北海道・浦幌町の地域おこし協力隊隊員として始めたコスメティックの仕事。ハマナスのこと、コスメのこと、販売のこと、会社のこと、地域のこと。初めて経験するさまざまなことを、自身の学び方で吸収し実践しています。
【学び方の3つのPOINT】
地域の行事に積極的に参加し、そこで役割を得ることが地域を知り、学ぶためには大事。
ただ、化粧水と乳液の違いも知らなかった私ですので、コスメについて一から学ぶ必要がありました。オーガニックコスメの製造を手がけるメーカーの担当者さんから、化粧品の成分や効果・効能、使い方を教わりながら、町の女性の皆さんと一緒に「ハマナスコスメブランディング会議」を開き、浦幌町らしい商品づくりを検討しました。
試作を重ね、約1年半の試行錯誤の末に、天然由来成分にこだわった「ロサ・ルゴサ」が誕生しました。目の前に現れる課題を解決するために学び、トライ&エラーを繰り返しながら、ハマナスのコスメの完成にこぎつけたのです。
さらに、化粧品の8〜9割は水だと知りました。そこで、町内の農園で栽培されているハマナスを手摘みで収穫し、閉校になった学校の理科室で花びらを蒸留し、「ローズウォーター」の製造を始めました。生産工程は、バラの産地で有名なブルガリアの公的な機関がインターネットで発信している情報からも学びました。
販売については、自分が接客を受けることで学びました。コスメ商品の客になったことがなかったので、“お客様目線”を養わなければと、百貨店の催事場で出店されている他店舗の客になって、ブランドの説明や効果・効能、使用感、商品のストーリーなどの伝え方を研究しました。そのとき、「ロサ・ルゴサ」の強みが何かを説明する大事さを学べたと思います。
もう一つ学んだのは地域のことです。「ロサ・ルゴサ」は地域の皆さんの協力がないと誕生しなかったブランドですから、地域との関係性は何よりも大切にしています。どうやって学んだかというと、お祭りや行事など地域のイベントのほぼ全部に参加しました。運営側として何か役割を与えてもらい、名前と顔を覚えてもらったのです。私がどういう人間で何をやっているのか、わかっていただけて、地域のことを教えていただける機会も増えたと思います。
私が代表を務め、「ロサ・ルゴサ」を販売する『ciokay』では今、農園スタッフや催事に出店する際にスポットで働いてくれる仲間が、合わせて10名ほどいますが、さらに地元の雇用の場になれるよう、学びを深めていきたいです。