ロフトとソトコトがコラボレーションし、「日本のうまいコト、いいコト」をテーマに展開する「ロフコト雑貨店」の第一弾が、渋谷ロフト、銀座ロフト両店舗にて、4月19日(火)〜5月15日(日)に開催されます。
「ロフコト雑貨店」は、全国各地から集結したストーリーのある「うまいコト、いいコト」を提案する雑貨店。第一弾の特集は「お茶」。
様々なストーリーが紡ぐドラマのような空間で、「なにか楽しいコト」に出会っていただければ・・・。そんな仕掛け人たちの想いをお届けします。
ソトコトNEWS ソトコトと一緒に「ロフコト雑貨店」を開催することになった背景を教えてください。
ロフト安藤社長(以下、安藤) ロフトは「雑貨のチカラで、暮らしと地球をしあわせに。」というスローガンを掲げ、「ロフトグリーンプロジェクト」を2021年11月からスタートしています。環境に配慮した店舗運営を少しずつ取り入れていますが、真面目なだけではロフトらしくない。「無駄」「余白」と呼ばれるような言葉が雑貨の付加価値のひとつです。「楽しく快適、だけどサステナブル」なロフトらしい暮らし方の提案ができないかと常々考えていました。そんな時にソトコトさんと出会い、両社の想いが融合した面白い企画になるなとピンときたのです。
地方との強いネットワークを持つソトコトさんの力をお借りして、地方が持つ魅力をメディアとリアルな売り場の両方でお客様に知っていただければと思っています。
ソトコトの大久保社長が「関係人口」と言う言葉をもじって、ソトコトは「関係案内所」になるとおっしゃった時に「これだ!」と思いましたね。ロフトは創業して30年以上となりますが、世の中の価値観が変わっていくなか、この考え方が変化を捉えるチャンスだと感じました。新しいステークホルダーと新たな関係を築いていけそうだ、というのがソトコトさんとのコラボレーションを決めた最大の理由です。
安藤 ロフトは渋谷や銀座のような大型店だけでなく、地方に標準店と呼ばれる300坪くらいの店舗があります。広さの制限もあるので、従前は本社が決めた商品を販売していたのですが、それでは物足りなくなってきたんです。それに、その地域のものをそこに住む方に販売しても意味がないのではと思ったりもしました。
でも実際に地域の商品を店舗に並べてみると、「東京発であり最新トレンドのロフトが地元の商品を扱っている」と、郷土愛をくすぐられ、地元愛を自慢したくなるような感覚を持ってくださることがわかりました。お客様だけでなく店舗で働くメンバーにも、同じく誇りのようなものが強くなってきていると感じました。
執行役員 営業企画部 部長 掛井氏(以下、掛井) あとは、やはりコロナ禍において海外でのバイイングができなくなり、国内に目を向けるきっかけになったことも大きいです。そこにSDGsの考えが相まって、できるだけエネルギーを使わない地産地消の大切さをより強く実感しました。ひるがえってお客様の目線で考えると、地方になかなか旅行に行くことができなくなってしまった。
それなら、それをロフトが都心部で提案していこうじゃないか、と。雑貨は生活必需品ではありません。しかし生活を楽しむためには必要なものです。まだまだ知られていない地方の宝の山をお客様が見つけるお手伝いをする、それが我々の仕事だと思っています。
安藤 「食」を考えた時、生産背景や環境に想いを巡らせていくと、やはり地方の資源の豊かさや文化に目がいきます。食べ物だけを追求するのではなく、昔から日本人が大切にしてきた食文化のなかで、職人さんが築かれてきた道具や器も掘り起こしていきたいと思っています。
昔キューバにバイイングに行った時、シガーの木箱に貼ってあるラベルがとてもおしゃれで、そのラベルだけを譲ってもらい、額に入れて販売したことがありました。そんな視点を取り入れて、地方の「食」を見つけていければいいな、と。
銀座ロフト次長 田中氏(以下、田中) 銀座ロフトは、メインフロア(1F)で「食」を展開をしたロフト初の店舗です。やってみてわかったのは、「食」を通して生まれるコミュニケーションの豊かさ。実は1Fの食フロアは、他のフロアよりもお客様の満足度が非常に高いのです。その理由を考えてみると、おそらく社内のメンバーの「楽しい」が一番伝わっているからかなと感じています。
雑貨は全てを試すのはなかなか難しいけれど、食品は全員が必ず試しています。自分が食べて美味しいと思ったものはお客様に提案したくなるもの。だからみんなで食べて、意見を交換して、そこにまず社員間のコミュニケーションが生まれ、その楽しさがお客様に伝わっているのではないかと思っています。
今回、地域と連動を深めることでより巻き込む人が増え、より多くの方の「楽しい」が伝わっていくのではと期待しています。
ソトコトNEWS 「食」のなかでも、第一弾として「お茶」を選んだのはなぜでしょう?
八木 都心の旗艦店で扱うことを考えた時、一番汎用性があり、一番身近であるものがいいと思いました。しかしコーヒーやビールはすでにブームになっていて、それをロフトがやる意味を考えるとあまりピンと来なかった。古来から身近なものはなんだろうと考えていた時、ちょうど開催時期が新茶の季節だったこともあり、「あ、お茶だな」と。
渋谷ロフト次長 江田氏(以下、江田) そうなんですよね、今すごくコーヒーが流行っていますが、あえてそこで「お茶」を選ぶのがロフトらしい。コーヒーでは差別化にならないですしね。
田中 でもやっぱり「お茶」って、見た目が地味なんですよね(笑)。それをどうやっておもしろく、楽しい売り場を作るのか、それがロフトらしさにつながるのだと思います。
掛井 私も最初「え?お茶?」と思いました(笑)。でもキックオフしてみんなでお茶にまつわるものを集め始めるうち、今回ご協力いただいている日本茶インストラクターのたかつまことさんと出会ったんです。彼は日本茶の新しい楽しみ方を考える活動や、映画『ごちそう茶事』のプロデュース、「三煎目ラジオ」のパーソナリティなども務めています。そこからどんどん「お茶」ネットワークが繋がっていきました。若い方が「お茶」の魅力をこんなに発信しているんだと知りました。出会いが出会いを呼び、面白いものが生まれています。
ソトコトNEWS 出会いを生む「お茶」ですね!ワクワクします。「ロフコト雑貨店」はお客様にとってどんな場所であってほしいですか?
掛井 ソトコトさんは、読者に考える選択肢を与えるメディアだと思っています。「ロフコト雑貨店」は、ソトコトの店舗版のような空間でありたい。楽しさやうんちくが詰まっているかどうかが、商品の付加価値だと思っています。急須でお茶を入れる人は少なくなってきたけれど、日本が育てた独自のお茶文化をお伝えしていきたいですね。リアルな場で、ストーリーを感じてもらいたいです。
田中 今はお店に入れば無料でお茶が出てきますし、お茶はペットボトルで飲む時代。無意識に消費している方も多いのではないかと。でも「この人たちがこうやって作っているんだ。だからこの価格なんだ。」と言うのを知り、意識を持ってお茶を選ぶことに繋がれば、私たちが「地方」×「食」を取り上げる意義があるのかなと思っています。
八木 正統派の生産者さんから、ちょっと邪道と思われるような遊び心のある作り手さんまで、ロフトならではの特集になっています。今回は「お茶」ですが、「ロフコト雑貨店」はそれで終わりではありません。「お茶というドラマの次はなんだろう?」と期待していただけるような面白さを作り出せればと思っています。
安藤 ソトコトさんとロフトが一緒になって、「こんな視点でものを集めると楽しくない?」という提案をしています。そこに共感し、楽しんでいただき、欲しいものが見つかることで、生活が豊かになるお手伝いができればうれしいです。
小冊子をお手に取り、店頭へ足を運んでみませんか?
たくさんのストーリーが詰まった空間で、生活がちょっぴり楽しくなる「お茶」との出会いがありますように。