お雑煮作り開始
今回の材料は
- うずらのたまご
- 三つ葉
- しめじ
- ゆずの皮
- とり肉
- かまぼこ
- 角もち
- 大塚にんじん
山梨県は海に面していない県のため、材料は一般的に山の幸が多い。今回は普通のにんじんではなく、山梨県西八代郡市川三郷町の大塚地区で栽培される「大塚にんじん」を使用。
ちなみにこの大塚にんじん、山梨県西八代郡市川三郷町の大塚地区で栽培されているにんじんを指すのだが、もともと群馬県高崎市の国分地区で栽培されていた「国分鮮紅大長」というにんじんの品種である。この国分鮮紅大長は通常60cmほどに育つ品種なのだが、この大塚地区で育てられたものはなんと80~120cm前後!なぜこんなに長いのかというと、数千年前におきた八ヶ岳噴火により「のっぷい」とよばれる肥沃で石の少ない土壌がにんじんの生育を阻害しないことが理由らしい。120cmといえば、小学校低学年の子どもと同じくらい。とにかくながーーーーいのである。
大塚にんじんの紹介を終えたところで調理開始。とり肉はひと口大、飾りに使う大塚にんじんは花柄に細工、かまぼこ……と、どんどん具材を切ったものがこちら。どん!
すべての材料を切り終えたら角もちを焼いていく。カリッとするくらいこんがり焼くのがオススメ。山梨県では丸もちではなく、角もちを使う家庭が多い。
水にほんだし、醤油で味付け。うずらのたまご・しめじ・とり肉・大塚にんじんを入れてぐつぐつことこと。大塚にんじんは煮えるのがとくに遅いため、一番最初に入れると効率がよい。
大塚にんじんがやわらかくなったら、お椀によそい三つ葉とゆずの皮をのせれば完成!
大塚にんじんは味が染みているものの、にんじん本来の味もしっかり味わえた。通常のにんじんよりも素材の味が強いのかもしれない。個人的に失敗したのは「うずらのたまご」を入れて煮てしまったこと。煮立ったころには黄身がはみ出ていて割れてしまっていた。(仕方なく冷蔵庫からあたらしいうずらのたまごを出して乗せてみた。)とはいえだしも効いていてほっこり染みる。なんだかんだ言って自分でつくる料理はうまい。
おわりに
お雑煮を食べている途中でふと「なぜお雑煮を正月に食べるのか?」という疑問が沸いたので、ついでに調べてみた。するとお雑煮の主役は「餅」だということが分かった。当時うるち米よりも高値で取引きされていたもち米は、古くからハレの日に餅として食べられ、さらに神さまにお供えするのにも相応しいと考えられていたそう。たしかに47都道府県でさまざまなお雑煮があるが、餅だけは必ず共通して入っているのはこの理由だからだろう。さらに昔は料理を保温することも難しかったことから、冷たい料理が多く「あたたかいもの=病気にならないように、おなかをあたためてくれるご馳走」という考え方があったことから、餅とあたたかい料理をかけあわせた無病息災を願うお雑煮が誕生した。ということらしい。こんな理由があると知ると急にありがたく感じてくるからふしぎだ。無病息災を願うお雑煮。あなたの地域ではどんなお雑煮を作るのだろうか?