公私・境なく、虎ノ門界隈をフィールドにソーシャルな活動をされています！

お話を聞いた人

『森ビル株式会社』タウンマネジメント事業部　中 裕樹さん

横尾　ディベロッパーの社員としてまちづくりに携わりながら、グリーンバードの虎ノ門チームリーダーとして、ボランティア活動にも取り組む中裕樹さん。今、勤めていらっしゃる『森ビル』へ入社する時から、社会貢献志向が強かったんですか？

中　働くからには、社会にインパクトを与えるような仕事をしたいとずっと思っていました。大学時代はＩＴブーム真っただ中で、「3年で会社を辞めて起業するのがカッコいい」という風潮がありました。自分もインターネットや通信系のゼミに入っていたのですが、一生かけてそれをやるイメージがなく……。そんな時、『森ビル』の社員の方の話を聞く機会があり、「まちづくりって面白いんだ。地図にも残る仕事っていいなあ」と入社を決めました。

横尾　実際、思いどおりの仕事はできていますか？

中　入社してからは、営業企画部門・不動産売買部門でがむしゃらに働きました。3年前、ついに自分の希望が叶い、虎ノ門エリアの運営チームに配属されたんです。虎ノ門ヒルズでのイベント企画、それに周辺の土地の活用や、虎ノ門をグローバルビジネスセンターにするためのブランディング業務などを行っています。エリア一帯で面白いことができないか、地元の町会や企業、ＮＰＯなどの人たちと企てています。

横尾　虎ノ門ヒルズヨガやビアガーデンなどは人気ですよね！　キャラクターのグッズをつくったりもしているとか。あとは、ビルの壁面をアートにしていくプロジェクトなども素敵です。仕事、楽しそうですね。

中　一番のやりがいは、まちの運営を通して、人の顔が見え、皆さんの反応がすぐに分かることです。エリアの再開発という大きなプロジェクトの中にあって、一つ一つの企画が、結果的に人と人との関係性や虎ノ門を象徴する風景をつくっていけるのが一番の楽しみです。

横尾　今年からグリーンバードのチームリーダーにもなってもらいました。今さらですが、ただでさえ仕事で忙しい中、なんで引き受けてくれたんですか？（笑）。

中　まちにいる面白い人たちともっと交流したかったからです。僕たちは普段、町会や地権者の方々とはよく顔を合わせますが、それ以外はなかなかない。清掃活動をすると、店舗スタッフとか、地元の学生さんに出会えます。今後も、多様な人が気軽に集える場になればと思います。そうした交流がきっかけでイベントのアイディアを思いつくなど、結果的に仕事にもつながったりしています。趣味は何もスポーツや飲み会だけじゃなくていい。楽しいこと、好きなことを突き詰めていったら、僕の場合たまたまここに辿りついただけです。

横尾　これからソーシャルな活動に、何かしら関わりたいと思っている人にメッセージをお願いします！

中　まずは目の前の仕事に全力で取り組むこと。それが次の仕事、自分のやりたい仕事につながります。でも、仕事と並行してできることもある。小さく始めてみて、ＳＮＳなどを使ってそれをどんどん発信すれば、社会からの評価が会社に届けられることもきっとあります。ぜひ、小さなアクションからスタートしてみてください！

取材後記

本業でもボランティアの活動でも、まちづくりに携わっている中さん。まちに数々の企画を生み出しています。「社会にインパクトを与えたい」という学生時代からの思いをまさに実現できていて、素敵だなあと思いました。印象的だったのは、社外でのソーシャルな活動が本業にも活きているとおっしゃっていたこと。社会課題を解決することが企業のミッションとして明確に認識されてきた昨今、「二足のわらじ」を履くことは、個人の趣味の領域を超え、仕事にもつながってくるんですね。しかもそれが結果として、会社の評価にも結びつくのでは……。読者のみなさんもぜひ、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか？来月もソーシャルな生き方をしている人、ご紹介します！（横尾）