大規模災害時、避難所の「硬く冷たい床」は、長期化する避難生活で多くのストレスを生み、災害関連死のリスクを高めます。この深刻な課題に対し、広島県の創業109年の畳専門店が立ち上がりました。新製品「防災畳マット」は、畳の“ぬくもり”と“快適さ”を避難所の床に届ける画期的な備蓄品。さらに、芯材には、なんと伊藤園「お~いお茶」の茶殻を再利用した環境配慮型のボードを採用。人に寄り添う防災の形を提案する、この畳マットの秘密に迫ります。
避難所の床問題に着目!「硬く冷たい床」がもたらす見えないストレス
首都直下地震や南海トラフ地震の発生リスクが高まる中、災害時の避難生活が長期化することが予想されます。畳専門店である広浜株式会社は、長年の知見から、避難所で生活する人々の見えにくいストレスの一つが「硬く冷たい床環境」であることに着目しました。硬い床での雑魚寝は、身体的な負担だけでなく、心の安らぎも奪います。同社は、「畳の快適さを防災に活かす」というコンセプトのもと、災害時のQOL(生活の質)を向上させるための防災畳シリーズを開発しました。

【SDGs】芯材に「お~いお茶の茶殻」を再利用した環境配慮型設計
新製品「防災畳マット」(1枚:幅90cm×長さ90cm)の最も注目すべき点は、その芯材にあります。環境への配慮から、なんと伊藤園「お~いお茶」の茶殻を再利用した茶配合ボードを採用。この素材は2002年9月にエコマーク製品として認定されており、緑茶成分による消臭効果も備えています。これは、災害備蓄品を「環境に配慮したサステナブルな製品」として捉え直す、画期的な取り組みです。
畳のぬくもりをどこでも!アルミシートで保温・遮熱効果を両立
新製品の「防災畳マット」は、避難所での快適性を徹底的に追求しています。
- 裏面のアルミシート:保温・遮熱効果があり、保温検査で11.8℃、保冷検査で10.8℃の温度差、遮熱検査では65%以上の遮熱率を記録。床からの冷気を遮断し、夏は遮熱、冬は保温効果で体力を維持します。

- 樹脂製畳おもて:耐久性が高く、カビやダニが発生しにくいため衛生的。水拭きや消毒液での清掃も可能です。1枚の重さは約3.1kgと軽量で、薄型設計のため省スペース保管にも優れています。

自治体・企業に最適!和室のような安心感を届ける備蓄品
この「防災畳マット」およびリニューアルされた厚み25mmの「防災畳」シリーズは、幅広いシーンでの活用が期待されています。
- 自治体:学校体育館や公民館などの避難所の床面敷設
- 企業:事業所の帰宅困難者対策・BCP(事業継続計画)対策としての備蓄
- 医療・福祉施設:災害時の一時避難スペース確保用

畳専門店として、「人に寄り添う防災の形」を提案する広浜株式会社の挑戦は、今後の日本の防災意識を大きく変える可能性を秘めています。


















