この傘、よく見てほしい。芯になる中棒と持ち手の間や、中棒と生地を斜めにつないで支える受け骨と呼ばれる部分をはじめ、金属製の部品が一切使われていない。オールプラスチックの新しい傘「+TIC(プラスチック)」だ。製作・販売をしている『サエラ』はビニール傘が大量に消費されていることを危惧し、2006年に「継続して使えるものを」と開発をスタート。そこから実に10年以上の歳月をかけて、2016年に完成した。
ブランドマネージャーの山田敦さんは「傘はいろいろなパーツで構成され、素材ごとに廃棄方法が違います。素材別に分解する施設がある自治体とない自治体があり、分解できない場合、実は埋め立て処分されているんです。だからこそ丈夫で長く使え、かつ単一の素材で処理しやすいものをつくりました」と話す。傘を回収してすべてリサイクルするための取り組みも実験中だ。もうすぐ梅雨。今年からは、サスティナブルな傘を選びたい。
+TIC
すべてプラスチックでできた傘。握りやすい太さの持ち手など、洗練されたデザインはプロダクトデザイナーの柴田文江さんが担当。生地の張力で傘がとまる構造で、スーッと引っかからずに開け閉めできる。持ち手についたヒモは伸縮する。10色を展開。オンラインショップのほか雑貨店などでも販売中。●3780円(サエラ www.caetlaltd.co.jp)
\ここがオススメ/
自分で傘の生地を張り替えることができる!
別売りされている生地を使えば、自分で生地の張り替えができる。生地が破れたり、デザインを変えたいとき、簡単に変えられる。