今年のクリスマスツリー、あなたは何を飾りましたか? きらびやかなオーナメントも素敵ですが、今、京都のあるホテルに飾られているのは、なんと古着。「えっ、古着?」と驚くことなかれ。 そこには、地域の人々の想いと、布を一切傷つけない“優しすぎる”工夫が隠されていました。 見れば誰もが温かい気持ちになる、世界に一つだけのツリーの物語をお届けします。
そのツリー、よく見ると…?
京都・四条烏丸エリアで話題を集めるライフスタイルホテル「ASAI京都四条」。 そのエントランスに、ちょっと変わったクリスマスツリーがお目見えしました。遠目にはカラフルで温かみのあるオブジェ。 しかし近づいてよく見ると、飾られているのはボールでもベルでもなく、色とりどりの「古着」たちです。

実はこれ、地域の人々や宿泊客から提供された「もう着られない衣類」に新たな命を吹き込んだ「サステナブル・クリスマスツリー」。 きらびやかな電飾とは一味違う、布の温もりが訪れる人を優しく出迎えます。
ハサミは使わず「結ぶ」だけ。
このツリーの凄いところは、ただ古着を使っているだけではありません。なんと、衣類を一切裁断していないのです。 通常のリメイクならハサミを入れるところですが、今回はそのまま木のフレームに結びつける手法を採用。

これには、「展示終了後もリサイクル資源として活用できるように」という徹底した配慮が込められています。 さらに、「結ぶ」という行為には、地域とホテル、人と人との「縁を結ぶ」という意味も。 見た目のインパクト以上に、その製作プロセスそのものが美しいアートなのです。
名前の通り「地元と共に生きる」
ホテルの名前「ASAI(アサイ)」は、タイ語で「地元の人と共に生きる」という意味を持ちます。今回のツリーも、12月7日に行われたワークショップで、近隣の住民や子供たちと一緒に作り上げられました。 完成したツリーは12月25日まで展示され、その後は京都市下京区のリサイクル活動へ寄付される予定です。

消費して終わるクリスマスから、繋がり、循環するクリスマスへ。 京都の冬に灯った小さな灯火を見に、ぜひ足を運んでみませんか?


















