農・漁業家/『しろいしもり』代表|森

農・漁業家/『しろいしもり』代表|森 卓也さんが選ぶ、道の駅をつくる本5冊

2021.11.19

佐賀県・白石町で農家と漁業を行いながら、地域と農海産物のよさを伝えるために日々奮闘している森卓也さん。農・漁業家として、地域を愛する地元民として、生産者や道の駅に携わる人に読んでもらいたい5冊をセレクトしてもらった。

森 卓也さんが選ぶ、道の駅をつくる本5冊

(左上から時計回りに)1.『センスは知識からはじまる』/2.『都市と地方をかきまぜる ─「食べる通信」の奇跡』/3.『経営とデザインの幸せな関係』/4.『すべてのビジネスに、日本らしさを。』/5.『ゼロ秒思考 ─頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』 

 自衛隊を辞めて家業の農業と漁業を継いで今年で8年目になります。以前は地元の道の駅にお米と海苔を卸していましたが、今は昨年立ち上げた『しろいしもり』のブランディングに力を入れるために一旦休止しています。僕が道の駅でも、『しろいしもり』でもやりたいのは、白石町のよさを伝えていくということ。農業が盛んな町なので、みんなすごくいいものをつくっているのですが、その価値を伝えきれていないところがあり、もったいないと感じています。だからこそ、自分が情報発信を積極的にしなければならないと思い行動しているところです。とはいえ僕自身も、経験と知識が足りない部分が多く、どうすればいいのか手探りの状態。そんなときに助けになったのが、今回紹介する本です。

 まず、『しろいしもり』のWebサイトをつくる際に、それまで縁のなかったデザインのことを知りたくて手に取ったのが、水野学さんの著書『センスは知識からはじまる』です。くまモンのアートディレクションなどさまざまな仕事をしている水野さんならではの、「センスの磨き方」が書かれています。デザインに直結する話ではないですが、センスの話からその一端はわかるようになった気がします。また、日頃から「いいデザインのものを見よう」と意識をするようになりました。農・漁業家は生産することに一生懸命でデザインに関心がないことも多いのですが、そういう人にこそ読んでもらいたい一冊です。

『都市と地方をかきまぜる』は、『東北食べる通信』の編集長で、『日本食べる通信リーグ』の代表理事である高橋博之さんの講演会に行ったことがきっかけで興味を持ち読み始めました。『食べる通信』の話はもちろん、都市と地方の関係性や第一次産業についても言及していて読み応えがあります。僕はいつも農作物や海苔が食卓に並んだときに、生産者の顔が浮かんだり、会話の一部になったりするといいなと、思っているのですが、まさにそのひとつの理想形が『食べる通信』だったのです。これから白石町の農海産物を通じて都市とこの町を関係人口で結び、第二のふるさとのような存在にしていけたらと思っています。

 こうした本を読み、白石の道の駅でもできることはまだたくさんあるなと感じています。人が集まる場所には独特の雰囲気があります。それは道の駅も同じです。白石町らしさをもっと多くの人に伝えるために、これからも動いていきます。

もり・たくや●生まれ育った佐賀県・白石町にて、兄弟で米などの農作物と、海苔の生産を行う農・漁業家。2020年7月、「食べること生産することが隣り合う仲間のようにつながっている」がコンセプトの農海産物のブランド『しろいしもり』を立ち上げた。

photographs by Yuichi Maruya text by Ikumi Tsubone

記事は雑誌ソトコト2021年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。