リモートワーク実施者はPMSの症状が軽い?

リモートワーク実施者はPMSの症状が軽い? 『働く女性ウェルネス白書2022』の内容とは

2022.05.25

ユニクロやGUなどの大手企業の参入もあり、『フェムテック』という言葉が社会的に浸透した2021年。多くの女性にとっても、月経や自分の体について考えるきっかけになったのではないでしょうか? その流れを受けて、3月8日の『国際女性デー』では、女性の健康にまつわるさまざまなイベントや、ブランドのローンチなどニュースが目白押しでした。

中でも、主に丸の内エリアで働く女性300人のアンケートをもとに考察をまとめた、まるのうち保健室(※)『働く女性ウェルネス白書2022』の発表イベントはとても有意義な内容でした。
画期的だったのは、働く女性300人を対象に臨床データも含む健康調査をおこない、さらに全員が経腟超音波検査も受診しているという点。「リモート実施者はPMSが軽い傾向」「丸の内エリアで働く女性のピル使用率は全国の約5倍」など興味深い結果も多く、今後女性がより働きやすくなるための環境作りに、大きく貢献すると感じました。

トークセッションにはお笑い芸人のバービーさんも登壇

このイベントでは、2021年10月に実施した、女性の働きやすい環境実現に向け、女性特有の健康課題にフォーカスした『まるのうち保健室オリジナル健診プログラム』の結果をもとに、主に丸の内エリアで働く女性の健康実態や就労環境との関連性について、『働く女性ウェルネス白書2022』として提言を発表。

後半には、女性の体や性の情報をメディアを通じてオープンに発信し支持を得ている、お笑い芸人のバービーさんもトークセッションに登壇。前半で発表された『働く女性ウェルネス白書2022』の内容を受け、働く女性の視点で、ユーモアを交えながら、独自の考えや意見を語りました。

リモートワーク実施者はPMSの症状が軽い傾向あり

調査結果の中で、一番興味深かったのは、在宅率とPMSの関連性において、在宅勤務中心の勤務体系の女性の方がの症状が軽い傾向にあるということ。また一方で、職場の上司や同僚と日常会話を対面で行う頻度が高い人も、PMSの症状が軽いという結果だったそう。

時短勤務・フレックス制度の利用のしやすさが婦人科疾患のリスクを下げるという可能性もあるようで、リモートと対面のコミュニケーションバランスや、就業時間の自由度が、業務のパフォーマンスと健康状態の維持・向上の双方にとって重要であると読み取れます。各企業の女性の健康についての取り組みに、大いに参考になる結果だと感じました。

ピルの服用率は15%で全国平均の約5倍

ピルの服用率は、全国で2.9%。一方で、主に丸の内エリアで働く女性のピル服用率は、全体で約15%となっており、比べると5倍という結果に。特に20代の服用率が高く、31%でした。

バービーさんもトークセッションでおっしゃっていましたが、「芸能人がYouTube等で『ピルを飲んでいます』と告白すると、数年前まではファンから『私も飲んでいます』といったコメントが殺到することが多かったが、最近は告白しても普通という反応になってきた」のだそう。ピルがより一般的になってきたことが伺えます。

また、「ピルを飲まないと動けない人もいて、そういった人たちの存在が、このピルの服用率の数字の裏返しなのかもしれないですね」というバービーさんの言葉も印象的でした。

女性個々人のリテラシーを高めることが鍵

月経困難症、PMS、不妊症、更年期症状について、症状や対処法に関する理解度の調査では、どの症状においても「症状は知っているが対処法は知らない」と回答した人が最も多いという結果に。

そして、PMSや更年期身体症状を感じている人のうち約4割が「通院経験がない」という回答となりました。また、WEB相談サイトやアプリを使用しているけれど、実際に婦人科を受診するには至らない、という傾向も浮き彫りに。PMSや更年期という言葉が、多く語られるようになってきていますが、まだまだ、自分ごととして知識を得ようとしたり、不調を我慢せずに行動するまでには至っていないのが現状です。

『生理痛が重い=なんらかの疾患がある』という認識を持った方がいい」と、バービーさんも健診の必要性を呼びかけており、女性ひとりひとりのヘルスリテラシーが向上し、小さな不調でも婦人科や病院を抵抗なく受診できる未来につながるよう、“自分の体を知る”ことを、多くの人に実践してほしいと感じました。

『国際女性デー』をきっかけに、ひとりひとりがまずはできることを

昨今、多くの企業が“女性が働きやすい環境づくり”の整備に取り組んでいる中で、“働く女性と健康”について、今まで可視化されなかったものがエビデンスとして示されたことで、現状と課題が浮き彫りになるとともに、その促進に大きな役割を果たすのではないでしょうか。

身体的な性差へ配慮しつつも、文化的な性差はない、そんなより良い社会が実現できるよう、『国際女性デー』をきっかけに、ひとりひとりが、まずはできることから始めていきませんか?

※『まるのうち保健室』
●2014 年より東京・丸の内各所で女性に特化した 健康測定やカウンセリングやイベントを通じて、個人へのヘルスリテラシーの向上を図るとともに、『働く女子 1,000 名白書』を発表するなど、現代の女性の抱える健康課題のリサーチや、忙しい女性の生活習慣づくりのための「新習慣メソッド」を発表する など、社会・環境におけるヘルスリテラシーの向上を目的に活動している。
https://shokumaru.jp/hokenshitsu/

フェムテックtv
株式会社ツインプラネットが運営するフェムテック情報共有サイト。《毎日をイキイキと、自分らしく過ごす》ため、《自分のカラダについての“知らなかった”をなくす》ことを目的に、女性の健康に関するコンテンツを公開しています。
https://femtech.tv/

富田 暁子(とみた・あきこ)●フェッムテックtv編集長/上智大学在学中より編集プロダクションに所属。その後出版社勤務を経て、フリーエディター&ライターとして独立。ファッション誌を中心に書籍、WEB媒体など幅広い分野の編集、ライティングに携わる。一方、ヨガとの出会いが転機となり、ヘルスケア、メンタルケアについて学ぶ。現代女性が抱える心と体の不調を緩和する手助をするべく、本サイト編集長に就任。YOGA VINYASA FLOW TT200/ヨガニドラガイド/アーユルヴェーダ・ヘルスアドバイザー。カレーに熱烈な愛を注ぐ。