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場づくり・コミュニティ

営業は日曜日のお昼だけ。メニューはランチ(500円)のみ。人がつながりにぎわう『カフェ日曜さんぽみち』

山﨑 陽弘(やまざき あきひろ)

山﨑 陽弘(やまざき あきひろ)

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北海道の東に位置する、根室管内・別海町(べつかいちょう)。2024年「春の選抜高校野球大会」に町唯一の高校が出場することになり、盛り上がりをみせる町ですが、普段は生乳生産量日本一を誇る酪農業と、鮭・ホタテ・ホッカイシマエビ漁の盛んな漁業が基幹産業の広くて静かな町です。その別海町で「高齢者が自由に出入りできる集いの場」を提供したいと活動しているのが『カフェ日曜さんぽみち』のみなさん。町内に暮らす女性を中心としたグループです。『カフェ日曜さんぽみち』は日曜日のお昼のみ営業で、フードメニューは「ランチ 」(500円)しかありません。それでも、きちんと賑わう憩いの場になっています。それはなぜか? そのワケを紹介します。

目次

寒さに閉ざされてしまう? 別海町の冬の悩みは……

町の東端・野付半島に押し寄せる流氷。オホーツク海の向こうに国後島を望む。流氷が来ると吹く風が冷やされ、寒さが増す。(2024年2月撮影)

2月になると国後島を望む根室海峡に流氷が押し寄せ、美しい冬の絶景をまとう別海町。「町」としては全国第3位の面積を有し、その広さは東京23区よりも広大です。

町の人口は14,100人ほど(2024年2月末現在)。約15年前からこの町に住む私も、その1人です。「人の約8倍、牛のいる町」として紹介されることもある別海町ですが、若い世代の都市部への流出と、それに伴う高齢化の悩みはほかの町と変わりません。

特に冬は最低気温がマイナス20度を越え、寒さの厳しい日が続く別海町。平成のはじめにJRが廃線となり、唯一の公共交通機関であるバスも2023年秋に減便と区間廃止がありました。移動手段に不安がある高齢者が、引きこもりを余儀なくされる問題が表面化しています。

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