大阪市城東区の下町風情が今なお色濃く残るエリアに『大阪ゲストハウス緑家』はある。戦前に建てられた古民家の中庭や土間もあるつくりと、旅好きオーナー夫妻の気取らないもてなしで人気の宿だ。
その日ラウンジにいたのはオーナーのヨシこと鈴木善博さんに加えて、イスラエルの2人組とアメリカから来たジョン。偶然ここに居合わせ、テーブルを囲んだ。
拙い英語で自分のことや目指している“穏やかな暮らし”について話す。「その考えに賛成するよ」と言ったジョンは地元で映像会社と契約するフリーランサー。一日16時間働き詰めだったから、魂を取り戻すため4か月の休暇を取ってアジアを巡る旅に出ているそうだ。「帰国後はハードワークに戻る予定だけど、実際戻れるかどうかは不明」と笑った。
地元に居ながら世界を旅しているような不思議な感覚になる。こんな一期一会の出会いがあるから、ゲストハウス通いはやめられない。