近年注目を集めるノンアルコールドリンク。発酵を途中で止めるなどしてアルコールを抑える製法や、お酒からアルコール分だけを取り除く製法でつくられているが、お酒と比べると香りや味わいが薄く料理とのペアリングには向かないものがまだまだ多い。
食のクリエイティブプロダクション『TETOTETO』代表であり料理人でもある井上豪希さんは、お酒特有の重層的な風味を分析し、食材の組み合わせによって再構築する新しい製法を確立した。果物やハーブを漬け込むことで香りを、発酵過程で生成される酒石酸や乳酸を添加することで味わいを、ときには昆布を入れることで赤ワインのような重みのあるテクスチャーを再現。完成したものが好評だったことから製品化した。それが“オルタナティブアルコールドリンク”「Non-Alchemist」だ。
ノンアルコールなのにアルコールのような深みがあり、料理と組み合わせると新しい味わいが生まれる。お酒が好きだけど妊娠中などの理由で飲めない、そんな方に贈ると喜ばれるはず。
Non-Alchemist チロリペカ、ヴァンクリフ
photographs by Jiro Matsushita text by Emiko Hida
記事は雑誌ソトコト2024年5月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。