ローカルプロジェクトを始めてみたい、関わってみたいという人に向けたおすすめの本を知った後は、実際の事例に触れてみてはいかがでしょうか。場づくりや農福連携、教育、自然、ユニークなプロダクトなど、知らなかった地域の顔が見られる、そんなプロジェクトを集めました。
目次
ISEZI Social Design Project
新潟県新発田市の中心部で、元・呉服店だった築約150年の建物を改装して新しい場づくりを行う「ISEZI」。フランス・パリで活動していた写真家の水島優まさるさんを中心に、開かれた「フランス式」のコミュニティスペースを目指して奮闘中だ。間口が狭く奥行きのある昔ながらの町家や立派な蔵をそのまま生かし、訪れる人みんなが楽しめる、食、音楽、アートなどに関するイベントやワークショップを開催。今後は市や近隣の大学と連携したイベントや、ゲストハウスとしての活用も視野に入れつつ、さまざまな仕掛けを計画中。まちに新たな憩いの場が誕生した。
Shimane Cinema Onozawa
東京都北区で『Cinema Chupki TABATA』を運営していた和田浩章さんは、映画を気軽に観られる場を島根県につくりたいと活動を始めた更さら沙ささんと出会い、結婚。浩章さんの退職を機に、更沙さんの地元・島根県益田市にU・Iターンし、廃業していた映画館を新たな形に復活させた。もともと都内で運営していた映画館は、視覚や聴覚に障害のある人も楽しめるように工夫された場だったが、今回も車椅子専用の客席を設けたりと、誰もが楽しめるようにという優しさが受け継がれている。福祉的な要素に加え、芸術の要素も取り入れたユニバーサルな上映にも取り組んでいく予定だ。
text by Hiroya Honma(SOTOKOTO)
記事は雑誌ソトコト2022年3月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。