小学校の講師という夢を叶えた日高優子さんは、算数の授業で分数の理解につまずく子どもがいるのを見て「一人で問題を解くのは難しいだろうな」と感じた。それを解決するため、なんと宿題をする寺子屋を自宅で開き、夕方、子どもたちに教えはじめる。学習カルタを使えば、小学1年生でも歴史をたやすく覚える姿を見て、「ゲームにすれば苦ではないんだ。分数が苦手な子が遊びながら学べるカードゲームを!」と考えた。
日高さんは生徒たちと試作品で実際に遊び、意見を聞いてルールづくりなどを行い、約3年をかけて2016年に完成させた。さらに、それを広めるために起業までしたのだから脱帽してしまう。「カードが残り一枚になったとき『分数大好き!』と気持ちをこめて叫ぶルールをつくりました。そう言うことで苦手意識を乗り越えてほしいですし、『大好き』という言葉が世界に広まってほしいとも思っています」。大きな愛情と行動力の結晶だ。
\ここがオススメ/
コミュニケーションのツールにもなる。
「デートで7時間遊び続けた」という人たちがいたのだそう! トランプのようにババ抜きや神経衰弱で遊ぶこともできる。
分数大好き
「分数が苦手な子がそれを克服してほしい」と願った日高さんが考案した算数カードゲーム。遊び方は、通分になる組み合わせのカードや約分して同じ分数になるカードはまとめて捨てられ、手札が早くなくなると勝利。7歳以上の2〜10人で遊ぶことができる。分数が分からない人や外国人と遊ぶことも可能。オンラインショップのほか、『東急ハンズ』の池袋店、広島店などで販売中。●2160円(分数大好き www.bunsu-daisuki.jp)