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長寿の村でおばあ100人の笑顔を描く、女性長寿100人プロジェクト

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目次

女性長寿100人プロジェクトとは

はじめまして。地域おこし協力隊OBの安本と申します。

私が着任した沖縄県中部に位置する北中城村(きたなかぐすくそん)は3回※(15年)連続女性の平均寿命が89.0歳と日本一の長寿村。
※出典:厚生労働省(平成27年市区町村別生命表)
そこで2017年から村の広報誌の刷新などに携わり、最後の年となる3年目を迎えた時、地域のために改めて自分に何ができるのかを考えました。幼い頃から絵を描くことを仕事にするのが夢だったこともあり、村の100人のおばあちゃんの絵を描いて、北中城村をもっと多くの人に知ってもらおうと考えたのが「女性長寿100人プロジェクト」です。

女性長寿100プロジェクト

沖縄県は地域のつながり、絆がとても強く、まさに「ゆいまーる精神」を感じずにはいられない場所。
村の公民館では、ほとんど毎日地域の人たちが集まっては体操やゲートボール、カラオケなどのサークルで活気があふれています。

おじいとおばあ

その中でもまずは公民館など、地域の人たちの集まる場所へ毎日足を運び、最初は一緒に体操しながら顔を覚えてもらって交流を深めました。
緊張が解けた頃に、承諾してもらえたおばあちゃんに写真を撮らせてもらい、職場に帰って毎日絵を描く日々。

そんな中、取材で訪れたデイサービスに飾られていたおばあちゃんたちの作品を見て、思わず目を奪われました。身近なものを工夫して作った作品は手の込んだ立派なものから、思わず心がホッコリするような可愛らしいものまでさまざま。

デイサービスに飾られていたおばあちゃんたちの作品

このプロジェクトの集大成としてまずは村内での展示会を目標にしていた私は、この作品をベースにおばあちゃんたちの作品を展示会で販売できないかと考えました。
これが当初予定にはなかった、「おばあと一緒に商品開発プロジェクト」です。

おばあと一緒に商品開発プロジェクト

おばあと一緒に商品開発プロジェクト

おばあと一緒に商品開発プロジェクト

あくまで全く新しいものではなく、おばあちゃんが趣味で作った作品にデザイナーの視点で色味やサイズ感、用途などを見直し、ブラッシュアップしながら何度も試作を重ね、おばあちゃんと協力隊が一緒に商品作りをおこないました。

趣味の範囲から商品にするためのレベルにもっていくのは簡単ではありません。
手芸やものづくりが好きなおばあちゃんに声をかけお願いするものの、アイデアが出てこなくて自分に迷いがあると相手も不安にさせてしまう。
 
しかしこの活動を「おばあと協力隊が一緒につくる商品」としてブランディングすれば、今までになかった新しい価値になる!という確信があったので、私も定期的にコミュニケーションをとりながら何度もおばあちゃんの元に足を運びました。
 
そして徐々にアイデアが生まれ、試作を重ねる事でイメージが少しずつ形になっていきました。
完成した商品はアクセサリーや小物が中心。これらは「おばあの手しごと」として今後も沖縄県内またはオンラインショップで販売予定。売上はもちろんおばあちゃん本人に還元します。

おばあの手しごと

そして、おおよそ9ヶ月かけて100人分のおばあちゃんの絵を描きあげ、プロジェクトのお披露目の場として、村内の大型ショッピングモール、イオンモール沖縄ライカムにて「女性長寿100人展」の開催が決定しました。あわせて取材した村内のご長寿の普段の暮らしや食事、ファッションなどにも焦点を当て長寿に繋がるヒントを来場者それぞれが考えてもらえるような展示会にしたいと思っています。
※現在コロナウイルスの影響で9月頃に延期

詳細はFacebookページにてお知らせします
https://www.facebook.com/oba100pj

この展示会が終わったら、描いた絵は本人にお渡しします。
何人かのおばあちゃんにはもうお披露目しましたが、本人以上に家族や周りの人たちが喜んでいるのを見ると頑張って良かったなと思える瞬間です。

協力隊は2020年3月で卒業となりましたが変わらずこの地域に住み続けながら、モデルとなってくださったおばあちゃんたちはもちろん、ご家族やご友人、地域のみなさん、このプロジェクトに関わるすべての人が自然と笑顔になってもらえるようこのプロジェクトを最後まで責任を持ってやり遂げようと思っています。

おどるおばあ

似顔絵

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