千葉県の南房総へ移住したローカルライターが2022年夏、自転車で「大阪⇒淡路島⇒四国⇒しまなみ海道⇒広島・平和記念公園」を目指す自転車キャンプの旅に出発することにした。移住当初は東京から持参したシティサイクルで移動していたが、車を手に入れてからは自転車を放置。乗る機会を失くしていくなか、再び自転車を生活(人生)に取り入れたいと思い始めていた。
「無理」という決めつけを、 積年の願望が越えてきた
「ゆかり(⇐筆者のこと)もおいでよ」
それに対して私は、
「動物たちがいるから無理」
と即答したが、「ほんまに無理なん?」と自問。私は犬2匹、猫とヤギを一匹ずつ飼っているため、ふだんから外泊はしにくいし、したとしても数日程度だ。だが、「動物がいるから無理と思い込んで、決めつけているのではないだろうか?」そんな疑問が湧いてきた。
同時に、20代のころにしまなみ海道を自転車で行ってみたいと思っていたことを急に思い出した。そして最近は、田舎暮らしに再び自転車を取り入れたいと思い、クロスバイクの購入を検討していたところだ。
「(やりたかったのなら、今やればいいのでは?)」
「(できないと決めつけずに、挑戦してみよう)」。
素直にそう思えた3月の終わりに、自転車で広島平和記念公園を目指そうと決めたのだ。
※自転車旅の間、動物たちをどうしたかはいずれ詳しく紹介します。
自転車で「大阪⇒広島」。 のんびり楽しむなら何日必要?
しかし物事は計算通りには進まないし、「初心者へっぽこサイクリスト」の私の場合は尚更だ。それでもさすがに1カ月あれば、道中楽しみながらゴールできる気がする。こんな考え方でいいのか分からないが、とりあえず7月頭に出発することを想定してみた。
昔憧れた、「自転車でキャンプしながら旅したい」を実現すべく、キャンプ道具も持参する。
私は「ADDress(アドレス)」という「定額で全国どこでも住み放題」を提供している会社の物件管理をしていて、その特典としてADDress拠点に滞在することができる。ADDress拠点があれば積極的に利用して、仕事をしながら快適に過ごすようにしよう。
どんなルート、方法で広島を目指すか?
スタートは好きな場所の一つ、太陽の塔がある万博記念公園に設定。太陽の塔に応援してもらいながら出発したい。Googleマップで太陽の塔から広島平和記念公園までのルートを自転車で検索すると、「自転車ルートを計算できませんでした」と表示される。車だと327キロで4時間6分、徒歩だと332キロで69時間の道のりだ。
明石海峡大橋は自転車で渡れないのでフェリーで淡路島に上陸し、鳴門海峡も車でしか渡れないが自転車を乗せられる高速バスがあるので、それで四国へ渡る。
期間的な問題や体力的な問題、自転車トラブルに遭ったときはいつでも「輪行(りんこう:自転車を解体して電車などの公共交通機関を利用すること)」して電車や高速バス、フェリーを利用することを念頭に置いておく。何かあったときの逃げ道を用意しておくことは安心感につながり、ビギナーが無理をして事故に遭わないためにも大切なことだ。
次回は、ビギナーが自転車旅をするときにどんな自転車を選べばいいか。自転車を開発している企業にも話を聞いたので、紹介しようと思う。