらず、今では太陽光発電を通じた自然エネルギーの創出や、来年完成予定の住居を含む地域コミュニティ拠点『TOCHiTO(とちと)』の利用など、つながりによって生まれる持続可能な仕組みづくりに挑戦している。今を生きる命と、次世代の命を大切にする取り組みをさらに広げていこうとしている。

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安心でおいしい食材をつくる、庄内の生産者

JA庄内みどり 遊佐町共同開発米部会

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会長・今野修さん(左) 事務局・池田恒紀さん(右)今野さんが育てる田んぼ(主食用)の前で。
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『平田牧場』の豚向けにつくられる飼料用米の田んぼには、この看板が立っている。
『遊佐町共同開発米部会』のメンバーは現在、約340人。「庄内 遊YOU米」は、ふっくらとした炊き上がりと、もっちりとした食感が特徴。鳥海山を水源としている清流で育てられているお米だ。

株式会社平田牧場

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広報課・山本俊介さん(左)生産本部・池原 彩さん(右)酒田市内にある『平田牧場・千本杉農場』の前で。
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平田牧場の豚舎は自然の光や風が入り、豚が自由に動き回れる広さに設計されている。
『平田牧場』では豚の飼育に約200日かける。もっと短くし、コストを抑える方法もあるが、じっくり健康的に育てる。精肉となった後は一度も冷凍されず、鮮度を保ったまま組合員のもとへ届く。

庄内地域で広がる、コミュニティの輪・次世代に向けた取り組み

自然と共生し、食べ物、エネルギー、福祉をできる限り自給・循環させる仕組みづくりを庄内で始めています。

1. 耕蓄連携

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農地の有効活用、飼料の自給率の向上、家畜の排泄物は堆肥として農地に還元するという循環型の仕組み。

2. 庄内・遊佐太陽光発電所

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生活クラブと提携生産者などが共同で設立した会社が運営する太陽光発電所。自然エネルギーの生産と普及に取り組む。

3. TOCHiTO

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地域に参加し、互いに支え合う暮らしを実現する場として、酒田市内に建設中の『TOCHiTO』。生活クラブも運営に参加。

How to Buy ? 『生活クラブ』の消費材の購入方法は主に2つ!

配達

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ネットかカタログで注文。決まった曜日にご自宅かグループ配送先に配達。

デポー

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「庄内 遊YOU米」や、「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」の豚挽き肉など、すべて生産者の顔が見える、安心でおいしい食材が購入できる。
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東京都、神奈川・千葉・埼玉県には、店舗『デポー』があり、店頭での購入も可能。

Information もっと知りたい方は!

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生活クラブで扱う食材などは、利益を得る「商品」ではないため、「消費材」と呼んでいます。この記事で紹介した品目は、一部地域で取り扱いがない場合があります。
photographs by Yusuke Abe & Hiroshi Takaoka  text by Takeshi Konishi

記事は雑誌ソトコト2022年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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