ロシアのウクライナ侵攻と各国の対応。 バイデンの米国、石原慎太郎の逝去。 そして千龝樂の「憂国呆談」。

連載 | 田中康夫と浅田彰の憂国呆談 season2 | 最終回 ロシアのウクライナ侵攻と各国の対応。 バイデンの米国、石原慎太郎の逝去。 そして千龝樂の「憂国呆談」。

2022.04.05

ソトコト』誌上では14年にわたって連載を続けてきた「憂国呆談」が、ついに最終回を迎える。撮影場所は東京・大田区蒲田、京浜急行電鉄「梅屋敷」駅からほど近い「梅森プラットフォーム」。田中さんは車で、浅田さんは電車で、いつものようにやって来て、最近の出来事や、前から気になっていたニュースについて語り始める。日本と世界の行く末を、拳を振り上げることなく、軽やかに語り合う。日本はどこへ行く? 世界はどうなる? 二人の「憂国呆談」は今日も止まらない!

ロシアのウクライナ侵攻、 その背景を考える。 

浅田 ロシアのウクライナ侵攻にはさすがに驚いた。今まではジョージア(旧・グルジア)でもクリミアでもメディアをブラック・アウト状態にしたうえでスピーディな限定的攻撃により勝利してきたのが、今回は大規模すぎてもたもたしてるし、ウクライナ側がSNSを駆使して悲惨な状況を発信したんで、ロシアは世界から総スカン状態に。いずれにせよ、力による一方的な現状変更は容認できない、これは誰もが言うとおり。でも、ウラジーミル・プーチン大統領を叩けば済む話じゃなく、なぜプーチンが出現し、こんな暴挙に至ったのかを振り返っとく必要がある。

まず、ミハイル・ゴルバチョフ元・ソヴィエト連邦書記長のペレストロイカ(改革)をアメリカが経済的に支援せず失敗に追い込んだ。結果、ボリス・エリツィン元・ロシア連邦大統領がソ連を解体し、急激な資本主義化で大混乱に陥った。その混乱を収拾するストロングマンとしてプーチンが登場し、今も強権支配を続けてる。「ゴルバチョフを支援しろと言うお人好しがいたが、結局クーデターで失脚したじゃないか」と現実主義者たちは言うけれど、支援を受けられなかったゴルバチョフが経済破綻で追い込まれ、クーデターに至ったんだからね。そもそもアメリカの「現実主義者」たちは、ペレストロイカの中途半端な成功より、ソ連の壊滅を望んでたわけだし……。で、東欧民主化とドイツ統一のとき『ワルシャワ条約機構(WTO)』に属する東ドイツを『北大西洋条約機構(NATO)』に属する西ドイツが吸収合併するって形をゴルバチョフに認めさせるべく、ロナルド・レーガン元・米大統領の後を継いだジョージ・ブッシュ元・米大統領の名代、ジェイムズ・ベーカー国務長官から「NATOのプレゼンスを東方に拡大することはない」って趣旨の発言があり、ゴルバチョフが承諾した。書面での約束ではないけど、実際はその後NATOが次々に東方に拡大してきたわけで、プーチンが「騙された!」と怒るのにも一理はある。

田中 今回の「侵攻」が認められないのは明々白々。それは大前提。そのうえでわれわれは"脊髄反射"で熱り立つのでなく、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアの東スラヴ地域での「戦争」状態を早期に終結させ、それと同時に同じスラヴ系であるがゆえにロシアを"近親憎悪"的に敵視しがちなほかの隣接国との関係も調整すべきなんだ。

ポーランド、チェコ、スロベニアの首相3人は(ほかの国籍機のウクライナ上空通過をロシア軍が禁じているため)列車で首都キエフ(ウクライナ語ではキーウ)を訪れ、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と面談。支援物資を配給する武装平和維持部隊をNATOが派遣すると大見得を切った。人道的な美談のように日本では報じられたけど、NATO全体の国防相会議は、(EU側への)飛び火を防ぐために数万人規模の部隊を隣接加盟国には派遣するが、ウクライナには航空部隊も地上部隊も配備しないと決定。そりゃそうだ。仮にロシアが空爆したらNATO加盟国のカナダも米国も集団的自衛権で本格参戦する悪夢が訪れる。そもそも西側の軍事同盟NATOに対抗して東側が結成した軍事同盟WTOは東西ドイツ統一の翌年(1991年)に解散したのに、NATOは名称も目的も変更せぬまま存続し続けている。旧態依然たる「冷戦脳」は西側だったと。

浅田 プーチン自身が最初の頃はNATOに入りたいって言ってたんだけど、順番待ちを飛ばす特別扱いを望み、叶えられなかった。入れときゃよかったのに。そのうち情勢が変わり、プーチンは2007年の『ミュンヘン安全保障会議』でNATOの東方拡大を批判。08年の『ブカレストNATO首脳会議』がジョージアとウクライナの将来的加盟で合意すると、ロシアがジョージアの南オセチアとアブハジアに侵攻。14年にウクライナのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ親ロ政権がデモで崩壊すると、ウクライナに侵攻してクリミアを併合し、東部ドンバスでも戦争を継続。対して、ウクライナがNATO加盟を急ぐようになった。

むろん、理論的にはウクライナだってロシアの勢力圏から離れる権利はある──台湾に独立する権利があるように。でも、「地政学的現実」からすると、(エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国はソ連解体のどさくさに紛れてNATOに加盟したものの)フィンランドやスウェーデンですらNATOには入ってないわけで、ウクライナにも「台湾は実質的に独立しているから独立宣言は必要ない」って言う蔡英文総統くらいの智慧は必要だったんじゃないかな。コメディアンだったゼレンスキーはTVドラマの大統領役が人気を博して19年にホントに大統領になっちゃった人で、開戦後は戦時下の大統領を見事に演じてるけど、それまで不用意な言動がなかったとは言えない。14年の侵攻の後のミンスク合意では、ウクライナが地方分権化を進め、東部ドンバスの特別な扱いを法制化する約束になってはいたけど、ウクライナはその約束を無視してきた。

田中 我々の共通の知人でもある一橋大学名誉教授で哲学者の鵜飼哲が、『ニューヨーク・タイムズ紙』的存在なフランスの『ル・モンド紙』の月刊誌『ル・モンド・ディプロマティーク』を援用して興味深い分析をしている。14年にロシアとEUのどちらを取るかの「ユーロ・マイダン革命」でウクライナに誕生した、製菓会社で財を成し造船会社やTV局オーナーでもある「チョコレート王」のペトロ・ポロシェンコ政権下でネオナチが跳梁跋扈し、その状況はユダヤ系のゼレンスキー政権下でも変わらないと。ウクライナ軍以外にも国内での軍事行動を担う内務省直属の国家親衛隊があり、その中のアゾフ連隊は白人至上主義で極右思想なフーリガンをリクルートした集団。そこには数千人の外国人戦闘員も加わっている。

繰り返すけど今回の「侵攻」は断じて認められない。他方、義勇軍の美名の下に第三国から掻き集めた傭兵を最前線で戦わせるウクライナも、シリアで兵士を募集しているロシアも、正規社員と非正規雇用の二極化が進む冷酷無比な経済的新自由主義の構図の中に組み込まれている。

浅田 ちなみに、ドナルド・トランプは米大統領になる前にロシアでホテルやミス・コンテストで稼ぎ、巨額の資金を借り入れた。ヤヌコーヴィチの選挙参謀として荒稼ぎしたポール・マナフォートが16年米大統領選挙でトランプの選挙対策本部長になったのも、驚くには当たらない。19年にもトランプはゼレンスキーに電話して、バイデンの息子がウクライナのガス会社の取締役だった件で腐敗の証拠を見つけろと迫り、圧力をかけるため軍事費援助を停止した。今回の戦争でも「プーチンは天才だ」と発言。「それに対抗できるのはオレのような天才だけで、ジョー・バイデンのような凡才では無理だ」って趣旨だろうけど、対ソ・対ロでタカ派の共和党としてはさすがについていけないんじゃないか。まあ、いまだに「前回の選挙はトランプが勝っていたのにバイデンが不正に当選した」と思ってる共和党支持者が多いんで、楽観はできないけどね。とにかく、トランプは「法律も条約もタテマエに過ぎない、すべてはボス同士の交渉で決まる」と思ってて、その意味ではプーチンと釣り合う。

田中 息子の件でスネに傷を持つバイデンが「プーチンは戦争犯罪人だ」と稚拙な物言いで粋がると、「広島、長崎に原爆投下した米国が説教を垂れる権利はない」とロシア大統領府が反発。さらにオリーブグリーンのアーミーTシャツ姿でオンライン演説に登場したゼレンスキーは「リメンバー・パールハーバー」と述べて米国連邦議会で喝采を浴びる。プーチンと都合27回もトップ会談を行いながら仲介役も果たせず"天井桟敷"に留め置かれ、真珠湾まで引き合いに出されても、「ヒトラー」発言で甲論乙駁な日本へのセカンドレイプだと反論すらできないトホホな我が国。扇動政治家のゼレンスキーは、英国議会でもビデオ中継で「どんな犠牲を払おうともウクライナのために戦い続け、決して降伏しない」と述べ、これも美談になっているけど、先の大戦時の「一億総玉砕」と同じ"危険な薫り"でしょ。

その意味でも脊髄反射な勧善懲悪論を超えて、永世中立国のスイス、オーストリアだけでなくスウェーデン、そしてロシアと国境を接するフィンランドもNATOに入っていない智慧を今一度、思い起こしてほしい。「フィンランディア」は帝政ロシアの圧政に対抗して独立運動が起こった19世紀末にジャン・シベリウスが作曲し、当初は演奏禁止処分となった交響詩。サンタ・クロースの国はそうした歴史の上に立っている。議論されはじめたウクライナの中立化も、太平洋を挟んで向き合う米国と中国の"同時通訳国家"として黒子の「水先案内人=シェルパ外交」を目指すべき日本も学ぶべき智慧。同様に中国のみならず『BRICS』の一員のインドも南アフリカも、さらには親日国のモンゴルもヴェトナムも国連総会のロシア非難決議を棄権したリアル・ポリティックスも踏まえておくべきだ。

なのに、既存の原発の維持管理すら問題山積な日本で、米国との「核シェアリング」議論を加速せよ、と熱る従米・屈米派は少し頭を冷やしたほうがいいね。80もの核弾頭を保有するイスラエルが原子力発電所をあえて持たない狡猾な安全保障の智慧は、きな臭い中近東で原発が標的となる蓋然性の高さを認識しているからだ。

そうして今こそ、マサチューセッツ工科大学で教鞭を執ったユダヤ系DNAの言語哲学者、ノーム・チョムスキーが「9.11」直後に看破した至言「テロとは米国に対する他者の行為であって、どんなに残虐な行為を米国が他者に行っても、それはテロではなく防衛やテロ防止と呼ばれる」を拳拳服膺すべき。アフガニスタンやイラク、シリア、イエメンでの市民の犠牲と白人国家・ウクライナでの犠牲を同列に報じられない世界中のマスコミもね。

国連加盟135か国が国家承認するパレスチナ自治政府をイスラエルが無差別空爆した時、非承認国を理由に具体的手立てを放棄した英仏独伊の指導者は2015年、預言者ムハンマド風刺画を掲載した諷刺新聞『シャルリ・エプド』編集部をイスラム過激派が襲撃した際に、隊列を組んでデモ行進したんだからね。「敵はテロリスト。イスラム教徒ではない」と叫びながら。

浅田 アメリカでも、そういう偽善に対し、巨大な「露悪の塊」としてトランプが登場した。バイデンの論理でそれを打ち負かせるかどうか。

アメリカ議会中間選挙と、 バイデンの運命。

浅田 11月にはアメリカで議会の中間選挙があるけど、民主党は負けるだろうね。バイデンは24年の大統領選挙で再選を目指すって言ってるけど、年齢的にきつい気もする。でも、新自由主義から脱却し、いわば古いケインズ主義をグローバルに、しかも環境問題に配慮して再建しようって方向は、おおむね正しいと思うよ。世界的に法人税の最低税率を決めるとか、脱炭素を進めるとか、グローバル資本主義の暴走をコントロールする方向に持っていこうとしている。

田中 京都のゑびす神社で「人気大寄せ」と呼ばれる縁起物を買った『ソトコト』2015年3月号を読み返していたら、僕はCO2排出と同じく事業活動規模に応じて税額を決める「外形標準課税」を導入すべきと述べ、浅田さんはシンプルに売上高で企業活動の規模を測って課税すればいいと。消費税は導入されても売り上げに対する課税ができていないのが大きな問題。

浅田 新自由主義の時代は大企業や金持ちに対する増税はできないってのがゲームのルールみたいになってた。トニー・ブレア元・英首相にせよ、ビル・クリントン元・米大統領にせよ、だいたいそれに従ってた。対して、バイデンは古いケインズ主義に戻り「あるところから取ろう」と。ビル・ゲイツやウォーレン・バフェットなんかは「もっと取ってくれたらいい」って言ってるわけだから。ただ「一国だけでは成り立たないんでグローバルにやる」と。岸田文雄首相も「新しい資本主義」って言うんだったら多少なりとも中身を言わないとね。

ただ、バイデンも今のアメリカでは、それだけの大転換が難しいって現実に直面してる。彼は29歳で上院議員になってからバラク・オバマ政権の副大統領になるまでずっと上院議員で、上院が紳士のクラブだった時代に超党派の合意を繰り返してきた。それがいまや不可能なんだ。

女性やマイノリティの権利を擁護してきたリベラル派の最高裁判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグが2016年の大統領選挙直前に亡くなったけど、1993年にビル・クリントンの指名した彼女の上院司法委員会での質疑応答の記録映像を見ると、共和党のオーリン・ハッチ議員が「あなたの意見のほとんどに反対だ、しかしあなたのことは尊敬する」と言うのを見て委員長のバイデンが微笑み、全員一致で通過、本会議でも96対3で承認された。現在では絶対に考えられない。ガンの闘病中だった彼女が早めに引退してれば民主党のオバマが後任を指名できたはずなんで、その教訓を踏まえ最近、リベラル派のスティーヴン・ブライヤー判事が引退を表明。バイデンが後任に黒人女性のケタンジ・ブラウン・ジャクソンを指名したけど、まあ51対49くらいで通ればいいとこか。
 
ちなみに、トランプがあれほど不道徳なのに宗教右派が支持する理由のひとつが、米連邦最高裁判事に保守派を指名してきたから。おかげで9人中6人が保守派になってて、ジャクソンが承認されてもバランスは変わらない。だから、人工妊娠中絶も再び非合法化されかけてる。21世紀の話とは思えない。

田中 なのにバイデン政権に名番頭が出てこないところに大きな問題がある。国務長官のアントニー・ブリンケンは今ひとつだし、副大統領のカマラ・ハリスも最近は蓮舫を連想させるしね。

浅田 バイデンが再選を断念してハリスが代わりに出ても大統領選挙に勝てない。

田中 ミット・ロムニーはどう?

浅田 ロムニーは共和党の上院議員でただひとり、トランプの弾劾に賛成して気概を示した。だけど、党内では裏切り者扱い。そういえば、トランプ支持の暴徒が連邦議会議事堂を襲撃した2021年1月6日のクーデター未遂の一周年で、死んだ議会警察官らの追悼式典に議員が集まったけど、共和党からはリズ・チェイニー下院議員と父のディック・チェイニー元・副大統領しか参加しなかった。ディック・チェイニーっていえば、ブッシュ・ジュニアを操ってイラク戦争に突入させた悪の権化。それが共和党でいちばん良識ある人間だってことになってるんだから!

田中 トランプが怖くて参加できないのは、回り回って共和党の弱体化につながる。でも、民主党自体もあんな具合だからね。現在は労働長官のマーティ・ウォルシュが元・ボストン市長だった時代の行政サービスを描いたフレデリック・ワイズマン監督の映画『ボストン市庁舎』が話題を呼んだように、現場の自治体から変えていくしかないと思うよ。

浅田 振り返ってみると、かつての共和党や自民党は一応まともだった。ブッシュ・シニアが訪日し、パーティで宮沢喜一首相の膝にゲロを吐いたことがあるけど、政治的には退屈なくらい安定してた。その宮沢によれば「日本は2大政党制じゃなく、1と2分の1政党制で、自民党が3分の2弱、対して野党が3分の1強で、それがブレーキになって改憲をせずに済んでる」と。ところが今、その構図が完全に崩れ、「維新の会」や国民民主党なんかは改憲に賛成しかねない勢い。危ない状況だね。本来、東西冷戦が終わったんだから、左右2大政党制よりも多党連立のほうがいい。そのためにも、政治資金を透明にしつつ中選挙区制を維持したほうがよかったんだけどな。

田中 それは1994年に小選挙区比例代表並立制の導入が決定し、96年に最初の総選挙が実施された頃から終始一貫、この「憂国呆談」で警告し続けてきた。日本の政治も経済も社会も文化も衰弱、衰退、矮小化した原因は小選挙区制かも。

石原慎太郎が逝去。 そして「憂国呆談」は千龝樂。

浅田 石原慎太郎が2月に亡くなった。田中さんは一橋大学で石原の後輩だね。

田中 2001年に長野県知事として日本外国特派員協会で会見した時に、「あの人はカワード(臆病)だと思います」と答えたのを改めて想い出した。ホテルのラウンジで葉巻を吸おうとした彼に、ボーイが近づけたライターの火がボーッと大きく点火。すると自分が火傷した訳じゃないのに「キミ、失敬だな」と激昂するようなタイプと例え話をした。政界では無二の親友だった亀井静香も「こんなの文学じゃねえ」と『太陽の季節』をからかったら仁王立ちになって酒の入ったコップを持ち上げたが、そのまま下ろしてしまった彼を「ドン・キホーテのような男」だと語っていた。13年半の都知事時代の遺産は、就任した1999年にぶち上げたディーゼル車排ガス規制と2007年スタートの東京マラソンかな。

浅田 小説家としても最低。初期の『完全な遊戯』は、太陽族の若者たちが精神障害の女性を車で拾って好き放題もてあそんだあげく崖から突き落とすってトンデモ小説だけど、それを批評家の江藤淳が褒めてるわけ。「これこそ何の目的もない純粋な遊戯だ」って。冗談じゃない。単に性欲を満たし、マッチョとして女を征服する欲望を満たすのが目的の悪質な犯罪でしょう。『太陽の季節』にしても似たようなもの。しかも、現実にはそういう役を弟・裕次郎に演じさせ、自分は安全地帯から書いてる。単に甘やかされた坊っちゃんがワルぶってるだけ。

田中 それにしても東京都が集めた尖閣諸島購入の寄付金はどこへいっちゃったんだ? ネトウヨは怒るべきでしょ。

浅田 尖閣問題がこれほどこじれた最大の責任は石原にある。

田中 そして、国有地化した当時の首相の野田佳彦だね。

浅田 そう、危険な右翼の知事が尖閣諸島を買って灯台でもつくりかねないから、それを防ぐために国有化するだけだって趣旨を、裏から中国に伝えとくべきだった。でも、事の発端は石原だからね。

さて、2008年1月号から『ソトコト』で続けてきた「憂国呆談」も今回が最終回。初回は豊洲移転問題で紛糾していた築地の卸売市場で撮影したのも懐かしい。

田中 昭和63年・平成元年の1989年に創刊の文藝春秋『CREA』を皮切りに二玄社の『NAVI』、中央公論社時代の『GQ JAPAN』、ダイヤモンド社の『週刊ダイヤモンド』を経て、小黒一三さんが編集長だった頃に『ソトコト』へ河岸を替えて"流浪の連載"33年間。各編集部には大変にお世話になった。今後は講談社のウェブ・マガジン『現代ビジネス』でお目に掛かることになるので、指出一正編集長の『ソトコト』同様に引き続きご愛顧くださいね。

photographs by Hiroshi  Takaoka  text by Kentaro Matsui

記事は雑誌ソトコト2022年5月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。