~Social Good in TOHOKU~ 2011年3月11日に東日本大震災があった東北の“いま”を伝えるコーナーです。東北で生まれているソーシャルグッドなプロジェクトや地域で活動する人々を紹介します。
石巻市では、一般社団法人『サステナブルデザイン工房』が活動の主体となっている。東日本大震災後、ボランティア活動のため石巻市に入った押切珠喜さんが立ち上げた団体だ。瓦礫撤去を行う中で、生活用品をはじめ、瓦礫となってしまった圧倒的な物量に驚き、大量生産・大量消費によって成り立ってきた社会に疑問を抱いた押切さん。「持続可能な社会の創出こそが復興ではないか」と思い至り、その実現に向け、『花王』のリサイクリエーションへの協力をきっかけに、『サステナブルデザイン工房』を設立した。
「とにかく楽しみながらやるということを大事にしています。リサイクルを切り口に、石巻でおもしろいことが次々と起こっている。自分の専門外の依頼もありますが、その先に何が起こるかが楽しみなので、引き受けるようにしています」と押切さん。最近では、太陽光パネルを回収して砂状に処理・再生利用する取り組みをコーディネートする仕事が入ってきている。太陽光パネルの再生利用を含め、リサイクルでは各分野のプロフェッショナルをつなぐ人がなかなかいないため、押切さんのこれまでの経験が、「人と人をつなぐ」というクリエーションに役立っている。「日本は物理的な資源に乏しい国ですが、人という資源は豊富なので、それをどう生かすか、つなぐかを考えながら、これからも活動していきます」と、押切さんは抱負を述べた。
記事は雑誌ソトコト2023年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。