福岡県糸島市 生産者と消費者を結び、想いを伝える直売所。

連載 | SUSTAINABLEDESIGN | 福岡県糸島市 生産者と消費者を結び、想いを伝える直売所。

2021.07.19

 福岡県糸島市にある岐志漁港には、同市の離島・姫島へ就航するフェリーの待合所がある。主に島の住民や釣り客が利用しているのだが、週に2回待合所内に直売所がオープンする日は、朝からさまざまな客層の買い物客でいっぱいになる。


 2013年に地域の方々によって始まった『ひめしま渡船直売所』。畑から直接届く野菜は、無農薬栽培や珍しい品種のものが多く、旬のものしか販売していない。また、店番役の農家が、各生産者の人柄や生産物への想いをていねいに説明し、タイミングによっては地産品を運んで来る生産者と直接交流ができるなど、対話を大切にしていることもこの直売所の醍醐味のひとつだ。


 店番をしていると各地から糸島を訪れる観光客に周辺のお店や名所を聞かれることも多い。そのため、手作りの観光マップを制作し配布するなどの新たな試みもスタートした。近年ではただの直売所ではなく、農家と消費者と地域を結ぶ「糸島の観光案内所」の役割も担っている。


 


『ひめしま渡船直売所』は、毎週木曜日と日曜日(現在は9時半〜14時半)の営業。農家直送の野菜のほか、果物、えごま油、つばき油、お弁当、干物やヒジキなど、地元糸島産の商品が並ぶ。