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サスティナビリティ

東京学芸大学附属国際中等教育学校 ソーシャルアクションチームが選ぶ、SDGsと地球環境に触れる本5冊

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多彩なプロジェクトを立ち上げ、楽しみながら社会・環境問題の解決策を考え、取り組んでいる中学・高校生たち。彼らはどんな本から活動のヒントを得ているのだろうか? ソーシャルアクションチームに所属する5人に、それぞれの視点から本を選んでもらった。

東京学芸大学附属国際中等教育学校 ソーシャルアクションチームが選ぶ、SDGsと地球環境に触れる本5冊

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(左上から時計回りに)2.『ポリぶくろ、1まい、すてた』/1.『ひとりの力を信じよう ─「今あるもの」で人と地域の未来をつくる』/3.『ちいさな こえが みらいを かえる!』/4.『夏を拾いに』/5.『WE HAVE A DREAM ─201 Countries 201 Dreams with Sustainable Development Goals』 
 ソーシャルアクションチームの岡凛奈(高2)、一森桜子(中3)、植竹ターナースミ(中3)、三木庸平(中2)、辻野まなカロリナ(中2)です。私たちは「中高生が参画しやすい社会を創るために中高生のモデルとなる」をミッションに、地域創生、寄付、教育支援、環境の4つのチームに分かれ、イベント開催やプロジェクトの企画・運営などに挑戦しています。環境チームは昨年、日本の森の問題を身近に感じてもらうために、国産材からできた「木糸」でハンカチをつくるプロジェクトを立ち上げました。クラウドファンディングで資金を集め、現在、コンテストで選んだデザインをもとにハンカチの製作を進めています。

 私たちは顧問の藤木正史先生から言われた「思ったら行動する」ということを大切にしているのですが、それを改めて感じさせてくれた本が『ひとりの力を信じよう』です。これは、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県の雄勝町の復興、地域おこしの立役者となった立花貴さんが書いた本です。立花さんは支援活動をきっかけに住民票を雄勝町に移し、土地の魅力を伝える「雄勝アカデミー」や漁師の会社を設立しました。読み進めながら、普通なら5年以上かかりそうなことを1年で実現している立花さんの行動力に、終始圧倒されました。「何か行動を起こしてみようかな」と思っている人に、ぜひ読んでほしいです。

 私たちと同世代、もしくは小学生におすすめしたい『ポリぶくろ、1まい、すてた』は、アフリカのガンビアという国での実話をもとにした絵本です。政府が処理できないために道端に捨てられ、山積みになっていくポリ袋。それを見てポリ袋を細い糸にして財布をつくることを思いつき、仲間と一緒にたくさんつくり販売して、ゴミの山を小さくし、村の環境をよくしたアイサトさんという女性の活動を伝えています。ポリ袋の環境への影響は、学校の授業でも学んだ身近なテーマなので、いろいろ考えさせられました。誰かに頼るのではなく、自分からアクションを起こしたアイサトさんの姿勢を見習いたいです。

 社会・環境問題は課題が大きすぎて何もできないのでは……と感じがちです。でも、私たちはそこで立ち止まらず、意見を言う、アイデアを出し合う、分からないことは聞く、そして何かしらのアクションを起こすということを大切にしています。中学・高校生が未来のことを考え、行動するのが「当たり前」になる世の中を目指し、今後も活動を続けていきます。

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東京学芸大学附属国際中等教育学校の中学1年生から高校2年生まで約40名からなる部活。自らアイデアを出し、地域創生やケニアでの女子教育の支援、同世代への環境問題の発信、子ども向けの寄付教育などのプロジェクトを立ち上げ、進めている。
photographs by Yuichi Maruya text by Miho Soga
記事は雑誌ソトコト2021年9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

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