高知市と南国市の境目あたりに十市(とおち)という場所があります。
そこには比較的大きな野池があり、正式には石鎚池ですが通称・十市の池と呼ばれています。
この池にはルアー釣りの対象であるブラックバス・ライギョ・ブルーギル・ナマズ等が住んでおり、高知市近郊の釣り場として知られています。
この池はむかし、古池とその周りに田んぼが広がっていたと聞きますが、今は田んぼの部分にも水があり、浅場が広がっています。

そして、20年ほど前までその田んぼのあった浅い部分は、夏になると水面が見えないほどハスが茂り、6月ごろからは綺麗な花が咲いて美しい光景が広がっていました。
ハスの葉の下には水生植物も繁茂し、エビや小魚も多く住み、時には希少なマミズクラゲも発生したりして豊かな生態系が形成されていました。
しかしある年、大きな台風が高知を襲い、大雨が降った関係で十市の池は増水して、水位が普段より1mも上がったことがありました。これにより、ハスは完全に水没し、その後枯れてしまいました。
バス釣り、ライギョ釣りをされる方にはお分かりと思いますが、ハスの際や葉の上でルアーを動かすと、すごい音や水柱と共に魚が食いつき、それはスリリングな釣りが楽しめました。そして、水生植物が豊かでエサとなる小動物も多いため、魚は大きく育ち、それはそれは見事なものでした。

枯れてしまったハスを復活させようと、釣り仲間が、この池で採れたハスの実を自宅で発芽させ、しばらく大きくなったところで移植を試みたりもしましたが、なかなか思うように定着してくれません。
ハスが枯れてなくなると、釣はしやすくなりますが、そのスリリングさと言いますか、ワクワク感といったものがいったん薄れてしまいました。
それでも、次の夏からはハスに代わってヒシが水面を覆うようになり、これも楽しい釣りが展開できたものですね。

ある年からはホテイアオイも茂りだし、ホテイの島ができたり、水面の多くを覆うにまでになったこともありました。
しかし、昨年(2024年)と今年は、夏の酷暑により水温が異常に高くなり、ヒシモが枯れてなくなってしまうということが起きました。こうなると、岸近くに魚が隠れる場所がほとんどなくなってしまい、魚も減ったように思います。


十市の池の変遷を追うことで、自然の強さ、はかなさを知ることができました。
私はブラックバス釣りが好きなので、一方的な外来種排除の考え方や動きには違和感を覚える者ですが、在来種も外来種も、もっと大きな自然の力の前ではなすすべなく盛衰が訪れるものなのだなと思ってしまいます。


<おわりに>
十市の池では奇数月の最終日曜にもう20年近く清掃活動が続けられています。釣り人、地域の人、県土木事務所も巻き込んで確実に継続されている活動です。このように、小さくても着実な努力もこの池を少しは守っていると信じています。


















