MENU

サスティナビリティ

「黄ばんだ白Tシャツが漆黒に生まれ変わる!」クローゼットに眠る服を“染め直し”でサステナブルな一着に「somete」

  • URLをコピーしました!

年間50万トンもの衣類が廃棄される日本で、新しいアップサイクルの形が注目を集めている。着なくなった大切な服を、全国40の染色工房の職人技で”好きな色”に染め直してくれるプラットフォーム「somete」が、ファッション業界に革命を起こそうとしている。

目次

「もう着ないかも…」その服、捨てる前に考えてみてほしい

クローゼットを開けるたび、目に入るあの服たち。「お気に入りの純白のシャツが黄ばんでしまった」「プレゼントしてもらった服が色あせてしまった」「フリマアプリに出品している服がなかなか売れない」。そんな経験、きっと誰にでもあるはず。

環境省によると「クローゼットに眠る服は1人当たり25着くらいある」というデータもあり、思い入れのある服が「着ない服」として固定化されてしまう現実がある。そして日本では年間に50万トン、1日換算ではトラック130台分の服が捨てられているという衝撃的な事実も。

そんな中、新しいアップサイクルの選択肢として注目されているのが、服の「染め直し」サービス「somete(ソメテ)」だ。

全国40の工房と連携、職人技で服が生まれ変わる

「somete」は、クローゼットの中に眠る思い入れのある服の”染め直し”を連携する全国約40の染色クリエイターや工房などに依頼できるアップサイクルプラットフォームだ。

運営する株式会社PlayBlueの代表・青野祐治さんは、元々ローカルメディアの運営をしていたが、藍染職人さんへのインタビューで職人さんの後継者不足を知り、そこにファッションロス、服の廃棄問題という二つの社会課題を「染め直したい」という思いから、このサービスを立ち上げたという。

伝統技術とフードロス削減が出会う染め直し

someteの魅力は、その染色技術の多様性にある。伝統技術を守ることや、廃棄素材を有効活用することで、大切な洋服の可能性を引き出すのが特徴だ。

例えば

藍染め・インディゴ染め – 日本を象徴する伝統工芸「藍染め」や「インディゴ染め」により、あなたの大切な服を藍色に染め直し

珈琲染め – 廃棄されるはずだった珈琲の捨てがらを使用した「珈琲染め」により、あなたの大切な服を珈琲色に染め直し、フードロス削減にもちょっとだけ貢献

お茶染め – 廃棄されるはずだった静岡産の茶葉を使用した、「お茶染め」により、あなたの大切な服を鈍色に染め直し

黒紋付染め– 着物の染めに用いられる「黒紋付染め」という技法により、あなたの大切な服を漆黒に染め直し

価格は技術によって異なるが、4000円から1万円ぐらいが相場となっている。初回利用者には「染めガチャ」キャンペーンでお試し価格(税込3,300円〜)にて染め直しを体験できる。

利用者の声「もう着ないと思った服が復活」

実際にsometeを利用した人たちからは、感動の声が続々と届いている。

「真っ白のTシャツを大好きなブラックに染めました。自分好みの色に染めることで、また新しい気持ちで着られることが嬉しいです」

「もう着ないだろうと思っていた服が、良い感じになって復活。襟の汚れが気になる白いTシャツが、珈琲染めでお洒落に仕上がりました」

特に印象的なのは、思い出の服との再会を果たしたケース。「10年前に父がプレゼントしてくれた白シャツ。くたびれてきて着ていませんでしたが、染め直したことで当時の思い出も蘇りました」という声もある。

利用方法は簡単、フリマアプリ感覚で

サービスの利用方法は意外にシンプル。サイト上で色をお選びいただき、チケットをご購入いただいた後は、お洋服を封筒・ショップバッグ・ダンボールなどに梱包いただいて、発送してください。検品、染め直しを経て1カ月〜2カ月程度でご自宅へお送りできますという流れだ。

フリマアプリで売れ残っている服や、リユースショップで値がつかなかった服も、染め直しによって愛着のある一着として蘇る可能性がある。

サステナブルな社会への貢献と文化継承

someteが目指すのは、単なるファッションサービスを超えた社会課題の解決だ。目的のひとつは、失われつつある染めという技術の「文化継承」。もうひとつは、家庭のアパレルロス削減を通じた持続可能な地球環境の実現への貢献にある。

興味深いのは、企業よりも家庭から出る廃棄衣類のほうが、圧倒的に量が多いという事実。日本の家庭で廃棄される衣類は、年間約50万トン。つまり30億着にもなるのだ。

someteの根本的な思想は「多様性の尊重」にあると青野さんは語る。人それぞれ好きな色もあるし、何かそういうものをしっかり受け止めて、好きな色にしていただくっていうのも、サービスの根本的な思想なのだという。

海外展開も視野に、ジャパンカルチャーとして

今後の展開として注目されるのが、インバウンド観光客向けのサービス。国内の民泊事業者と連携し、滞在者に染め直しサービスを利用してもらい、”ジャパンカルチャー”と旅行の思い出を持ち帰っていただくようなサービスを企画中だという。

日本の伝統的な染色技術が、世界の服の廃棄問題解決に貢献する可能性も秘めている。

クローゼットの服が、新しいストーリーの始まり

「大切な一着とあなただけのカラフルなストーリーをはじめよう」というsometeのメッセージは、単に服を染め直すだけでなく、私たちと服との関係性を見直すきっかけを与えてくれる。

衣替えの季節、クローゼットを整理しながら「もう着ないかも」と思った服があったら、捨てる前にsometeという選択肢を思い出してみてほしい。黄ばんだ白シャツが漆黒に、色あせたお気に入りが鮮やかな藍色に。あなたの大切な服が、職人の手によって新しい命を吹き込まれ、また長く愛用できる一着として生まれ変わるかもしれない。

服を染め直すという選択は、個人のファッションライフを豊かにするだけでなく、環境問題や伝統文化継承という社会課題の解決にもつながる。この小さな一歩が、サステナブルな未来への大きな変化の始まりになるのだ。

somete 公式サイト: https://somete.jp 

X:https://x.com/somete_jp

instagram:https://www.instagram.com/somete_jp/

価格: 3,980円〜(染めガチャ:3,300円〜)

染め直し期間: 1〜2カ月程度

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね
  • URLをコピーしました!

関連記事