「食べ物の栄養をまるごといただく」という意味の“ホールフード”と、廃棄予定の資源から新しい製品を生み出す“アップサイクル”の考えをベースに生まれたエシカル原料美容液「unito(ユニト)」。一つ一つの原料の働きに特化した美容成分100%の原料美容液です。新商品は福岡県・筑前町で生産されている黒大豆「筑前クロダマル」の規格外品が原料。16種類目の美容液が地域と肌の課題解決を目指します。
「unito」の企画開発のきっかけは、肌荒れに悩んだ経験
「unito」誕生のきっかけは、ブランドマネージャー・吉田栞さんが12歳の頃から悩まされていた肌荒れの経験です。荒れた肌を隠すため、吉田さんは化粧品に多くのお金と時間を費やしましたが、なかなか改善されませんでした。厚いベースメイクで素肌を隠しながら青春時代を過ごし、その反面、自身の肌をよく見せてくれる化粧品が大好きで、新卒で化粧品業界に就職。美容や肌に真正面から向き合うべく、肌の悩み解決につながる化粧品開発にのめり込んでいきました。
一般的に、さまざまな成分が混ざり合う化粧品では、大量に記された成分の中から「どの成分が自分の肌に合って、どの成分が合わなかったのか」を特定することは不可能です。そこで吉田さんは考えました。徹底的に配合するものを削ぎ落すことで、肌に合う/合わないが特定できる化粧品をつくりたいと。
化粧品に「原料単位で選ぶ」という新しい基準を設け、化粧品選びに悩まない未来をつくろうと考えた吉田さんは、原料に特化して質を追求する「unito」を社内ベンチャーで立ち上げます。クラウドファンディングを利用して、2021年4月にブランドをローンチしました。
原料探しの旅で見つけた、福岡県・筑前町の「筑前クロダマル」
「自分に合った化粧品を原料から選ぶ」をテーマにする「unito」から今回紹介するのは、「女性ホルモンの乱れによって起こる肌の揺らぎ」に着目した美容液。肌を整える「大豆イソフラボン」や、ハリツヤと保湿をもたらす「アントシアニン」を豊富に含む「黒大豆」に着目しました。そして、最適な原料を探すなかで出合ったのが「新丹波黒」よりもアントシアニン含有量が多いと言われる「筑前クロダマル」。吉田さんはすぐに福岡県・筑前町のクロダマル生産組合代表・興膳さんに会いに行きました。
興膳さんが農業を始めた当時、これといった特産物がなかった筑前町。「自慢の特産品を」と考えて白羽の矢が立ったのが「筑前クロダマル」でした。町を盛り上げるため「筑前クロダマル」の特産物プロジェクトが始動しましたが当初は生産農家も少なく、農地面積も限られていたことから苦労が多かったそうです。
そんな状況を目の当たりにし、微力ながら応援したいという想いが吉田さんの中で高まります。認知度ゼロからのスタートが「unito」と重なって見えたこともあり、「筑前クロダマル」を「コンセプト原料」として採用することを決めました。数ある「筑前クロダマル」の生産農家から、使用させてもらう「筑前クロダマル」の提供をお願いしたのが「むぎわらFARM」です。
「むぎわらFARM」は「楽しく食べて楽しく暮らす」をモットーに、減農薬の特別栽培で「筑前クロダマル」やニンジンを生産しています。自ら生産した野菜を使ったオリジナル食品を開発する傍ら、小学校に農業体験の場を提供するなど、食を通して幸せになる商品づくりを目指しています。
化粧品の原料にマッチした、規格外の筑前クロダマル
筑前町の豊かな大地と確かな栽培技術、心を込めて育成された極大粒の黒大豆「筑前クロダマル」は、手作業で「大・中・小」に仕分けて管理されています。大中サイズの豆は食品や加工品として活用されていますが、小サイズは食用には向かないため管理コストの問題から規格外品として破棄されてしまいます。そこで吉田さんは、「筑前クロダマル」の収穫量が少ない一方で捨てられる規格外品が多いという問題点にフォーカスして商品開発を進めました。
規格外とされる小さい豆は、重量あたりの表面積(皮の割合)が多いため、大きい豆に比べて、皮に含まれるアントシアニンなどの美容成分を多く抽出できます。食品としての規格外品になるものが、化粧品の最適な原料となり、「unito」の16種類目となる美容液【黒大豆イソフラボン(*1)】が誕生しました。
*1 皮脂を整える・ハリツヤ
*2 水はダイズ種子エキスを抽出する際の溶媒として使用しております。希釈などでは使用しておりません。
「unito」は業界と化粧品の垣根を越える
衣食住に本物志向の方が増えたこの時代。身体のために摂る栄養素は、品種、産地、旬、鮮度にこだわる人も増え、それを知り選ぶことができる時代です。「unito」は、日々肌に触れる化粧品が未来の肌をつくると考えます。だからこそ「化粧品を成分で選ぶ」その先へ。生産者や地域、関わるすべてのものに、よりよい循環をもたらすブランドを目指しています。
文・ソトコトオンライン編集部