福井県の中央部に位置する丹南エリアは、伝統工芸品との出合いや旧街道のまち歩き、登山、鉄道のトンネル遺構巡りなどいろいろなテーマで旅を楽しめる場所。2024年春には北陸新幹線が延伸開業(金沢・敦賀間)し、エリア内では越前たけふ駅が新設されます。ますます注目される丹南エリアの魅力を紹介します!
海、山、伝統と文化、なんでも楽しめる丹南エリアはここ!
歴史を感じる旧北国街道で、“おいしい”まち歩き/鯖江市
鯖江市にはその痕跡が各所に残り、今もその歴史を感じることができます。細い路地を歩くと、昔ながらのお屋敷や土蔵造りの醤油屋さん、宿場跡などを見ることができるのです。
ここでおすすめするまち歩きルートが『泰澄(たいちょう)寺』から『誠照寺』を通り、『萬慶(ばんけい)寺』までの「歴史の道」。徒歩で1時間半から2時間程度の距離です。
スタート地点となる泰澄寺は福井市三十八社町にあり、ゴールの萬慶寺は鯖江市深江町にあります。かつて街道を行き交っていた旅人たちの休憩所になっていた「一里塚」や、旅の安全を祈願して祀られたお地蔵さんなど、当時の面影が道沿いに残っています。
また、途中の福井鉄道・神明駅近く、『神明社』境内にある福井県内最古の古民家『旧瓜生家(うりゅうけ)住宅』にはボランティアガイドが常駐し、鯖江の歴史を教えてくれます。
鯖江市の中心エリアには7つの商店街があり、南北朝時代から続く『誠照寺』の参道から現在の商店街へと発展したところもあります。
100年以上続くレトロな食堂があったり、売り切れ必至のスイーツやパンの店など、立ち寄りたい店がたくさんあります。歴史散策の途中に地元店でのグルメやショッピングを楽しんでみてください。
参考サイト:https://craftinvitation.jp/spot/ajimiya/
参考サイト:https://www.instagram.com/__la.couronne/
山の自然を満喫。ファームハウス・コムニタで宿泊/池田町
池田町にある『ファームハウス・コムニタ』は、自然と人にやさしい農業を手掛けている素朴な山のホテルで、旬の野菜や山菜をふんだんに使った郷土料理を提供してくれます。
肉や魚も池田町産、福井県産のものをできるかぎり使用し、化学調味料は極力使わないというこだわりを持っています。特別栽培米として有機肥料・減農薬の規定のもと、手間と愛情をかけて育てたコムニタ自慢のコシヒカリは土鍋で炊き上げてくれます。
また、お子様向けにお子様プレートも用意されています。福井県産和牛とミディトマトが入った手作りハッシュドビーフにコロッケなど、キッズに人気のおかずがいっぱいで、野菜嫌いなお子様でも楽しく、おいしく食べられると評判です。食物アレルギーにも対応してくれます。
森と川、田畑に囲まれた環境にあり、窓から見える四季折々に移り変わる色彩豊かな山の風景は、額縁に入れて飾った絵のようで、一日中眺めていても見飽きることはありません。夏にはハンモックに揺られながら星空観察もできます
部屋は洋室、和室の両タイプがあり、全室にユニットバス、トイレ、テレビが付いています。自然を感じる一日を、池田町でぜひ過ごしてみてください。
登山を楽しみたい方は、越知山(おちさん)へ!/越前町
冒頭で紹介した『泰澄寺』の泰澄大師(682~767年)が修行し、悟りを得た山として知られています。その修行した道などが現在の登山ルートとなっていて、多くの登山客が登っています。
社伝によると、泰澄大師が仏像を造り、山頂に社堂を建立して「越知山三所大権現」と称して祀ったのが始まりといわれ、江戸時代の最盛期には数万人の崇敬者が参られたそうです。
山頂の展望台からは福井市、鯖江市、越前市、越前町のまち並みや、白山連峰を眺望でき、風光明媚な観光名所として多くの人々に親しまれています。
旧北陸線・鉄道トンネル遺構を巡る/南越前町
明治29年(1896年)に敦賀―福井間で開業した旧北陸線は、最大の難所である険しい峠を越える敦賀―今庄の間で13基のトンネルが掘られました。
現在、11のトンネルが国の登録有形文化財になっており、100年以上経った今も道路用の現役トンネルとして使用されていて、中を歩いて散策することもできます。それぞれ、レンガや石組みが異なり、中を歩けばちょっとしたタイムトラベル気分が味わえます。
今も今庄の旧北国街道沿いにその風情を残しており、大正時代に建てられた古民家『旧斎藤家』を活用した『土の駅 しげじろう』では、地元のおいしい伝承料理の数々が越前漆器で提供されます。
「タンス町通り」でモノづくりの伝統を知る/越前市
越前市にはその名も「タンス町通り」があり、約200メートルの間に越前箪笥を製造・販売する店などが集まっています。江戸後期から指物職人らが多く暮らし、明治の半ばに現在のまち並みが形づくられました。
かつて、この界隈にはさまざまな嫁入り道具を商う店も多く集まり、賑わいを見せていました。越前市の中心市街地にあり、隣接するエリアには歴史ある寺院が多数軒を連ね、ノスタルジックな雰囲気が漂う散策にぴったりのエリアです。
越前箪笥の飾り道具に施されるハートの形は、魔除けを意味する「猪目」の文様で、飾り金具は越前打刃物の技に由来します。
手仕事の粋を極めた越前箪笥の展示・販売のほか、越前箪笥の歴史を遡る奈良・法隆寺の国宝「橘夫人厨子」の複製の展示もあります。
また、最近は箪笥職人たちによる、一見、本業と一線を画すようなものづくりも注目されています。お洒落な木製雑貨や思いがけないキャリーケースを生み出す職人が出てきているのですが、ただそこには、精巧で緻密な越前箪笥づくりの技が盛り込まれています。伝統を受け継ぎ、創意と工夫で新たな価値を創り出すことが職人たちの真骨頂です。
伝統工芸品から自然まで、いろいろな楽しみ方できる丹南エリアをぜひ一度、旅してみてください!