アフリカの子どもたちへと、日本の会員からシューズが集まってきます。 「スマイル アフリカ プロジェクト」では、その思いへのお礼としてヒマワリの種を送っていますが、そのヒマワリの花が咲いたと、うれしいお便りをいただくこともしばしばです。
アフリカの子どもたちを思い、日本全国からシューズが集まっています。
「スマイルアフリカ プロジェクト」は、今年9月末までに約9万足ものシューズを日本国内で預かってきた。
そのシューズ寄贈のお礼としてヒマワリの種を会員のみなさまへ送っているが、今年も日本全国の会員から、ヒマワリ開花の知らせが届いている。
学校会員の一校である熊本県の熊本市立託麻原小学校からは、昨年4月の熊本地震の後に咲いたヒマワリの写真が届いた。
「見事なヒマワリの花に癒やされ、子どもたちも笑顔で少しずつ日常に戻っていくことができたように思います」
シューズをきっかけに、日本とアフリカの子どもたちが笑顏になった。
また、埼玉県の三郷市立丹後小学校では児童が当番を決めて花壇のヒマワリに水をやり、見事な花を咲かせてくれた。
初秋には、広島でイベントやシューズ回収を実施。
今年9月22日、プロジェクトはフロントランナーの高橋尚子と共に、広島県呉市にある学校会員の広南学園(呉市立広南小学校・中学校)を訪問した。高橋がスライド写真を使い、シューズを必要とするアフリカの現状を説明した。スラム街に堆積するゴミの山、そこで裸足での生活を余儀なくされる子どもたち、そんな劣悪な環境から感染症を患うリスク……。写真から伝わるアフリカの厳しい現実に、子どもたちの表情は曇る。
「アフリカの子どもたちにとって、シューズは思いっきり走らせてくれるものだけでなく、深刻な病気から守ってくれるものでもあるんです」と、高橋が説明をした。
毎年、日本からのシューズを一人一人の足のサイズに合わせて渡している様子や、活動の中で友達になった、ある男子のエピソードも披露された。
「彼はシューズを大切そうに受け取ってくれました。『僕もナオコ(尚子)みたいにオリンピック選手になる』と、そのシューズで毎日練習し、翌年会った時、シューズは穴が開いてボロボロになっていましたが、大切なシューズなんだと、また見せてくれました」
高橋の話に真剣なまなざしで耳を傾ける児童代表が、アフリカへの思いを新たに、その決意を語ってくれた。
「私たちの活動が少しずつでも広がっていくようにと思います」
同校からは、今回回収した123足のシューズを預った。
その翌日、「ひろしま さとやま未来博2017」と共催する「さとやまスマイルラン with スマイル アフリカ プロジェクト」が広島県・安芸太田町で行われ、会場にはシューズの特別無料回収ブースも設けられた。
同県の大竹市立小方学園の中学陸上部は、小・中学校全体から集めたという53足のシューズを持ち寄ってくれた。この日のために生徒会がプロジェクトを伝えるオリジナルムービーを製作し、集会で呼びかけた成果だという。
引率の顧問の教員は、「この活動を通じて『自分たちは恵まれている』と、子どもたちは感じたと思います」と話してくれた。
イベントに参加した高橋も、シューズへの思いが改めて込み上げていたようだ。
「初めてケニアのスラム街を訪れた時、シューズは足を守るためのものでもあることを教えられましたが、履くと『陸上選手になりたい』という夢も湧いてくるものだと気づかされました」。たかがシューズ、されどシューズだ。