東日本大震災後、人口は大幅に減ってしまったものの、未来へ向けた新しいむらづくりに挑戦している福島県・葛尾村。
その挑戦を先導するプロジェクトマネージャーを2名、募集します!
募るのは村の事業を企画して、実行する人。
東日本大震災と『東京電力福島第一原子力発電所』の事故で、全住民が村外へ避難した福島県・葛尾村。震災後5年が経った2016年に、一部地域を除いて避難指示が解除され、村民の帰還が始まった。しかし、避難先での生活が軌道に乗りつつあった頃でもあり、戻ってくる村民の数は限られていた。21年6月現在の帰村者は327人、避難指示解除後の転入者が124人で、震災前に暮らしていた1567人の3割にも満たない。
それでも、避難指示解除から今に至る5年間、村は除染によって多くの地域で震災前と同様に暮らせる環境になり、学校も再開。人数は少ないが、『葛尾小中学校』で小学生8人、中学生4人が故郷を謳歌しながら、元気よく学んでいる。基幹産業の農畜産業も息を吹き返し、米の全量全袋検査をはじめ農作物は安全を確認して出荷。数社の企業の工場も稼働している。
それでも、避難指示解除から今に至る5年間、村は除染によって多くの地域で震災前と同様に暮らせる環境になり、学校も再開。人数は少ないが、『葛尾小中学校』で小学生8人、中学生4人が故郷を謳歌しながら、元気よく学んでいる。基幹産業の農畜産業も息を吹き返し、米の全量全袋検査をはじめ農作物は安全を確認して出荷。数社の企業の工場も稼働している。
「少しずつ、村のイベントも行われるようになりました」と現状を話すのは、『葛尾むらづくり公社』事務局長代理の米谷量平さんだ。米谷さんは以前、『福島民報社』で新聞記者をしていたが、葛尾村で新しいむらづくりに関わりたいと退職、妻と子どもと一緒に移住。公社に勤めて3年目になる。「160年以上前に上演されていた薪能を復活させたり、公道を使った自転車ロードレース『ツール・ド・かつらお』を開催し、7回目を迎えたり。さらに、ふるさと納税の返礼品の売り上げを伸ばすなど、公社や村の有志が村民、企業、大学などの協力を得ながら、村に活気を取り戻しています」。
ただ、いかんせん村民の数が少ない。事業やイベントを企画しても、計画や実行に移す人材が不足しているのだ。「そこで村は、2021年度から5年をかけて移住者を募り、新しいむらづくりを進める事業をスタートすることに。その体制を構築し、事業を先導してくれるプロジェクトマネージャーを2名、募集します」と、米谷さんは『ソトコト』読者に呼びかける。
ただ、いかんせん村民の数が少ない。事業やイベントを企画しても、計画や実行に移す人材が不足しているのだ。「そこで村は、2021年度から5年をかけて移住者を募り、新しいむらづくりを進める事業をスタートすることに。その体制を構築し、事業を先導してくれるプロジェクトマネージャーを2名、募集します」と、米谷さんは『ソトコト』読者に呼びかける。
新しい視点で、葛尾村の魅力をつくる。
募集するプロジェクトマネージャー、村はどんな人材を求めているのか? 「当たり前を疑い、物事の本質を突き詰めて考えられる人」「なぜ今、自分はこの仕事をしているのか。理由を理解し、説明できる人」「『あれ』『これ』だけで話が通じる村民の濃密な関係のなかに飛び込んで、上手にコミュニケーションを取り、協力を得ながら実践できる人」と、米谷さんは求める人物像を挙げる。ハードルは高いが、「私がサポートするので安心してください」と笑顔。
実際に行う業務としては、移住定住関連の多岐にわたる事業の企画と実行になるが、「その前段として、葛尾村の魅力づくりにも取り組んでほしいです」と米谷さん。「葛尾村に移住する理由となる村の魅力を新しい視点でつくり、その価値を村外へ伝えてほしいのです」。
実際に行う業務としては、移住定住関連の多岐にわたる事業の企画と実行になるが、「その前段として、葛尾村の魅力づくりにも取り組んでほしいです」と米谷さん。「葛尾村に移住する理由となる村の魅力を新しい視点でつくり、その価値を村外へ伝えてほしいのです」。
村長の篠木弘さんは、「プロジェクトマネージャーは村の委嘱を受け、『葛尾むらづくり公社』で働くことになります。公社と村や村民との信頼関係は構築されているので、やりたい企画を存分に立て、実現し、村の自立を後押ししてほしいです」と期待する。米谷さんも、「震災後5年間、全村民が避難した村の暮らしや産業は、いったんゼロになりました。人のつながりも、イベントを開催する力も。でも、ゼロになったからこそ、新しいものを作り上げる“余白”にあふれてもいるのです。事業規模も大きいので、地域づくりの経験やキャリアになるはず。精いっぱい、自分のために働くことが村の貢献につながるので、ぜひ応募してください」とエールを送る。
21年度から5年間続く事業を経て、楽しく、豊かに暮らせる村になればと米谷さんは言う。「互いの存在を認め合える多様性のある地域をつくり、中山間地ならではの産業の価値を見出し、村内で経済を循環させる仕組みも整えたいです」と村の将来に思いを巡らせる。23年には村政100周年を迎える葛尾村で、未来を見据えた新しいむらづくりに関わってほしい。
求人情報
photographs by Mao Yamamoto text by Kentaro Matsui
記事は雑誌ソトコト2021年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。
※2021年10月22日(金)現在、募集は終了しています。