生理やPMS、セクシャル分野まで女性のカラダの悩みを解決するメディアサイト『フェムテックtv』と、未来を作るSDGsマガジン『ソトコト』が新たに女性のウェルビーイング向上を目的として立ち上げた『フェムコトプロジェクト』。
今回も前編に引き続き、現役のフォトグラファーでありながら、アーティストのマネジメントやハウススタジオ運営を手掛ける「株式会社LORIMER(ロリマー)」の代表も務める横山順子さんにお話を伺っていきます。
〈Profile〉
株式会社LORIMER代表 横山順子
よこやま じゅんこ 鹿児島県出身。19歳で渡米し、21歳で結婚。26歳で帰国後、フリーランスのフォトグラファーとして独立。Junko Yokoyama名義で活動。31歳で第一子、36歳で第二子を出産後、以前から夫とともに手掛けていたマネジメント業務などを「株式会社LORIMER」へ法人化し、代表に就任。フォトグラファーやディレクターとしても活躍中。
instagram:@junko_yokoyama
HP:https://www.lorimermanagement.com/
臨月まで働き、産後6週間で復職
横山さん:ものすごくありました(笑)。「妊娠・出産で仕事を休んでいる間に、クライアントが離れてしまうのでは」とか、「これまでのキャリアがまた振り出しに戻ってしまうのでは」と不安ばかりで。だから私、長女のときも長男のときも、臨月まで働いて産後も6週間で仕事に復帰しているんです。
フェムテックtv:6週間とは早いですね。ただ、フリーランスでお仕事をされている女性で同じ不安を口にされる方は多いように感じます。
横山さん:今の私は、経営者として女性中心の所属クリエイターをケアする身でもあります。でも、女性のキャリアと出産・育児の両立に対する明確な正解は、いまだに出ていないんです。
フェムテックtv:女性クリエイターへの妊娠・出産に際する配慮はどう心掛けられているのでしょう?
横山さん:私が出産や育児を経験した際には、周囲の気遣いによって、仕事の機会が減ってしまうことが辛くて。だから「妊婦だから出張は無理だよね」とか、「赤ちゃんがいるから夜の撮影はNGでしょ」と、最初から決めつけるのではなく、まずは本人に相談するようにしています。その仕事をやる、やらないのジャッジは、無理のない範囲で本人が決められるように心掛けていますね。
デリケートゾーン専用ソープは娘と兼用
横山さん:まだ月経のことなどを具体的に話したことはないのですが、私自身が5年ほど前からデリケートゾーン専用のソープを愛用しているので、娘も自然と体とデリケートゾーンを洗い分けるようになりました。
フェムテックtv:5年前から専用ソープを使用されるとは、日本ではかなり早いほうですよね。きっかけは何だったのですか?
横山さん:日頃からデリケートゾーンの蒸れや匂いを気にするほうで……。何か方法はないかと調べるなかで専用ソープの存在を知り、試してみたことがきっかけです。劇的に効果を感じているわけではありませんが、それから使い続けています。だから娘も、デリケートゾーンは専用ソープで洗うことが当たり前だと思っています。
フェムテックtv:デリケートゾーンに関しては、日本では子供の頃からタブー視され、いまだに親子の会話に上がることのない家庭も多いと聞きます。横山さんと娘さんの間では専用ソープを介して話題にのぼるのですね。
横山さん:過剰に話すこともないのですが、タブー視することもありません。デリケートゾーンの洗い方などは娘に丁寧に教えてきました。今後迎える初経に関しても、おそらく我が家では、夫も含め、かなりオープンに話していくんじゃないでしょうか。
うちは夫が私の仕事のスケジュールを完全に把握している手前、体調管理の意味も含め、月経の話をすることもありますし、日頃から性に対するタブー感があまりないです。ちなみに私、出産前の会陰マッサージまで夫にやってもらっていました(笑)。
フェムテックtv:それはすごい! ご夫妻ともに海外在住経験が長いのも影響しているのかもしれませんね。でも、性に対する大切な話が、もっと日本の家族内でフランクに話されるようになったらステキですよね。
出産や育児、コロナ禍で変わった価値観
横山さん:以前の私はなによりも仕事が第一で、必死になって厳しい世界を生き抜いてきました。でも今は、「必ずしもそれだけが幸せなのかな?」と思えるようになったんです。出産や育児の経験、それに昨今のコロナ禍で価値観が少しずつ変わってきたのでしょうね。
以前は、休日もずっと携帯を触って、つねに仕事が頭から離れない母親でしたが、今は週末くらい仕事を完全に忘れて、家族との時間を楽しみたいなって思えるようになったんです。そのことで私自身の心も、以前よりも解放されたように感じます。
横山さん:仕事が好き、という気持ちは変わっていないのですが、「仕事が忙しいこと=充実した人生」ではないと気付くことができたように思います。
それに夫と二人で会社を経営し、今はステキな仲間も数多く在籍してくれています。みんなの心身の健康が守られ、誰も差別されず、自分を否定せず、そして女性もキャリアを心配することなく出産や育児に挑める会社や社会が実現できたら、最高だなって考えています。
フェムテックtv:そんな社会が実現できたら素晴らしいですね。
株式会社ツインプラネットが運営するフェムテック情報共有サイト。《毎日をイキイキと、自分らしく過ごす》ため、《自分のカラダについての“知らなかった”をなくす》ことを目的に、女性の健康に関するコンテンツを公開しています。
https://femtech.tv/