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ソトコトペンクラブ

若者よ、都会と田舎のどちらが暮らしやすいかは、30歳くらいで決めればいい

永井弘朗

永井弘朗

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どうも、千葉県南部で便利屋をしている人です。前回は『1年分のキノコを採って食って遊ぶ話 』というのを書かせてもらいましたが、その記事の「アンドンタケ」について千葉県立中央博物館の方に発見場所の報告を行いました。やはり極めて貴重なものだったらしく、そのキノコに巡り合えたことをうれしく思うと同時に、次からは背景に自分の顔を入れて撮影するかなと、ちょっとだけ思ってしまったりと、やや自己主張をしてみたくなってきている今日この頃。そんなこと言ってないで面白いこと書けよ昼行燈(ひるあんどん)と、内から心の声が聞こえてきましたのでそろそろ本題にいこうと思います。

目次

とある大学のゼミにゲストで呼ばれまして…

10月月上旬のこと、ひょんなことから友人の紹介で「田舎の現状を若者に話してほしい」とお誘いを受け、「チピチピチャパチャパ」のスペイン語を勉強中の女子大学生グループと大学教授、ナビゲーター2名と、「なんでも屋」として感じている田舎の話、どんな仕事をしてるのかという話、ぶっちゃけ稼げるの? 生活できるの? という話などをしてきました。

「稼げるかどうかはその人次第」と言いきれれば楽なのですが、この話には「生きてくためには田舎と都会、どちらがいいのか?」というニュアンスも含んでいて、一瞬、回答に詰まってしまいました。

ぶっちゃけ、20代女子が振り向くような田舎の魅力を話すのは田舎生活ガチ勢の俺には荷が重い。童心に帰って「Dubidubidu(ドゥビドゥビドゥ)」とか言ってお茶を濁したかったわい!!

※猫ミームのあの曲の元ネタはスペイン語という高度なボケに気付いた人はいるだろうか…。

と、いつもの調子ですみませんが、真面目な話「仕事=生活」 で考えると、田舎はホワイトカラーな仕事(一般事務 経理 営業など)は少ない。どちらかというとインフラ関係などのブルーカラー(作業員・技術者など)の求人が多い傾向はあります。

観光地ならばホテルスタッフや飲食店の求人もあるが、パートタイマーの仕事が多いので地元民向けな感じだし、グループ系列の旅館関係なら寮を持っているところは多いのでリゾートバイトを通してまちを知る時間も取れるからいいかもしれないが、そもそも仕事から生活を考えていくことに若干の違和感があります。

やりたいことをやれる場所が田舎、と考えていけば丁度いい

田舎といってもさまざまなのだが、移住をする人の多くはその土地に魅力を感じてそこに暮らしている。その土地にしかない景色や人の営み、文化や自然に惹かれ移住をしてくる他、その土地でしかできない仕事なんてのも多いだろう。

自分の場合は「自然の中でマイペースに仕事をしたい」「毎日同じ仕事をするのではなく、自分で仕事をつくりたい」といった気質と、「狩猟採取生活を日常にしたい」といったかなり特殊で、何より「我が儘に生きたい」という気持ちで楽しみながらそれなりの努力をしてきた。

おかげで今では野良仕事の他、大工工事、土木、伐採、造園、ジビエの解体士、食材ハンター、野菜の委託栽培、養蚕、ライターといろいろできるようになり、またそれらを日常的に効率良くできるように生活のあり方、住処すらも整えていくと、もはや大人版やりたい放題デラックスな毎日になっている。

やってみようかな? と思ったことをすぐできるのは本当にいいことだ。

田舎暮らしには、都会暮らしとは別の辛さがある

自分にとって田舎の生活は都会にくらべて楽園みたいなものなのだが、楽園と思うためにはいろいろ条件がある。虫が多いとか区費や消防費でお金がかかるとか、地域の出事には参加したくないと思うなら田舎暮らしはちょっと辛い。その中でも特に自分が思う都会と違ういちばん辛いことは、「何をするにも他人でいられない」ことだろう。

良くも悪くも、「移住者」と言われるくらいに移住してきた人は目立つ。それでもって、周りはよく見ている。誠実で筋の通った生き方を、何をしているのか他人が見てもわかる結果を見せれたなら上手くいくことが多いが、裏表のある付き合い方をしたら、それはあっという間に広がる。それはまちで買い物をしている時かもしれないし、運転ですれ違った時かもしれない。

つまりは隣人として、みんな気になってしょうがないのだ。

都会と田舎、両方の気質を理解しよう

田舎は家と家の距離は遠いが、人と人の精神的な関わりは都会より近いのかもしれない。自分の場合は自営業で一人親方なので、精神的な距離感が近いのはいろいろ頼りにしてもらえるから結果につながっているが、地元だとどこに出かけても大抵は知り合いに会うので、一人になりたいときはちょっと遠出したりする。家に自分の車が止まってると急に訪ねてくる人もいるので、疲れて寝ていても起こされたりするが、それは自営業者あるあるな感じだろう。

目立つのであれば、それをチャンスだと思って近所の方とお茶をしたり、こちらから積極的に挨拶するくらいで丁度いい。自分の場合、移住して最初の数か月は家の片付けの他、近所の方々が困っていた放置竹林の除去をやっていた。おかげで今ではお互いに気兼ねなく頼み事や自分たちの悩みの共有なんてのができるので、世代を超えた付き合いが可能になったりしている。

そうした仲から「仕事を見つけて生活を安定させる」のではなく、「生活から仕事をつくっていく」ことに自分は変えることができた。きっかけはそういうところにある気がするのだ。

終わりに…

「田舎で生きていくのには何が必要ですか?」

移住を検討している若者からよく聞かれるのだが、それは人間力だと自分は思う。AIによると、人間力とは内閣府の「人間力戦略研究会」が定義した言葉で、「社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力」とある。

田舎は自営業や家族経営が多く、求人を出したことがないから出せないでいることも多い。また別の理由に、人手は欲しいけど知らない人を雇いたくない、気を揉みたくないなんて理由もある。そうした求人に載らない人手不足な場所はこれからも増えていくだろう。

そうした場所で活躍できれば自ずと成功するだろうと思うのだが、その最低条件として、社会のルール、ビジネスマナーや大人との付き合い方は知ってなくてはいけない。だからオススメとしては、先ずは就職して社会人としていろいろな大人と付き合っていくこと。2~3年ぐらい勤めて精神的な余裕ができたら、地方を見てまわる。旅先でいいご近所さんと巡り合えたら移住しても安心だろう。

自分も良いご近所さんになれるよう、今日も草刈りはじめますかニャー。

台風の大雨の翌日に家の庭で保護した猫。名前は大雨の後からのゲン担ぎでハレ君です。

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