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自分が “沼れる”ところで、福島12市町村と関わる|「そうそうつながらナイト」開催レポート

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福島12市町村をフィールドにした関係人口プロジェクトの関係者が集う交流イベント「そうそうつながらナイト」が3月8日(日)、東京都内で開催されました。関係人口として各プロジェクトに参画している都市部在住者をはじめ、福島12市町村内で活動する起業家や地元の事業者など、総勢約50名が参加。福島12市町村を愛し、その未来を共につくる仲間としての一体感が生まれた一日となりました。

目次

福島12市町村の関係人口がつながる一夜

東日本大震災、そして福島第一原子力発電所の事故から15年を経た福島12市町村。さまざまな課題は残りつつも、多くの人々の努力により着実に未来に向かって歩みを進めています。そんな福島12市町村で、公益社団法人福島相双復興推進機構が力を入れているのが関係人口の育成です。起業、副業、趣味、大学ゼミやサークル活動といった多様な形で、社会人から学生まで、主に都市部在住の多様な人材が福島12市町村に関わり始めています。

これらの関係人口プロジェクトの成果報告と関係者の横のつながりをつくることを目的として「そうそうつながらナイト※」を年に一度開催しています。

※イベント名は、福島12市町村とおおよそ同じエリアを指す相双(そうそう)地域の名に由来。

関係人口となって福島12市町村内に関わり始めたばかりの方から、地域内で活動する起業家や地元の事業者も含めて、総勢約50名が東京都港区の会場「SHAKOBA」に集結。「この前はどうも」「久しぶり」「はじめまして」といった言葉が交わされるなか、イベントがスタートしました。

まずは、主催である公益社団法人福島相双復興推進機構様(以下、『相双機構』)よりご挨拶と関係人口事業として展開しているプロジェクトを紹介。そして、実際のプロジェクト参加者によるトークセッションが行われました。

関係人口事業(プロジェクト)紹介

「ふくしま未来創造アカデミー」とは
主に首都圏の社会人を対象としたプログラム。東京での座学による情報のインプットや現地フィールドワークを通じて、最終的には福島12市町村を題材に参加者自身がやりたいことをプランとして発表。プランの実現化を通して12市町村への継続的な関与を促し、加えて、受講生同士の関係人口コミュニティを形成するもの。
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「フクシマックス」とは
福島12市町村の事業者に副業として関与し、新規事業立上げ経験や課題解決に取り組むことを通じて、地域の顧客ニーズ・人脈等の獲得を支援。参加人材に対しては起業支援を並行して実施することで、福島12市町村での起業や、副業先との継続的な関与を通じた関係人口化を促すもの。
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「ソーシャルコラボレーション」とは
今年度から新規スタート。都市部において一定の経験や能力を有するビジネスパーソンが、プロボノ人材として福島12市町村で地域課題解決に取り組む企業・団体と協働し、成果を生み出すプロジェクト。その取り組みやネットワークを通じて、持続的な関係人口の拡大を図るもの。
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「F12FLY」とは
学生向けのプロジェクト。F12は「福島12市町村」を、FLYは「羽ばたく&魚の稚魚」を意味し、参加した学生が羽ばたいて戻ってきてほしいという思いが込めている。福島12市町村内の若手キーパーソンと組んで課題に取り組んでもらう。
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実際にプロジェクトに参加する皆さんと『ソトコト』編集長・指出一正によるセッションタイムです。関係人口としてどんな活動をしているのか、実際に福島12市町村に関わってみた感想を伺いました。

事例セッション①|フクシマックス&ソーシャルコラボレーション

ー登壇者ご紹介ー

新沼真奈美さん
復興支援として福島12市町村内の小売店向けに無人レジの導入とメンテナンスを行う企業の思いに共感し、「フクシマックス」に副業で参画。大手化学メーカーでの人事業務の経験から、人材確保のサポートを行っている。

神谷直樹さん
「ソーシャルコラボレーション」に参画。福島12市町村で防災や伝統芸能を通じたコミュニティづくりを行う企業と共同し、双葉群の盆踊りを復活させるプロジェクトを進行中。若手メンバーとチームを組み、3年後の開催を目標に活動している。

事例紹介セッション。左はファシリテーターを務めた『ソトコト』編集長の指出一正。

指出:プロジェクトに参加し相双地域を考える時間を経て、これまでと違う経験がありましたか。

新沼さん:自分が思っているほど、まだ復興が進んでないところがあるのかなと感じました。一方で、若い世代の方が自分の夢を叶える地として福島12市町村を選んで、地域の方々と協力して事業をやっているのは非常に明るくていいなと思います。

神谷さん:若い人が関わっているのはすごく感じています。(自身が関わる)このイベント自体も、若い子がチームに入ってくれたり、現地のNPO法人にも若い人が新卒でいらっしゃったり。福島に関しての問題も、短期間では終わらないのかなと感じていますので、そうした縦のつながり、横のつながりも大事だと思いました。



指出:この先、お二人が考えている相双地域との関わり方があったら教えてください。

新沼さん:「フクシマックス」は 3月末までのプロジェクトですが、共同している企業の社長と相談して、その後もできるところまで関わらせていただくという話はしています。

神谷さん:盆踊りはどうやっていくか、まだこれからではあります。このメンバーで実行委員会の中に入って推進団体としていければと思っていますが、交通費など目の前の課題が確立できていなくて、どうやって活動を続けていくか、仲間もこれから集めなきゃと考えています。3年後の盆踊りを開催することを目標に続けていたいですね。

事例セッションは会場も巻き込みながら和気あいあいと行われた。

事例紹介セッション②|F12FLY & ふくしま未来創造アカデミー

ー登壇者ご紹介ー

千田柊寧さん
「F12FLYプロジェクト」に参画する大学生。福島12市町村の農家と共同し、農作物の販路開拓支援を行う。都内の飲食店でアルバイトをしながら浪江町のニンニクを使用したメニューの開発などを通じて、生産者の思いを伝える活動を行っている。

大杉健斗さん 
博物館支援サークル「ミュゼさぽ」の副代表を務める。サークルとして「F12FLYプロジェクト」に参画し、葛尾村の地域資料保存博物館「伝習館」の展示会を東京で開催。その一環として、葛尾村の食文化の一つである「凍み餅(しみもち)」をついて食べるというワークショップも行った。

菅野秀和さん
ふくしま未来創造アカデミーの1期生。モルックを通じて地域と繋がる「相双ゆるっく」を受講時に発表。誰でも簡単に楽しめ、自然とコミュニケーションが生まれるモルックの特徴を生かし、地元の方と東京の方がつながる機会を企画実施している。

西山里佳さん
「ふくしま未来創造アカデミー」のメンター。南相馬市小高区のデザイン事務所「粒々(つぶつぶ)」を拠点に、地域のコミュニティづくりをはじめとしてさまざまな観点でまちづくりを手がける。

事例セッション②の様子。

指出:それぞれプロジェクトに参加されてどう思いましたか。参加したことでご自身が変わったことや気づいたことあったら教えてください。

千田さん:福島12市町村は東日本大震災を経て大変な時期もあったと思いますが、それを乗り越えてほぼゼロからの状態で作物を作るのはすごく勇気がいること。その人たちをサポートしたり、いろんな人に発信したりしたいという気持ちが芽生えました。相馬野馬追の文化を知れたことはもちろん、その文化を地域の人が自分たちの誇りやシンボルとして伝えようとしていることが、僕たちにとってもいい刺激になりました。

大杉さん:サークルとしては博物館や美術館を拠点として活動しているので、地方創生や復興の文脈にはあまり関わっていないようでしたが、我々でもそういったところに関わることができるというのは未知の可能性を感じました。

菅野さん:自分自身が福島出身者ですが、今まで知らなかったことや福島12市町村について考えて、実際に動ける仲間が東京にもできた、そしてそのきっかけとして「ふくしま未来創造アカデミー」があったことが、次のステップにつながるいい形になったなと思いました。

学生ならではの行動力あるプロジェクトには、福島12市町村の住民である西山さんや指出も聞き入っていた。

指出:今後、相双地域との間に生まれた関係をどう進めていきたいと思いますか。

千田さん:より多くの農家様と関わって、さらに販路の開拓をしていきたいです。また、地産地消を進めてもおもしろいのではと思っています。輸送費や商社を経由するのにかかるコストをおさえる。つまり、農家様にとっては原価を上げて販売することもできるし、消費者にとっても安く農作物を買うことができるのではないかと考えました。一方で、都会に販路をたくさん持つことは、原価をもっと上げて、農家様の利益になる。その視点からもっと販路の開拓を進められたらなとも考えています。そしたら復興にもつながりますし、地産地消の一つのモデルとして全国の困っている農家さんも真似できるし、とも考えています。

大杉さん:サークルとしては、今回拠点とさせていただいた葛尾村や大山さんと何かしら関わりを継続したいと思っています。また、富岡町にある「富岡アーカイブミュージアム」にも我々のメンバーが訪問させていただくことにも何かしら可能性があるのではと感じています。

菅野さん:「ふくしま未来創造アカデミー」を卒業してから「東京相双化計画」という、受講生が集まるコミュニティをつくりました。これは、プロジェクトが終わってつながりがだんだん軽薄になるよねというのがある中で、その受皿として何かつくれないかなと作らせてもらいました。相双地域とゆるくモルックでつながるチームをつくっています。

西山さん:今日集まっていただいた皆さん、本当にいろんな形で自分が“沼れる”ところに力を注いで、福島12市町村に関わっていただいてすごく嬉しいなと思いました。といえ、福島12市町村って、起業とか若い人が移住してきたりとか、チャレンジしてる方も多いんですけど、それだけじゃない市井の方たちも巻き込まれたり、傍観したりしながら、その地域に暮らしているっていうところが、やっぱり大事なところです。そういう人たちとも関わってもらえたらすごく嬉しいなと思っています。


会場側で聞いている人たちも巻き込みながら、終始なごやかな雰囲気で事例セッションは終了。

後半は、福島12市町村のお酒や『東北カフェ&ダイニング トレジオンポート』がプロデュースする福島12市町村ゆかりの食材を使用した料理を囲みながら、参加者同士で親睦を深めました。

福島12市町村の食材を使用したケータリング。
ケータリングを提供いただいた『東北カフェ&ダイニング トレジオンポート』の三廻部麻衣さん。
「ふくしま未来創造アカデミー」OBが主宰する、大熊町での写真ワークショップの展示も行われた。

最後に参加者の皆さんからの“アナウンスタイム”。浪江町にあるシェアハウスの住民の募集や、新しくオープンする酒蔵の紹介、自身が企画するプロジェクトについて仲間を募ったり、協力を呼びかけたりと、これからの福島12市町村のより一層の盛り上がりが感じられる時間となりました。趣味を通じて地域とつながる部活型のプロジェクトも始まるという福島12市町村、今後に期待です!

最後の記念撮影。これを機にまた新しい動きが生まれることにも期待が高まります。


【主催】公益社団法人福島相双復興推進機構
【写真】一般社団法人日本関係人口協会
【文】ソトコト事業部

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