島根県の県庁所在地、松江市。建てられた当時の姿で残る天守が国宝に指定された、松江城を擁する城下町です。出雲神話に基づく古代からの文化と城下町文化が共存し、また宍道湖や中海に代表される自然が豊かな素晴らしい街です。僕は仕事の関係で約5年暮らしたことがありますが、今でも忘れられない大好きな街です。



松江市の花は「椿」と「牡丹」だそうですが、僕は個人的に「桜のまち」でもあると思っています。市内には松江城だけでなく、日本海沿いのチェリーロードなど様々な桜の名所があり、それぞれがとても美しいです。



そのひとつに、玉湯川・玉造温泉街の桜並木があり、それについて書いていこうと思います。
玉造温泉は山陰地方を代表する温泉で、その歴史は約1300年前、奈良時代にまで遡ります。「出雲国風土記」に「一度入ると容姿が美しくなり、再び入れば万病が治る」と書かれたほど効能が高いとされています。今でも美肌の湯として知られ、ある化粧品メーカーの研究では、成分は化粧水に近いという結果が出ました。(それを活かし、スキンケアグッズの開発・販売まで始まりました。)
玉湯川沿いに温泉街が広がり、十数軒の旅館やホテルが川沿いに並んで建っているほか、日帰り入浴施設「ゆ~ゆ」があり、川のすぐそばには足湯もあります。かつては職場の慰安旅行などの団体客主体であり、今でもカニの季節を中心にツアー客の方々が来られますが、10年くらい前からは個人客または少人数グループ向けの集客にも力を入れています。特に女性が楽しめるような工夫が温泉街のあちこちにみられます。





「姫神さまのふりぃぺーぱー」という無料情報誌が発行されており、そこには温泉旅館や足湯はもちろん、バラエティーに富んだ飲食店(出雲そば、地元食材を使った寿司やステーキなど)やスイーツ、お土産物屋、その他観光スポットの情報がたくさん詰まっていて、読むだけでも楽しく、読みながらの散策はなおさら楽しいものです。

ここにはたくさんの桜が植えられており、春には満開の桜が温泉客を楽しませてくれます。昼間の桜ももちろん美しいのですが、夜桜がより魅力的だと思います。川のせせらぎの音を聴き、湯けむりを浴び、街灯に照らされた満開の夜桜を見ながら散策する。優しくも、幻想的であり何かのパワーを感じる時間です。僕はなぜか、変化を迎えたときにここに呼び寄せられたのですが、そんなタイミングでこの桜を見ると癒されるだけでなくそっと背中を押されたような感覚になりました。









この記事を読んでくださった皆さんがおられる地域では、桜の見ごろは過ぎた頃でしょうか。それとも、ちょうど見ごろか、まだこれからでしょうか。皆さんが好きな桜スポットも教えていただけたらと思います。