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OpenAppsのスマートロック「OpenCocon」が描く未来。鍵の先にひらく、安心とつながりのある社会へ

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最新スマートロック「OpenCocon」を展開するOpenApps株式会社。単なる玄関のデジタル化にとどまらず、壊さず、買い換えず、長く使い続けるという発想から生まれた“再生型サブスク”によって、安心と循環を暮らしの中に届ける。鍵からIoTの未来を拓こうとする革新的プロダクトの思想と、その開発の背景、挑戦の理由をOpenApps代表取締役 大江祥さんに聞いた。

目次

スマートロック開発の出発点は「安心を届ける仕事」

「前職では、携帯ショップ向けにスマホの保険やデータバックアップなど、安心を支えるサービスを販売していました。スマホを買うお客様に“これを入れておくと安心ですよ”と提案できるようなサービスを作る仕事です。長年続けるうちに、もっと新しい価値を届けたいと思い、自分でサブスクサービスを開発しようと独立したのがOpenAppsの始まりです」。大江さんのキャリアの中心には、常に「人の不安を減らす」という視点があった。その視点が、鍵という普遍的な道具に出会い、ビジネスと社会課題を結びつける。「鍵は、誰もが毎日必ず触る道具です。持ち物の中でもっとも普遍的で、生活の入口にある。ここに安心を付加すれば、毎日の暮らしそのものを豊かにできるんじゃないか、と考えたんです」。こうして生まれたのが スマートロック × サブスク保証 を融合させた「OpenCocon」である。

OpenApps代表取締役 大江祥さん。

物理鍵もそのまま使える“二重の安心”

OpenCoconは、アプリで開閉できるだけでなく、従来の鍵もそのまま使い続けられる。ドアの外側はそのままで、内側に強力なシールで取り付けるだけ。工事不要。取り外しも可能だ。「高齢の方や子どもなど、スマホが使えない家族がいても物理鍵で開けられる。逆にデジタル世代はアプリで便利に使える。リテラシーに関係なく、選択肢を増やせることが大切だと思っています」。

OpenCoconの仕組み。

世帯構造が多様化し、家族の形が変わりつつある今、暮らしに求められるのは強さではなく「やさしさ」だ。住宅事情も変わり、持ち家は減少し、賃貸住宅の比率が上昇。引っ越しや住み替えの回数は増え、住まいは「固定された場所」から「選択可能な拠点」へと変化している。その中で、壁や扉に穴を空けない取り付け方式は、住まいの柔軟性と自由度を高める。OpenCoconは、時代の生活感覚に沿ったスマートロックと言える。

“安心”を循環させる再生型サブスク

再生型サブスクという概念は、従来の「売って終わり」のビジネスを根本から置き換える。OpenCoconは月額550円~月額1100円の3プランで必要なサポートを選択することができる。サービス最大の特徴は、スマートロック本体だけではなく、家族全員のスマホやPC、タブレット、スマートウォッチまで補償対象にできる点だ。故障時の修理費は年間で最大10万円まで補償され、自己負担は0円。「サブスクの価値は“守り続けること”。壊れたら買い替えではなく、直して使う。これが再生型の発想です。だから、たとえ古い端末でも解約しない限り補償は続きます。極端に言えば、10年以上使い続けても守ることができる。それが買い替え前提の従来型ビジネスとは全く違う点と言えるでしょう」と大江さん。

複数の安心サポートプランがある。

本来、テクノロジーは環境負荷を減らすべきなのに、多くのガジェットは買い替えを促し続けてきた。新しいモデルが出るたびに価値が失われ、廃棄物が積み上がる。その矛盾に対して、OpenCoconは小さく、しかし確実な答えを投げかける。SDGs思想との親和性は高い——“つくって、壊して、捨てる”のではなく、長く使う循環の仕組みを生活に取り込む。テクノロジーは便利なだけでなく、やさしくあるべきだ。

鍵を入口にIoTの未来を広げていく

「日本はIoT分野の普及が世界的に遅れています。だからこそ、もっと身近な入口から始めたい。鍵は毎日触るものだから、IoTに触れる最初のハードルをなくせると思ったんです」。IoTは本来、生活者にとって「難しい技術」ではなく、暮らしを静かに支えるインフラであるべきだ。だからこそOpenCoconは、極端に便利さを誇示するのではなく、日々の小さな習慣の変化から始められる設計にこだわっている。アプリ「Cocon」には、窓センサーやカメラ、照明、通知機能など、暮らしを支えるIoTデバイスを自由に追加できる拡張性が備わっている。それは単なる防犯機能に留まらない。たとえば「高齢者の見守り」「子どもの帰宅通知」「無人内覧を可能にする不動産業の効率化」といった社会的課題への解決策としても活用され始めている。

日々の暮らしを静かに支えている。

セキュリティは、ただ「守りを固める」ための概念ではない。支え合い、つながりを生み、心の余裕を取り戻すための仕組みへと確実に進化しているのだ。安心とは、恐れの反対側にある静かな状態ではなく、「誰かを気にかける時間ややさしい関係性を生み出す力」である。OpenCoconは、IoTを暮らしの中心に押し込むのではなく、暮らしの自然な延長としてそっと寄り添わせる。

競合との差別化は、思想そのものにある

スマートロック市場は近年急速に拡大。だが、競争軸は「開閉方式の便利さ」に集中し、価格競争に陥りつつある。OpenCoconはそんな文脈の一歩外にいる存在だ。「単に“便利なガジェット”を作りたかったわけではありません。安心を継続して届けたい。鍵はその象徴なんです」その思想こそ、ユーザーの支持を集める理由だ。商品機能ではなく、“何を守りたいか” を中心に置く。これは保険事業で培った視点の強みでもある。

「鍵」を通して、支え合い、つながりを生む仕組みを提供している。

開発の裏側にあるチームの哲学

OpenCoconは株式会社ユーエムイーと共同で開発。ユーエムイーでは民泊や貸オフィス等、人の受付が不要なスマートロックや、住まいのトラブル駆けつけサービス等を展開しています。この技術ともしものカギのトラブルにはプロが駆けつけるサービスをセットにしてユーザーに安心を届けています。開発チームは少数精鋭で構成されており、大規模企業のような分業ではなく、同じテーブルを囲み、ひとつずつ課題を共有しながら進む。大江さんは、チーム文化についてこう語る。

「ユーザーの生活を想像することがすべての前提です。どんな家族が、どんな瞬間に、どんな気持ちで鍵を触るのか。それを考え尽くす作業が、プロダクトを磨きます」。技術のための技術ではなく、生活者の視点から立ち上げるテクノロジー。それが、OpenCoconに漂う「温度」の正体なのだ。

最後に大江さんに想いを尋ねた。「ものを直して使う、という価値観が当たり前になってほしい。保険で守りながら長く使い続ける世界をつくりたい。OpenCoconが、より良い未来の入口のひとつになれば嬉しいですね」。

鍵が変わると、暮らしが変わる。暮らしが変わると、未来が変わる。それは、毎日の小さな安心の積み重ねから始まるのかもしれない。

プロフィール

大江 祥(おおえ・しょう)
OpenApps株式会社 代表取締役/プロダクトデザイナー
1987年生まれ。東京都出身。大学卒業後、大手通信企業でスマホ保険や端末保証の企画に携わり、安心を循環させる仕組みを実装するため独立。2021年OpenApps創業、スマートロック×保証サブスク「OpenCocon」を開発。

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