地名クイズは突然に。リカからのLINE「カーンチ、梅津寺で会お!梅津寺って・・読める?」カンチ「う、うめ・・リカ、読めないよ、ずっちーな!」平成を代表するトレンディドラマ「東京ラブストーリー」。自由奔放な主人公・赤名リカに翻弄される、もう一人の主人公・永尾完治、通称カンチは愛媛出身でした。最終回、ホームから眺める海の美しい愛媛の駅で二人に別れが訪れます。ロケーション抜群のこの駅の名前は、梅津寺。この辺りの地名です。なんと読むのでしょうか。ちなみにすみません。当時は携帯電話さえ普及していない頃。冒頭のシーンはドラマにはありません(笑)
カーンチ、梅津寺って・・読める?
柴門ふみさんの原作漫画を元に、2020年にはリメイクもされた、平成を代表するトレンディドラマ「東京ラブストーリー」。
自由奔放な主人公・赤名リカを鈴木保奈美さん、そのリカに翻弄されるもう一人の主人公・永尾完治、通称カンチを織田裕二さん演じ、大人気ドラマとなりました。
カンチは愛媛県の出身。転職で上京した後、同郷の憧れの存在だったさとみに失恋し、会社の同僚のリカと恋に落ちつつ・・詳しくはとても書ききれませんが、色んな登場人物がくっついて離れて、くっついて離れて・・「東京では誰もがラブストーリーの主人公になる」(原作漫画のキャッチコピー)。おしゃれな東京を舞台に繰り広げられる恋愛模様・・そんなドラマです。
最終回、東京から姿を消したリカはカンチの故郷愛媛を訪れます。リカを追いかけてきたカンチ。二人でめぐる愛媛の色々な場所。そして訪れる別れのシーンはあまりにも有名です。なにせ最終回の視聴率は32.3%もあったのですから。
さてリカが、よりを戻す気があるなら駅で待ち合わせようと言った、海の間近にあるロケーション抜群のその駅の名は「梅津寺」。
駅でのやりとりは、こうです。
- 先に駅に向かうリカ。思い悩み、意を決して駅に向かったカンチ。そこにリカの姿はありません。
- 代わりに駅のホームの柵に、カンチがリカに貸していたハンカチが結ばれています。
- ハンカチには「バイバイカンチ」との文字。
- リカは約束の時間の1本前の電車で出発していたのでした・・。
そんな、切ない二人の別れ・・。
読者の皆さん、感傷的になっているところ恐縮ですが、さてこのあたりの地名が由来の駅名、梅津寺。なんと読むのでしょう。
答えは「ばいしんじ」
答えは「ばいしんじ」です。
京都には梅津(うめづ)という地名もありますが、愛媛県の県庁所在地である松山市の西部、瀬戸内海に面したこの地名の由来となったのは、その名もズバリ、梅津寺というお寺でした。
梅津寺は松山藩四代藩主・松平定直に招かれた雪广(せっけん)禅師というお坊さんが、故郷である中国の梅津(ばいしん)に似ていることからこの土地を大変気に入り、元禄16年(1703年)に創建して名付けたお寺と言われています。
梅津寺駅を管理する伊予鉄グループのホームページの観光スポット「梅津寺公園」の紹介では梅津寺は「坂の上の雲ゆかりの地」とされていて、駅から徒歩3分の見晴山にはNHKのスペシャルドラマにもなった小説「坂の上の雲」(司馬遼太郎著)の主人公、秋山好古・真之兄弟の銅像もあり、瀬戸内海を見下ろしています。
さらに梅津寺公園には国内最古の機関車、坊っちゃん列車が展示されています。明治21年から昭和29年まで、長期の間松山市内を駆け巡っていたこの機関車は日本国有鉄道指定記念物、県指定民俗資料に指定されていて、松山ゆかりの夏目漱石「坊ちゃん」にも描かれているのです。
その他、愛媛が国内生産量全国一位を誇るかんきつの情報発信拠点「みきゃんパーク梅津寺」もあり、愛媛県公式キャラであるみきゃんが所狭しとPRされています。
参考:伊予鉄道ホームページ 「観光・沿線おでかけ>梅津寺公園」より
https://www.iyotetsu.co.jp/kankou/baishinji/
中国版リメイクドラマで人気再熱かも!?
さて、東京ラブストーリー放映後は、多くのファンが愛媛のローカル路線伊予鉄道の梅津寺駅を訪れ、リカと同じようにハンカチを結んだとか。
現在は柵にロケ地である表示版が掲げられています。
そういえばあのハンカチのメッセージ。バイバイカンチ・・バイカンチ・・バイシンジ。
どうやら地名のヒントはハンカチにもあったようです(笑)
ところで東京ラブストーリーは地名の由来、雪广(せっけん)禅師の故郷・中国でも大人気のドラマです。
1991年に日本で放映されたあと、1995年頃から中国で放映され、多くの若者が日本の文化に触れました。
そしてなんと、今年5月には中国版リメイクドラマの制作も発表されました。
まさに日本を代表するコンテンツと言えるでしょう。
これまでもロケ地巡礼に梅津寺駅を訪れる中国人観光客は多かったとか。
しかしこれからは、中国版リメイクドラマを視聴しオリジナル版に興味を持ったファンが、これまでにも増して聖地・梅津寺を訪れる・・そんなこともあるかも知れませんね。
以上、愛媛出身のカンチは当然読めたであろう「梅津寺(ばいしんじ)」にまつわるお話でした。
ちなみに冒頭の架空のシーンにある、カンチの名言「ずっちーな」は伊予弁ではありません(笑)