北風が強い冬の時期ですが、冬らしいと言う寒さはあまりないわけなのですが、海はジャブ・ジャブとしているので、やっぱり海上は冬らしく在るので、海を歩き廻る事がめっきりと減ったこの季節、いかがお過ごしでしょうか。
自分の知っている世界の外側へ
この季節は、里山を歩いたり、アレコレ妄想にふけるように見知らぬ土地を車でトロトロ走ったりしながら、発見と出会い、気付きの時間に多くの時間を注ぎこんでおります。
里山も漁村も農村も、私がふらつくテリトリーは、どこもお年寄りが多いです。
特に目的を持ってふらふらしている訳ではないので、ちょくちょくお年寄りから声をかけられるのですが、大体が『何処から来たんかね?何処へ行くんかね?』と聞かれる訳ですが、決まって私は声をかけられると『ここは何処かね?いいとこだからまた今度、ココに来ようかなと思って、おじさんはここの生まれ?』などなど、聞かれた事に、あまり直球で答える事無く、ここのお話を聞きまくります。あれやこれやと話に花が咲き、みかん畑で話していると“みかん”、漁村で話していると、“缶コーヒーやらタバコ”、農村で話していると“キュウリ”、川原で話していると“鮎”と言った具合に、物を貰ったりしてしまう訳です。
のんびり気味で、まるで人懐っこい人のように思われるお話ですが、普段は無人島や山、川に人を連れて居る事が多い仕事ですので、のんびり気味よりも、何処か次に起こる変化や状況にいつでも対応できるように、じっと眺めながら状況を把握して、どう適応するかを考え、起こりゆる変化に対して気付きにつながる題材がないかキョロキョロしている事が多いタイプです。
君たちはどんなふうに変わっていくのかな
話がそれましたね。
お年寄りと話している時にいただく“品々”は、売買する貨幣経済とは違い、互いの信用と言うか信頼のようなモノが芽生え、出逢えた喜びの表現に似たギフト的な感じな訳なのかなと…思う訳で。(互いにと言っても、訪れているのは私なので信用/信頼していただいたと言うのが正確なところかな…)
一方社会の多くのところでは(社会を沢山知っている訳ではないのですが…)人が人を評価し、評価する事で相手の価値を感じて、互いを認めてる仕組みと言うか、価値を評価して欲しいと言う関係性なのかなと…
今の社会は、売買をする貨幣経済社会と、互いの信用/信頼が芽生え気持ちのギフト社会と、評価して価値になる交換社会の3つの社会を行き来しているのだなと、いただいた“みかん”にかぶりつきながら、遠くを見渡せる峠の路肩に座り込み、ぼんやりと今の社会に想いを寄せる時間を持つのが結構好きです。
・品を売買する貨幣経済
・信用や信頼と言う気持ちのギフト
・評価し価値に置き換える対価
この3つは決して僕の暮らしの周りだけの話ではないと思う訳で、学校や会社、社会といった様
々な場所で生きる人々もまた、この3つを行き来しているのだなと…。
もう少し暖かくなれば始まる瀬戸内の自然の中での様々な旅。
僕は、つるんとした地球の表皮をありのままに、子どもたちや若い世代と共に旅をする中で、この3つの場面に出会った時は見逃すことなく、みんなと立ち止まり、『ねぇねぇ、これって大事だと思わない?』的に半ば強引でも、“考える時間”を、大切に互いの気持ちのキャッチボールにつながるよう、パスを投げかけてみたり、問いかけられたり、共に考えたり…。海を歩来ながら、里を歩きながら、山を越えながら。
シトシト雨降りな今日は、立春も過ぎて、日の出日の入りも1日1日長くなる中で、まだ出会う事のないみんなと共に過ごす時間を思い浮かべながら、もう少し温かくなったら始まる野外活動のプランを作っている日々です。
そうそう、みかんをいただいたおじいちゃんと僕には、信用と信頼が生まれている『必ずまた来るからね』と言って別れたので、また行きますね♪
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